南国勇者〜パーティを追放されたおっさん、流れついた先はトコナツの楽園でした〜

LABYRINTH

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【2話】青い海 透き通る空

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 まどろむような意識の中、じりじりと灼けるような鮮烈な日差しを肌に感じていた。

 まぶたの裏が赤くなる。


 サー、サーと穏やかな波が寄せては返す音。裸の背中には汗とざらつく砂の感触。


「ん……んん……」


 どうやら俺はまだ生きているらしい。

 上半身から顔にかけて痛みがある。

 しだいに意識が覚醒する中で、その物理的な痛みは徐々に強くなっていく。


「かはっ!」


 痛みに耐えきれずガバッと起き上がる。大量に飲み込んでいたのだろう、生きた小魚と一緒に海水が口の中からこぼれ落ちていった。


「……?」


 ぼんやりと霞む視界は青い。真っ青だ。一面青の世界が広がっている。

 鋭い日光に目が慣れ始めると、その色が何なのかはっきり理解した。突き抜けるような青い空、ブルーとグリーンのグラデーション鮮やかな海だ。

 俺はいま、白い宝石をちりばめたような浜辺にいるらしい。


 暗く重苦しい昨夜の出来事とは何ひとつ脈絡も関連性もないような世界が俺を包み込んでいた。


 穏やかであたたかな風が顔をなでていく。


 頭の中が混乱している。なにがなんだかわからず背後を振り返ってみた。南国特有の色鮮やかな樹木で彩られた小高い山が見えた。

 山から飛んでくる鳥の群れを目で追うと、視線は再び無限に広がる海と空に連れて行かれた

 島らしきものは見えない。

 海だけが広がっている。


「ここはどこだ……」


 俺は砂つぶをまとった拳で目をごしごしとこすった。

 そこではじめて気づく。両手を縛っていたはずの縄がない。

 まさか海中で解いたとは思えない。間もなく波に飲み込まれてしまい定かな記憶はないが、無我夢中で解けるような物でもないはずだ。


「つぅっ……」


 その時、俺はびくりと走る痛みで、うずくまるように上半身を丸めた。

 とにかく縄の件について考えるのはあと回しにしよう。

 自分の体を見ると、点々とした流血があった。にじむように広がり、糸のように細く流れ出ている。金属の破片がぽつぽつと肉に食い込んで、そこから血が出ているのだ。顔をぬぐった手の平にも赤いしみが広がっている。

 傷はかなり深い。触ってみてわかるが、どうも器具なしでこの破片は取り出せそうにない。


 ただ、その破片の正体はわかっていた。勇者アタリが身につけていた神級のレジェンダリーアイテム。そのネックレスが爆発し、ばらばらになったチェーンや金具が散弾のように俺を襲ったのだ。


「いててて……」


 とりあえずこの傷をなんとかするのが先だ。傷の修復を早める回復魔法の心得くらいはあるが、破片を取り出す前に使うわけにはいかない。


 俺はよろよろと立ち上がり、周囲を見渡した。人の気配はないし、工具のようなものなんてそう運良く見当たりそうもない。

 むしろ、ここに誰かひとりでも人が踏み入ったことがあるのかと疑いたくなるほど、人工物らしきものはないし、原色の自然そのままの世界にしか見えない。


 途方に暮れかけたその時、


「キイイイイイイィィィィィィィィ!」


 突然だった。背後の茂みの方から、甲高い雄叫びのような声が鳴り響いた。


 獣か?


 俺は咄嗟に音の方へ振り返った。

 木々の隙間にさっと素早く黒い影が横切る。


 魔物か?


 獣と魔物は明確に違う。

 もちろん獣も魔物も人を襲う。群れをなすこともあるし、群れをなさないこともある。見た目もよく似ていることがある。そこに違いはないのだ。

 では何が違うのかと言うと、統率だ。ある者に服従し、その命令に従うかどうか。時に裏切り、仲違いし、服従すべき相手を変えることもあるが、要するに人間社会のような上下の階層関係が存在しているかどうかに両者の違いがある。


 では、そのある者とは何か?

