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4話
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まさか俺を助けようとしてくれたのか。あそこで女の子を捨てて逃げていたら口封じのために殺されてたパターンかもしれない。
警官姿の男たちは銃を取ろうとしている。
悠長に悩んでいる暇はない。
俺はぐっと少女を抱きしめた。
「しっかり掴まっていろよ」
俺は走り出した。
茂みを飛び越え、歩道に踊りだすと同時に、アスファルトを蹴る。
俺は力の限り走った。
通行人が俺たちのことを見ているのがわかった。買い物帰りの主婦たちがひそひそと何かを話している。
「おい、少女。何なんだあの警官は⁉」
「酸素の無駄じゃ。余計な事を喋るな。それと尻を揉むな」
「奴らは追ってきてるか?」
「あぁ、追いつかれるぞ。もっと早く走れんのか?」
少女の声は今にも消え入りそうだ。
俺は奥歯を食いしばった。
あいにくこれが全力疾走なのだ。
「も、もう無理だ。苦しい」
すぐに限界は訪れた。
膝に溜まった水が沸騰しそうだ。服で擦れた乳首が血を噴き出している気がする。
「まさかお前、乳首から血を出してるのか?」
「問題ない! これは俺の汗だ!」
強がりを言い放ったその時、後方で主婦たちの悲鳴が上がった。
一瞬、振り返る。
ニセ警官たちが市民を吹き飛ばしながら追いかけて来ていた。
俺は前方に向き直り、もつれそうになる脚を必死に回転させる。
「も、もし捕まったらどうなる?」
「君が想像している倍は酷い」
「お、おっぱい揉んでいいか」
「それで走れるようになるなら揉め……直に揉んでいいとは言っておらん。おい、ちょっと! なんで泣いてるんじゃ!」
前方に信号が見えた。
歩行者用の青信号が点滅している。
俺は最後の酸素で横断歩道を駆け抜けた。
「こ、これでなんとか……」
俺は速度を緩めた。早歩きよりは少し速く。息を整えるために肩を上下させる。
「油断するな」
少女がそう呟いた直後、後方でキキキキィとけたたましい音が鳴り響いた。急ブレーキでタイヤが地面を擦る音だ。
「ほれぇ」少女は弱々しくも咎めるように言った。
なんちゅう執念だ。
ニセ警官が赤信号を強引に駆け抜けてきたのだ。
最悪なことに、進路をそらした車が建物に突っ込んだ。爆弾が落とされたのかと錯覚するほどの炸裂音が付近一体に響き渡った。
休む暇なんてない。
俺はひいひい言いながら、力の入らない脚を前に進めた。少しでも時間を稼ごうと、住宅地が広がる小道へと突入した。
上手くいけば煙に巻けるかもしれない。
曲がり角をくねくねと進んでいく。
救急車の音が遠くで聞こえる頃、俺は道路っぱたでへたり込んだ。
既に日は暮れていた。
蝉の音さえ遠くに感じるほど、閑静な住宅街だった。
見晴らしの良い道で、前後左右を見渡す。俺はほっと息をついた。
しばらくはニセ警官に見つかることはなさそうだ。
「悪い。少し休憩させてくれ……」
「巻きこんですまなかったな」
少女はそう言ってはいたが、苦しそうな表情は相変わらずだ。
根本的な問題は解決していないのだ。
「責任をもって病院には連れてってやる」
「その必要はない。ここでおろしてくれんか。あとは自分でなんとかするから」
少女は俺の腕から出ようとした。
地面に座らせると、少女はよろよろと立ち上がろうとした。
この様子だと、歩くこともままならないだろう。
「どこが大丈夫なんだよ」
まったく謎多き女の子だ。
だがひとつだけわかったことがある。
「熱中症じゃ、ないんだな」
「そうとだけ言っておく。君は関わらない方がいいことじゃ」
強気な発言だったが、少女はよろめき、地面にはたりと崩れ落ちてしまった。
俺はため息を吐き、立ち上がった。
少女に手を差し出す。
「今更関係ないとは言わさないからな。乗りかかった船って言葉知らないのか」
俺は少女の身体を引き寄せ、抱き上げた。
後方で、「いたぞ!」とニセ警官たちの声が聞こえた。
