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第二章
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「さあ、そろそろ出発しようか!」
二時間後、レノアの体調は回復し、元気いっぱいで言った。
俺はその間、待ちぼうけを食わされ、ずいぶんと暇を持て余した。
だがようやく、動くときが来た……のだが。
「そろそろ計画の内容を教えてくれないか?」
レノアが相変わらずの得意げなにんまりした笑顔を、俺に向けた。
「知りたい?」
面倒くさい。だがまあ、体調快復祝いだ。付き合ってやるか。
「そうだな。知りたいな」
しかしレノアは、もったいぶった。
「う~ん、どうしようかなあ~」
心底面倒くさい。付き合ってやろうなんて思うんじゃなかった。
「もういいから、教えろよ」
ぶっきらぼうに言ってやった。
レノアは肩をすくめ、仕方なさそうに言った。
「ラーズ族を連れて行くのさ」
俺は思わず、「あっ!」と大きな声を出した。
「わかったようだね?ラーズ族は透明になれるんだ」
ラーズ族は透明な長い毛に覆われた種族で、どのような仕組みかはわからないが、自分の身体を他者から見えなくすることが出来る。
そのラーズ族を、ゴート公爵の館に潜入させようってわけだ。
「なるほどな。だが俺たちの目的は、ゼークルとワイズマンの連行だ。彼らを透明にすることは出来ないぞ」
「そのとおり。だから僕は、なにもラーズ族に全部やらせようって考えているわけじゃない」
「と言うと?」
「いわばラーズ族は斥候だよ。彼らにゴート公爵の館に潜入してもらい、見取り図を作ってもらう。それに、ゼークルたちの特徴を伝え、その居場所も同時に調べてきてもらうって寸法さ」
「そういうことか。だがそれなら、別に昼間である必要はないんじゃないか」
「昼間の方が警戒感が薄いはずだ。まさか透明になれる者が潜入してくるなんて、誰も思っていないだろう。だからゴート公爵邸を守る警備兵の警戒心は、外向きになっているはずだよ」
「中に入ってしまえば、こっちのもの。調べ放題にできるってことか」
「そういうこと。そして館の見取り図とゼークルたちの居場所を手に入れてしまえば、さらにこっちのものだ。一気に君たちが突入して、ゼークルたちを連行するんだ」
「ゼークルとワイズマンが離れた場所にいたらどうする?時間がかかってしまうぞ」
「その可能性は低いと思うよ」
「何故だ?」
俺の問いに、レノアが自信ありげな表情となった。
「守りにくいからだよ。警備兵を二手に分かれさせるより、一手に集中させた方が守りやすいからね。だからふたりを離れた場所に置いておくことはしないと思う」
二時間後、レノアの体調は回復し、元気いっぱいで言った。
俺はその間、待ちぼうけを食わされ、ずいぶんと暇を持て余した。
だがようやく、動くときが来た……のだが。
「そろそろ計画の内容を教えてくれないか?」
レノアが相変わらずの得意げなにんまりした笑顔を、俺に向けた。
「知りたい?」
面倒くさい。だがまあ、体調快復祝いだ。付き合ってやるか。
「そうだな。知りたいな」
しかしレノアは、もったいぶった。
「う~ん、どうしようかなあ~」
心底面倒くさい。付き合ってやろうなんて思うんじゃなかった。
「もういいから、教えろよ」
ぶっきらぼうに言ってやった。
レノアは肩をすくめ、仕方なさそうに言った。
「ラーズ族を連れて行くのさ」
俺は思わず、「あっ!」と大きな声を出した。
「わかったようだね?ラーズ族は透明になれるんだ」
ラーズ族は透明な長い毛に覆われた種族で、どのような仕組みかはわからないが、自分の身体を他者から見えなくすることが出来る。
そのラーズ族を、ゴート公爵の館に潜入させようってわけだ。
「なるほどな。だが俺たちの目的は、ゼークルとワイズマンの連行だ。彼らを透明にすることは出来ないぞ」
「そのとおり。だから僕は、なにもラーズ族に全部やらせようって考えているわけじゃない」
「と言うと?」
「いわばラーズ族は斥候だよ。彼らにゴート公爵の館に潜入してもらい、見取り図を作ってもらう。それに、ゼークルたちの特徴を伝え、その居場所も同時に調べてきてもらうって寸法さ」
「そういうことか。だがそれなら、別に昼間である必要はないんじゃないか」
「昼間の方が警戒感が薄いはずだ。まさか透明になれる者が潜入してくるなんて、誰も思っていないだろう。だからゴート公爵邸を守る警備兵の警戒心は、外向きになっているはずだよ」
「中に入ってしまえば、こっちのもの。調べ放題にできるってことか」
「そういうこと。そして館の見取り図とゼークルたちの居場所を手に入れてしまえば、さらにこっちのものだ。一気に君たちが突入して、ゼークルたちを連行するんだ」
「ゼークルとワイズマンが離れた場所にいたらどうする?時間がかかってしまうぞ」
「その可能性は低いと思うよ」
「何故だ?」
俺の問いに、レノアが自信ありげな表情となった。
「守りにくいからだよ。警備兵を二手に分かれさせるより、一手に集中させた方が守りやすいからね。だからふたりを離れた場所に置いておくことはしないと思う」
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