 魔物の王、魔王である。各地で王が乱立しているように、魔王は一人ではない。その点でモンスターは人間とよく似ている。皇帝のような魔王の中の魔王もいるらしいが、全魔物を統べるほどの力はないようだ。そこらへんの事情も、ちょうど全人類の王がいないのと同じだ。


「ふぅ……」


 俺は浅くため息をもらした。魔物が襲いかかってくる様子はない。


 魔術と手刀で応戦すべく身構えていたが、交戦の危機はまぬがれたようだ。

 さっきの雄叫びが威嚇だったのかどうかは不明だが、相手も無用の争いを好まない性格だったらしい。ここは自分たちのテリトリーだと知らせてくれたのかもしれない。


「勝手に踏み入って悪いな。長居するつもりはないから大目に見てくれ!」


 俺は痛む腹を押して声をはった。通じる相手かはわからないが。


 とにかく茂みや山の方は避けるべきだとわかった。だとすれば、海の方か。

 運良く沖の船に見つけてもらえるかもしれない。そうでなくても漂流物を発見できるかも。消毒と鎮痛のために強い酒があればなお良い。


 踵を返し、よろよろと波打ち際の方へと進んだ。

 そこで俺は、はたと足を止めてしまう。


「っ⁉︎」


 まったく、どうなっているんだ。

 異様な光景がそこに広がっていた。


 ごつごつとした岩場のところに、うつむきに人間が倒れていた。波で打ち上げられた海藻のようにぐったりと両手両足を伸ばしている。


 すぐに助けに向かえばいいと普通は考えるだろう。

 だが、そうにもいかなかった。


 そこには魔物もいたからだ。

 ヒューマノイドタイプの魔物だと一見してわかる。地域によっては怪人と呼ばれていたりする、生き物の頭と人の身体を持った魔物である。


 カニ男。そんなネーミングが咄嗟に浮かんだ。


 頭部はカニの体になっていて、左右五本ずつの足がわしゃわしゃと動いている。


 その頭部の下には、やや筋肉質な人間ぽい身体がくっついていた。その全身は鮮やかに赤く、湿ったようにつやつやと光り、五対ある両手のうちの一対は甲殻類特有の巨大なハサミになっている。その他の手は人間ぽい手だ。


 できることなら気にしたくはないが、股間の部分はワカメ的な海藻で隠されている。いちおう。


 やばい。奇怪だ! はっきりいって。

 人間“ぽい”とあえて言うのは、むしろそれが赤いボディペイントをした人間にしか見えないからだ。人間ではないと自分に言い聞かせないと、気が狂いそうになる。


 とにかくそんな奇妙な生物、はじめて見る者は必ずや情けない悲鳴を上げてしまうことだろう。


「ひぇ……いや、しかし……!」


 倒れた人間が本当にまだ生きているのか。カニ男の登場よりもそれが問題だ。

 いまの俺は、ふんどし一丁という極めて危険な状態にある。まともに戦える武器もない。


 敵の強さもわからず迂闊に飛び出して返り討ちにあってしまっては意味がない。死体がふたつ、波打ち際に晒されるだけだ。

 わざわざ死体を助けるために危険に飛び込むのは、百歩譲っても賢明な判断ではないだろう。


 そう。俺は慎重なのだ。だからこそここまで生き抜いてきたし、パーティを支えてこれた。ギルド協会からはメンバー死亡率の低さで表彰されたこともある。 


「カニイイィィィィ!」


 突然、カニ男が雄叫びをあげた。

 やばい。巨大なハサミを振り上げている。それを足元の人間に振り下ろそうというのか。


 俺の心臓は鼓動を早めた。

 人間は雄叫びを耳にしても微動だにしない。やはり死んでいるのか?


「くっ」


 思わず俺は片目を閉じていた。本来臆病な俺が、目を閉じたい状況にあっても視界を閉ざさないための癖だった。過酷な旅の中でいつしか身についた癖だ。

 カニ男がザッと爪先を振り下ろす。


「チョッキン! チョッキン!」


 なんと!


 カニ男は倒れた者の服を切り出したのだ。背中側のすそから、布を裁断するように、ツーっと鋭い刃を滑らしていく。


「ぬ……ぬ~ん……」


 そこではじめて岩場に倒れた人間がかすかに動いた。

 生きていたのだ!

 それだけじゃない。倒れているのは女性。かなり若い女の子のようだ。


 女性はぴくぴくと頭を揺らしている。ゆるやかにウェーブした青い髪が岩の影から現れた。

 少女? しかも、見覚えがある。


「チョッキン! チョッキン!」


 カニ男の猛攻はとまらない。

 まさかあのカニ男、少女の服を引き裂きこうとしているのか?


