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第二章
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「そんなことを言われてもな……」
俺は、レノアの意図を汲みとりきれていないため、とてもじゃないが乗り気にはなれなかった。
だが、自分の戦闘能力に対して相当な自信もあったため、なんとでもなるかと思い直し、不承不承ながらもうなずいた。
「わかった。そこまでレノアが言うなら、任せるよ」
レノアは俺の答えを聞き、満足そうな笑みを浮かべた。
「よし!それじゃあ早速、出発の準備をしちゃってよ」
俺は肩をすくめた。
「特に準備はいらないよ。腹ごしらえも今済ませたばかりだしな」
「そう。それはよかった。じゃあゼロスは?」
レノアはそう言うと、すでに食事を終えてテーブルの下でくつろいで寝転んでいるゼロスを見た。
ゼロスは軽く首を上に伸ばし、コクンとうなずいた。
「よし!ふたりとも準備万端のようだね。それじゃあ早速、ゴート公爵の館に向かって出発するとしよう!」
満面の笑顔で少しはしゃぎ気味のレノアを見て、俺は軽く首を傾げた。
「いや、俺たちはいつでも出発できるが……レノアの方こそ大丈夫なのか?ゴート公爵の館までは、馬車で行くんだろう?だったら、また気分が悪くなるんじゃないか?」
すると、途端にレノアの顔がくもった。どんどん顔色が青ざめていく。
そして、極限まで青白くなった顔になり、低くくぐもった声になり、言った。
「そうだね。もう少し休憩してからにした方がいいかな……うん……そうだね、その方がよさそうだね……よし、そうしよう……ていうか、馬車に乗ることを考えただけで、気持ちが悪くなってきた……」
レノアは、今にも何かを口から吐き出しそうな顔となり、両手で口を押さえた。
まずい。
俺はさすがに食堂内で吐かれてはと思い、慌てた。
「わかった!とりあえず、横になったらどうだ?」
ゼロスも心配そうに身体を上に伸ばして、レノアの様子を覗き込んでいる。
「あ、ああ……そうだね……じゃあちょっと、横に……ならせてもらうよ……」
レノアは暗いどんよりした顔で、ゆっくりとソファーに肘をつき、次いで側頭部をソファーに付けて身体を横たえた。
「そのソファーで大丈夫か?あんまり柔らかくはないと思うが」
「……大丈夫。固い方が、揺れないし……」
俺は、ソファーのクッションが固かろうが柔らかろうが揺れはしないだろうと思いつつも、わずかな身体の沈み込みすら気分に触るのだろうと思い直し、言った。
「そうか。それはよかった」
俺はそう返事をするも、それ以降レノアからの返信は途絶えた。
俺は、レノアの意図を汲みとりきれていないため、とてもじゃないが乗り気にはなれなかった。
だが、自分の戦闘能力に対して相当な自信もあったため、なんとでもなるかと思い直し、不承不承ながらもうなずいた。
「わかった。そこまでレノアが言うなら、任せるよ」
レノアは俺の答えを聞き、満足そうな笑みを浮かべた。
「よし!それじゃあ早速、出発の準備をしちゃってよ」
俺は肩をすくめた。
「特に準備はいらないよ。腹ごしらえも今済ませたばかりだしな」
「そう。それはよかった。じゃあゼロスは?」
レノアはそう言うと、すでに食事を終えてテーブルの下でくつろいで寝転んでいるゼロスを見た。
ゼロスは軽く首を上に伸ばし、コクンとうなずいた。
「よし!ふたりとも準備万端のようだね。それじゃあ早速、ゴート公爵の館に向かって出発するとしよう!」
満面の笑顔で少しはしゃぎ気味のレノアを見て、俺は軽く首を傾げた。
「いや、俺たちはいつでも出発できるが……レノアの方こそ大丈夫なのか?ゴート公爵の館までは、馬車で行くんだろう?だったら、また気分が悪くなるんじゃないか?」
すると、途端にレノアの顔がくもった。どんどん顔色が青ざめていく。
そして、極限まで青白くなった顔になり、低くくぐもった声になり、言った。
「そうだね。もう少し休憩してからにした方がいいかな……うん……そうだね、その方がよさそうだね……よし、そうしよう……ていうか、馬車に乗ることを考えただけで、気持ちが悪くなってきた……」
レノアは、今にも何かを口から吐き出しそうな顔となり、両手で口を押さえた。
まずい。
俺はさすがに食堂内で吐かれてはと思い、慌てた。
「わかった!とりあえず、横になったらどうだ?」
ゼロスも心配そうに身体を上に伸ばして、レノアの様子を覗き込んでいる。
「あ、ああ……そうだね……じゃあちょっと、横に……ならせてもらうよ……」
レノアは暗いどんよりした顔で、ゆっくりとソファーに肘をつき、次いで側頭部をソファーに付けて身体を横たえた。
「そのソファーで大丈夫か?あんまり柔らかくはないと思うが」
「……大丈夫。固い方が、揺れないし……」
俺は、ソファーのクッションが固かろうが柔らかろうが揺れはしないだろうと思いつつも、わずかな身体の沈み込みすら気分に触るのだろうと思い直し、言った。
「そうか。それはよかった」
俺はそう返事をするも、それ以降レノアからの返信は途絶えた。
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