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俺の風
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風だと思った。
決して美しいとはいえない後ろ姿を見ても、彼女の印象は風だった。
力強いけど、清々しい風だった。
男子校に進学して良かったと思う。
休憩時間に騒がしくはなるけど、女子のキンキン声が混ざってないだけだいぶマシだ。
本も好きなだけ読める―――
ドサッ
「ほい。預かりものー」
俺の机に音を立てて紙袋を置いたそいつは、人懐こい笑みを浮かべた。
「なんだこれは」
「なんだって、あれだよ。男なら一度は貰ってみたいね★ラブレターの山」
途端に眉をひそめる俺に、そいつはやれやれとわざとらしく首を竦めてみせる。
「今回もリアクション悪いなぁ。お前、こぉいうのって俺らからしたら羨ましい状況なんだけど?」
ため息しか出なかった。
こいつが言う気持ちが解らないなんてことは言わない。俺はある意味恵まれてるのだろう。
幼い頃からあらゆる女に、綺麗な顔ね、と言われてきた。
ただ綺麗な鑑賞物とだけ思われているうちは良かった。
しかし、想像してほしい。数歩歩く毎に呼び止められ隙あらば誘拐されかけ、常に盗撮や痴漢を警戒しなければならない日々。そんな日々を異常だと認識できる前からおくっていたらどうなるか。
女であれ男であれ、知り合いでもないのに二秒以上自分を見つめる人間は警戒対象と思うようになった。手紙や贈り物を寄越す人間は言わずもがなである。
机の上に置かれた紙袋を虚ろな目で見る俺を、目の前のやつは苦笑して眺める。
「まぁ、一応これお前宛だから。とりあえず家までは持って帰れよ?」
こいつは、俺のことをわりと昔から知っている。知っていて、羨んだりやっかんだりしない貴重な人間だ。
解ったと頷いたところで予鈴がなる。
紙袋をロッカーに突っ込んで、席に戻った。
最寄駅から学校までの道に、やたら長い坂道がある。朝は上り坂なので、登校直後は皆息切れしている。
でも、俺は最近朝早い時間のこの坂が気に入っている。
それは―――――
――――――――――ュンッ
今日も後ろから風が通り過ぎた。
一瞬遅れて見上げると、自転車を揺らしながら立ち漕ぎで上っていく後ろ姿が見える。
しばらく立ち尽くしてその後ろ姿を見送っていると後ろから声をかけられた。
「ぉぃぃぃす………はぁぁ………お、まえ………いつも、こんな早く来てんの?」
「あぁ」
元々は電車に悠々と乗るためだった。
「俺は今日日直だから。あー………にしても、この坂キッツいなー………お前もこんなとこで休憩?」
「まぁ、そんなところ」
ふぅん?とそいつはからかうような目で俺を見る。
「お前がこんな外で顰め面しないどころかぼぅと立ってるからさ。とうとう女の子に心奪われたかと思ったぞ」
「女の子」
ぼんやりと繰り返す。
毎朝この坂で追い越していく風。
いつも力強く、それでいて優しい風。
あの後ろ姿は、確かに女の子。
思い返していると、隣のそいつは珍しそうに俺の目を覗きこんできた。
「女の子、のワードにピリピリしないなんて珍しいな。まさかドンピシャ?」
「解らない」
ぽつんと答える。
生身の女は、今まで理解不能の存在でしかなかった。
綺麗な顔というだけでのぼせ上がって自分の思いを伝えたい、押し付けたい、もしかしたら絡み付いて雁字搦めにしないと気がすまない生き物。
それを好む男もいるだろうが、俺には解らなかった。
でも、あの風は。
俺はあの風を不快に感じなかった。生身の女の子だと解っても。
今では毎朝あの風を待っている。
俺は、あの風を、あの子を気にしてるってことなのか?