「な、なんていやらしいカニなんだ⁉︎」


 カニ男はにんまりとした目で鼻の下(?)を伸ばし、ニチャアと笑みを浮かべている。

 手に汗握っている間に、あれよあれよと後ろ襟まで切り裂かれてしまった。

 はらりと服がめくれ上がり、胸の防御と形を保つための下着(異国で言うところのブラジャー)の背中の紐があらわになった。


 ごくり。俺とカニ男は同時に唾を飲み込んだ。

 よし、もっとやれ。そう思った瞬間。


「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁっ!」


 自らの身に起こる異変を察知したのか、少女が悲鳴をあげた。

 その声で我に返った。なにをやってんだ俺は。

 早く助けなくては。いやらしいアホ面で見守っている場合じゃない。


「待て! カニ男!」


 策のひとつもない俺は、白砂を撒き散らしながら波打ち際に飛び出した。


「カニィ??」


 カニ男はハサミを止め、俺に視線を向けた。

 地団駄暴れるように、わしゃわしゃと顔と体両方の手足を動かしている。


「その子を解放しろ、暴れカニ男! そうすればこっちも引き下がる」


「カニイイイイィィィッ!」


 カニ男は興奮している。今にも飛びかかってきそうだ。

落ち着けと話しても無駄だろう。そもそも言葉は通じないし、欲望を満たしかけた相手からその楽しみを取り上げたのだ。怒りは並大抵ではなさそうだった。


「アル様⁉︎」


 俺が構えをとったその瞬間、倒れた少女が俺の名を呼んだのだ。

 背筋に衝撃が走る。

 その声は、その顔は、唯一俺を慕ってくれていたかつてのパーティメンバー。まさしくミャンのものだったのだ。


「ふぁっ? ミャン? なぜここにっ⁉」


 なんでこんなところにいるんだ?

 だって彼女は今頃あの豪華客船に乗って、はるばる大洋に出ているはずじゃ。


「へぶっ!」


 こっちが取り乱している間に、カニ男がその巨大なハサミで俺の頰を打った!

 俺は跳ねあげられ、砂場にどさりと背中から落ちる。


「くぅ、ハサミで殴るのか……切れよ!」


「カニィッ!」


 敵にダメ出ししてる場合じゃない。切られなくて良かった。かなり痛いが、たいしたダメージではなさそうだ。

 俺は起き上がるより先に、呪文の詠唱を行った。肉体の強化。力、敏捷、防御、反応性、あらゆるステータスを底上げする。


「よっ、あざやか!」


 ミャンが合いの手を入れるように叫んだ。

 今まであまり気にしたことはなかったが、それが彼女の癖だった。

 この緊迫した状態でも癖を発揮するのか。

 違和感がスゴイというか、すごく間の抜けた気分になる。


「お前を助けようとしてるんだよ!」


「ふぇっ⁉︎ す、すみません!」


 それはともかく。

 確かに、俺の詠唱は早口かつ正確、そして滑らかだという自負があった。並みの魔術師がひとつ詠唱する間に、俺は全ステータスを変えられる。俺ひとりをじゃない。仲間全員と敵のステータスをだ。


 しかし、本来ならパーティーメンバーに付与するもので、自分にかけるのは珍しい。だが、俺だってかつては一流冒険者の一員。肉弾戦闘の心得がないわけでは……


「ないっ!」


 俺は強化した脚力で、地面を蹴った。

 カニ男に飛びかかり、拳で殴りつける。


「でええええい!」


「カニッ!」


体重の乗ったパンチでカニが吹っ飛ぶ。しかし致命的なダメージでないのは明白だった。


「堅い……」


強化した拳がずきずきと痛む。

カニ男は地面に倒れていたが、わしわしと手足を動かしてまだまだ元気だ。

早くトドメを刺さないと、起き上がってくるのは明白。

どうにかしないと。しかし、武器もなしにどうやって。それに俺のハンパな攻撃魔法であの堅牢な装甲を破れるとも思えない。弱点属性を見破るにも時間がかかる。


「アル様!」


 その時、ミャンが名を叫んだ。そこへ視線を走らせる。

 彼女は「あれ」と空を指差していた。


「雲がどうしたってんだ? いや、違う。ヤシの実……そうか!」


 ヤシの実だ。カニ男の頭上に実っていた。


「空を斬れ、風刃!」


 俺は即座に詠唱する。

 風属性の初等魔法だ。ヤシの実を落とすぐらいなら十分だ。(つーかこれが限界)


「よっ、世界一!」


 ミャンの掛け声は無視して、ヤシの実を目で追う。

 木から切り離された、硬い殻を持つ実がカニ男の顔面に落下した。

 ゴッと鈍い音がして、カニ男の顔が砕けた。
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