「意外と早かったな。もうひとっ走りするぞ。逃げ切れたら納得のいく説明してもらうからな」
俺は再び走り出した。
警官姿の男たちは銃を取ろうとしている。
悠長に悩んでいる暇はない。
俺はぐっと少女を抱きしめた。
「しっかり掴まっていろよ」
俺は走り出した。
茂みを飛び越え、歩道に踊りだすと同時に、アスファルトを蹴る。
俺は力の限り走った。
通行人が俺たちのことを見ているのがわかった。買い物帰りの主婦たちがひそひそと何かを話している。
「おい、少女。何なんだあの警官は⁉」
「酸素の無駄じゃ。余計な事を喋るな。それと尻を揉むな」
「奴らは追ってきてるか?」
「あぁ、追いつかれるぞ。もっと早く走れんのか?」
少女の声は今にも消え入りそうだ。
俺は奥歯を食いしばった。
あいにくこれが全力疾走なのだ。
「も、もう無理だ。苦しい」
すぐに限界は訪れた。
膝に溜まった水が沸騰しそうだ。服で擦れた乳首が血を噴き出している気がする。
「まさかお前、乳首から血を出してるのか?」
「問題ない! これは俺の汗だ!」
強がりを言い放ったその時、後方で主婦たちの悲鳴が上がった。
一瞬、振り返る。
ニセ警官たちが市民を吹き飛ばしながら追いかけて来ていた。
俺は前方に向き直り、もつれそうになる脚を必死に回転させる。
「も、もし捕まったらどうなる?」
「君が想像している倍は酷い」
「お、おっぱい揉んでいいか」
「それで走れるようになるなら揉め……直に揉んでいいとは言っておらん。おい、ちょっと! なんで泣いてるんじゃ!」
前方に信号が見えた。
歩行者用の青信号が点滅している。
俺は最後の酸素で横断歩道を駆け抜けた。
「こ、これでなんとか……」
俺は速度を緩めた。早歩きよりは少し速く。息を整えるために肩を上下させる。
「油断するな」
少女がそう呟いた直後、後方でキキキキィとけたたましい音が鳴り響いた。急ブレーキでタイヤが地面を擦る音だ。
「ほれぇ」少女は弱々しくも咎めるように言った。
なんちゅう執念だ。
ニセ警官が赤信号を強引に駆け抜けてきたのだ。
最悪なことに、進路をそらした車が建物に突っ込んだ。爆弾が落とされたのかと錯覚するほどの炸裂音が付近一体に響き渡った。
休む暇なんてない。
俺はひいひい言いながら、力の入らない脚を前に進めた。少しでも時間を稼ごうと、住宅地が広がる小道へと突入した。
上手くいけば煙に巻けるかもしれない。
曲がり角をくねくねと進んでいく。
救急車の音が遠くで聞こえる頃、俺は道路っぱたでへたり込んだ。
既に日は暮れていた。
蝉の音さえ遠くに感じるほど、閑静な住宅街だった。
見晴らしの良い道で、前後左右を見渡す。俺はほっと息をついた。
しばらくはニセ警官に見つかることはなさそうだ。
「悪い。少し休憩させてくれ……」
「巻きこんですまなかったな」
少女はそう言ってはいたが、苦しそうな表情は相変わらずだ。
根本的な問題は解決していないのだ。
「責任をもって病院には連れてってやる」
「その必要はない。ここでおろしてくれんか。あとは自分でなんとかするから」
少女は俺の腕から出ようとした。
地面に座らせると、少女はよろよろと立ち上がろうとした。
この様子だと、歩くこともままならないだろう。
「どこが大丈夫なんだよ」
まったく謎多き女の子だ。
だがひとつだけわかったことがある。
「熱中症じゃ、ないんだな」
「そうとだけ言っておく。君は関わらない方がいいことじゃ」
強気な発言だったが、少女はよろめき、地面にはたりと崩れ落ちてしまった。
俺はため息を吐き、立ち上がった。
少女に手を差し出す。
「今更関係ないとは言わさないからな。乗りかかった船って言葉知らないのか」
俺は少女の身体を引き寄せ、抱き上げた。
後方で、「いたぞ!」とニセ警官たちの声が聞こえた。
「意外と早かったな。もうひとっ走りするぞ。逃げ切れたら納得のいく説明してもらうからな」
俺は再び走り出した。
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