考えこんでいる俺を、そいつはニヤニヤと眺める。
「お前も女の子に恋する日が来たんだなぁ。で?どんな子だよ?」
「…………………………風」
はぁっ?と声をあげるそいつを放って、俺はまた登りだした。
風が気になる女の子になったとして。
何処の誰かが解らないんだからどうしようもないわけで。
「お前、とても恋してる男子に見えないな」
「相手が解らないんだから、仕方ないだろ」
かーっ!と爺くさく頭を振ってそいつは呆れた声を出す。
「せっかく好きになった相手だぜ?相手のことが知りたい~ってジタバタしろよ、少しは!」
「やる気ないなら、俺は帰るぞ。一人で日直頑張れ」
「スイマセン。手伝って下さい」
黒板消しを綺麗にして両腕を念入りに洗って戻ってくると、そいつは日誌を書いていた。
なんとなくそいつの前の席に座ると、書きながら聞かれる。
「その子、高校生?」
「……………たぶん」
「どこの学校?」
「解らん。ここからそう離れてないとは思うが」
「制服とか髪型とか、なんか特徴は?」
「……………チェックのスカート」
そいつは顔を上げて、マジマジと俺を見た。
「今のところ決定的な手がかりに欠けるんだが………そもそも、その子のどこに惹かれたんだ?」
疑問に思われるのも仕方ないが、なんとも説明しがたい。その子の風が心地よかった。その子の存在を感じても不愉快どころか安心を感じたなんて説明したところで解ってもらえるかどうか。
黙りこむ俺を、そいつは責めなかった。
「まぁ、いいや。焦ってないってことは、お前の中では見つける算段できてるんだよな?」
「いや、ない」
「マジかー。呑気に構えてたら、会えないんじゃないか?」
「そうかもな」
その相槌は半分冗談だった。きっと明日もあの坂で会える。そう確信していた。
次の日から、風は吹かなかった。
始めは時間を間違えたのかと思った。
でも、登校時間ギリギリまで待っても、何日待っても風は吹かなかった。
そいつは説教めいたことは言わなかった。
ただ、少し躊躇してから聞かれた。
「お前、大丈夫か?」
あぁ、と頷いてから首を傾げる。
「俺は、変に見えてるのか?」
「いや、そうじゃないけど。これってお前の人性初の挫折じゃん?いつも通りに見えるけど、俺なりに心配してるわけ」
「人性初、なんて大袈裟だな」
そいつはジト目で俺を軽く睨んだ。
「じゃあ、今まであるのか?挫折したこと」
「……………どうだった、かな」
首を捻ると、ほら見ろ、とばかりにため息をつかれた。
「その子に会えないのは残念だけどさ。不幸中の幸いもあったからよかったじゃん」
「不幸中の幸い?」
何だそれ、とそいつを見ると、気だるそうに漫画を捲りながら言う。
「毎日毎日お前が突っ立って誰かを待ってるものだからさ。すげぇ惚れた相手ができたとか、束の間の会瀬も逃したくないほどの恋人ができたとか、いろいろ噂が出てるんだよ。んで、お前が鬱陶しがってたラブレターが激減、てわけ」
「そうか」
手紙の件ではかなり助けてくれた。今までありがとう、と言っていいものか悩んでいると、ため息混じりに言われた。
「あとは、なんとかその子が見つかればいーんだけどな」
「お前って、いいやつだな」
「今さら解ったのか、この鈍チンが」
懐かしいモノマネで言ったそいつに、俺は思わず吹き出した。
今まで登下校は前方を見据えて急ぎ足で歩いていた。乗車中は常に痴漢を警戒していた。
こんな風に、ゆっくりのんびり歩いて帰る日が来るなんて思わなかった。
ぼんやりと歩いていると、赤い自転車が無造作に置かれているのが視界の隅に入った。風でタイヤがカラカラ回っている。
ヤケに綺麗な状態の自転車に見入っていると、小さな嗚咽が聞こえてきた。
