少女探偵ヒカリ

杉野桜姫

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タロット殺人事件

第一の殺人

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ヒカリは現場についた
「検死依頼って」
鑑識はヒカリを通した
「こちらです」
ヒカリは息を飲んだ
「これが遺体？」
鑑識はうなずいた
上半身がベンチに座っていた
まるで誰かを待つようだった
｢死体の第一発見者は？｣
｢あちらです｣
刑事は素っ気なく答えた
ヒカリは死体に目をやった
｢誰かに殺されたとも訴えてる気が｣
｢訴えてる？｣
ヒカリはうなずいた
｢ヒカリ、どうしたの？｣
エンナはヒカリを見た
ヒカリは死体をもう一度見た
｢目が半開きになってるわ！｣
ヒカリは驚いた
「第一発見者の話とは大違いね｣
巡査はうなずいた
ベルはヒカリに
「どうしました？」
「遺体が見たのよ」
「遺体が？」
ベルはおそるおそる遺体を見た
「見てますね」
ヒカリはうなずいた
エンナは足が震えていた
ヒカリは現場から出て
「何かあたしを見ていた気が」
「どうしました？」
チェレンはヒカリに
「今、いるのは」
「港南区よ」
「下半身のない遺体が港南区か｣
ベルは首をかしげた
「名前にタロットに関する名前があると」
「被害者は嶋田輪奈さんよ」
ヒカリはエンナから聞いて
「名前の中にタロットの運命の輪が入ってるわ！」
エンナはあわてて手帳を見た
「確かに」
「職業は？」
「女子高生だって」
ヒカリは驚いた
「しかも高三よ」
「失踪時は学校帰りと」
「学校もかなり辛いわね」
エンナはうなずいた
ヒカリたちは高校に行った
「輪奈が？」
エンナはうなずいた
同級生は泣きながら
「輪奈は生徒会で活躍が期待された子だったのに！」
教師はエンナに
「嶋田に何かありました？」
「申し上げにくいのですが」
「先週から｣
「公園で下半身がない状態で」
ベルは柱越しから見た
「気にしないであの子は人見知りだから」
教師は納得した
ヒカリは首をかしげた
ヒカリは考えた
「被害者が目を開けた理由がな」
チェレンはうなずいた
「こっちに見たのも」
ヒカリは首をかしげた
「医師としての考えも」
ベルはうなずいた
ヒカリはヘルメットを被ろうとした
「今さっき栄署から連絡が」
「どうしたの？エンナ？」
エンナはヒカリに
「本郷台駅で右足がない遺体が」
「右足が」
エンナはうなずいた
ヒカリはバイクを走らせた
「検死依頼が立て続けだから」
エンナは困り果てた
「なんか失踪して一週間後に事件が起きてるわ」
「一週間後に？」
チェレンは思わず言った
エンナはうなずいた
「神奈川県警も頭を痛めるわ」
ベルはスマートフォンを見た
｢もうニュースになってますよ！｣
エンナは驚いた
「早いわね｣
ヒカリは駅に着いた
「場所は？」
警官はヒカリに指差した
「ここ？」
警官はうなずいた
「ベンチに座っていたのに」
「つまり血が流れていたと」
「その通りです」
「屠殺ではないと思うわ」
ヒカリはおもむろに左腕を見た
「あったわ」
「何が？」
ヒカリは指差した
「これはタトゥー？」
ヒカリはうなずいた
「死因は毒殺だと思うが解剖待ちで」
エンナはパトカーから降りた
「ヒカリ、どうだった？」
「同じだったわ」
「栄区は右足で港南区、下半身か」
ヒカリは座った
「まだ殺人は続くわ」
「タトゥーの持つ人間が？」
ヒカリはうなずいた
「本郷台駅で殺された人間は星だと思うわ」
「タロットカードに関係が」
ヒカリはうなずいた
「星羅と」
「被害者の名前？」
エンナはうなずいた
「またか｣
ヒカリは呟いた
伊織は時計を見た
「夕方に」
「犯人はまだ捕まらないの？」
「お手上げよ」
「やはり」
ヒカリは呆れた
「こういうことだと思ったわ」
ベルはあくびした
「まだ藁人形が」
「その話は寄せ！」
「最初の殺人の時に」
「被害者が目を開けてどうして見たかが」
「わたしだってわからないわ」
ヒカリはベッドに横になった
「まだわからないのか？」
ヒカリはうなずいた
コーデリアは心配そうにニャーと鳴いた
「大丈夫よ、コーデリア」
ヒカリはコーデリアを抱き上げた
チェレンは灯りを消した
ナンシーとコーデリアは自分の部屋で寝た
翌朝、ヒカリは新聞を読んだ
「早いわね｣
チェレンはうなずいた
「栄区と港南区で殺人だとするなら」
「被害者の名前にタロットカードの名前とタトゥーがあったことかしら？」
「コーデリアとナンシーに餌あげたが」
「助かるわ」
ヒカリは新聞を読み進めた
「問題は死亡推定時刻だが」
「これが解明できればノーベル賞ものよ！」
ヒカリはきっぱりと言った
チェレンはナンシーとコーデリアを見た
Nは黒猫を探した
「アルセーヌ？」
アルセーヌはニャーと一鳴きした
「また来たあの猫たちの面倒見て欲しかったが」
Nは鮭を見ながら考えた
ヒカリのスマートフォンが鳴った
「エンナからだ」
エンナは息を切らした
「磯子署から電話で」
「電話？」
エンナはうなずいた
「また遺体が」
「また？」
ヒカリは驚いた

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