草の間に、小さく踞った背中が見えた。
制服ではないけど、風だと思った。
こんなところで、服が汚れるのも構わず座りこんで泣いている。
風が弱々しく泣いてるのが嫌で、草の中に分け行った。
決して美しいとはいえない後ろ姿を見ても、彼女の印象は風だった。
力強いけど、清々しい風だった。
男子校に進学して良かったと思う。
休憩時間に騒がしくはなるけど、女子のキンキン声が混ざってないだけだいぶマシだ。
本も好きなだけ読める―――
ドサッ
「ほい。預かりものー」
俺の机に音を立てて紙袋を置いたそいつは、人懐こい笑みを浮かべた。
「なんだこれは」
「なんだって、あれだよ。男なら一度は貰ってみたいね★ラブレターの山」
途端に眉をひそめる俺に、そいつはやれやれとわざとらしく首を竦めてみせる。
「今回もリアクション悪いなぁ。お前、こぉいうのって俺らからしたら羨ましい状況なんだけど?」
ため息しか出なかった。
こいつが言う気持ちが解らないなんてことは言わない。俺はある意味恵まれてるのだろう。
幼い頃からあらゆる女に、綺麗な顔ね、と言われてきた。
ただ綺麗な鑑賞物とだけ思われているうちは良かった。
しかし、想像してほしい。数歩歩く毎に呼び止められ隙あらば誘拐されかけ、常に盗撮や痴漢を警戒しなければならない日々。そんな日々を異常だと認識できる前からおくっていたらどうなるか。
女であれ男であれ、知り合いでもないのに二秒以上自分を見つめる人間は警戒対象と思うようになった。手紙や贈り物を寄越す人間は言わずもがなである。
机の上に置かれた紙袋を虚ろな目で見る俺を、目の前のやつは苦笑して眺める。
「まぁ、一応これお前宛だから。とりあえず家までは持って帰れよ?」
こいつは、俺のことをわりと昔から知っている。知っていて、羨んだりやっかんだりしない貴重な人間だ。
解ったと頷いたところで予鈴がなる。
紙袋をロッカーに突っ込んで、席に戻った。
最寄駅から学校までの道に、やたら長い坂道がある。朝は上り坂なので、登校直後は皆息切れしている。
でも、俺は最近朝早い時間のこの坂が気に入っている。
それは―――――
――――――――――ュンッ
今日も後ろから風が通り過ぎた。
一瞬遅れて見上げると、自転車を揺らしながら立ち漕ぎで上っていく後ろ姿が見える。
しばらく立ち尽くしてその後ろ姿を見送っていると後ろから声をかけられた。
「ぉぃぃぃす………はぁぁ………お、まえ………いつも、こんな早く来てんの?」
「あぁ」
元々は電車に悠々と乗るためだった。
「俺は今日日直だから。あー………にしても、この坂キッツいなー………お前もこんなとこで休憩?」
「まぁ、そんなところ」
ふぅん?とそいつはからかうような目で俺を見る。
「お前がこんな外で顰め面しないどころかぼぅと立ってるからさ。とうとう女の子に心奪われたかと思ったぞ」
「女の子」
ぼんやりと繰り返す。
毎朝この坂で追い越していく風。
いつも力強く、それでいて優しい風。
あの後ろ姿は、確かに女の子。
思い返していると、隣のそいつは珍しそうに俺の目を覗きこんできた。
「女の子、のワードにピリピリしないなんて珍しいな。まさかドンピシャ?」
「解らない」
ぽつんと答える。
生身の女は、今まで理解不能の存在でしかなかった。
綺麗な顔というだけでのぼせ上がって自分の思いを伝えたい、押し付けたい、もしかしたら絡み付いて雁字搦めにしないと気がすまない生き物。
それを好む男もいるだろうが、俺には解らなかった。
でも、あの風は。
俺はあの風を不快に感じなかった。生身の女の子だと解っても。
今では毎朝あの風を待っている。
俺は、あの風を、あの子を気にしてるってことなのか?
考えこんでいる俺を、そいつはニヤニヤと眺める。
「お前も女の子に恋する日が来たんだなぁ。で?どんな子だよ?」
「…………………………風」
はぁっ?と声をあげるそいつを放って、俺はまた登りだした。
風が気になる女の子になったとして。
何処の誰かが解らないんだからどうしようもないわけで。
「お前、とても恋してる男子に見えないな」
「相手が解らないんだから、仕方ないだろ」
かーっ!と爺くさく頭を振ってそいつは呆れた声を出す。
「せっかく好きになった相手だぜ?相手のことが知りたい~ってジタバタしろよ、少しは!」
「やる気ないなら、俺は帰るぞ。一人で日直頑張れ」
「スイマセン。手伝って下さい」
黒板消しを綺麗にして両腕を念入りに洗って戻ってくると、そいつは日誌を書いていた。
なんとなくそいつの前の席に座ると、書きながら聞かれる。
「その子、高校生?」
「……………たぶん」
「どこの学校?」
「解らん。ここからそう離れてないとは思うが」
「制服とか髪型とか、なんか特徴は?」
「……………チェックのスカート」
そいつは顔を上げて、マジマジと俺を見た。
「今のところ決定的な手がかりに欠けるんだが………そもそも、その子のどこに惹かれたんだ?」
疑問に思われるのも仕方ないが、なんとも説明しがたい。その子の風が心地よかった。その子の存在を感じても不愉快どころか安心を感じたなんて説明したところで解ってもらえるかどうか。
黙りこむ俺を、そいつは責めなかった。
「まぁ、いいや。焦ってないってことは、お前の中では見つける算段できてるんだよな?」
「いや、ない」
「マジかー。呑気に構えてたら、会えないんじゃないか?」
「そうかもな」
その相槌は半分冗談だった。きっと明日もあの坂で会える。そう確信していた。
次の日から、風は吹かなかった。
始めは時間を間違えたのかと思った。
でも、登校時間ギリギリまで待っても、何日待っても風は吹かなかった。
そいつは説教めいたことは言わなかった。
ただ、少し躊躇してから聞かれた。
「お前、大丈夫か?」
あぁ、と頷いてから首を傾げる。
「俺は、変に見えてるのか?」
「いや、そうじゃないけど。これってお前の人性初の挫折じゃん?いつも通りに見えるけど、俺なりに心配してるわけ」
「人性初、なんて大袈裟だな」
そいつはジト目で俺を軽く睨んだ。
「じゃあ、今まであるのか?挫折したこと」
「……………どうだった、かな」
首を捻ると、ほら見ろ、とばかりにため息をつかれた。
「その子に会えないのは残念だけどさ。不幸中の幸いもあったからよかったじゃん」
「不幸中の幸い?」
何だそれ、とそいつを見ると、気だるそうに漫画を捲りながら言う。
「毎日毎日お前が突っ立って誰かを待ってるものだからさ。すげぇ惚れた相手ができたとか、束の間の会瀬も逃したくないほどの恋人ができたとか、いろいろ噂が出てるんだよ。んで、お前が鬱陶しがってたラブレターが激減、てわけ」
「そうか」
手紙の件ではかなり助けてくれた。今までありがとう、と言っていいものか悩んでいると、ため息混じりに言われた。
「あとは、なんとかその子が見つかればいーんだけどな」
「お前って、いいやつだな」
「今さら解ったのか、この鈍チンが」
懐かしいモノマネで言ったそいつに、俺は思わず吹き出した。
今まで登下校は前方を見据えて急ぎ足で歩いていた。乗車中は常に痴漢を警戒していた。
こんな風に、ゆっくりのんびり歩いて帰る日が来るなんて思わなかった。
ぼんやりと歩いていると、赤い自転車が無造作に置かれているのが視界の隅に入った。風でタイヤがカラカラ回っている。
ヤケに綺麗な状態の自転車に見入っていると、小さな嗚咽が聞こえてきた。
草の間に、小さく踞った背中が見えた。
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