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77 奇襲攻撃
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俺たちは、おじさんがゆっくりとではあるが後退していくのを確認すると、マール邸の前に布陣を敷く騎馬隊へ向かって、静かに歩を進めていった。
見ると、その後方の一団が俺たちの方を向いているのがわかった。
「どうやらわたしたちを警戒しているようよ?」
リリーサが武者震いをしながら言う。
「まあそうだろうね。何せ馬車で近付いてきたかと思えば、そこから降りて、さらに近付いてきているわけだからね」
俺もリリーサ同様、気持が昂ぶっている。
少し呼吸が荒くなってきた。
いけない。落ち着かないと。
するとその後方の敵が、五人ばかりでゆっくりと近付いてきた。
俺たちも構わず進む。
するとそこで五人の真ん中にいる男が声を上げた。
「ガキ共!夜に出歩くと、恐い魔物にさらわれちまうぞ?」
実に下卑た嫌らしい顔つきでその男は言った。
すると、他の四人も同じように醜悪な馬鹿面を晒して笑っている。
俺はリリーサと顔を合わせ、一緒にため息を吐いた。
「聞こえねえのか?とっとと失せろ!」
俺たちは当然の如く歩みを進める。
すると男の一人がハッとした顔をした。
「なっ!あ、あ、あ、あ、あの、あの、あの娘」
突然うろたえるその男を怪訝な表情で、他の男たちが見つめる。
「何だお前!急に取り乱しやがって!」
先程の中央の男が、咎めるように言う。
するとうろたえまくる男が、ついに相対するその者の名を、口にするのであった。
「あ、あれは、リリーサ王女だ!」
「な、な、な、何だってーーー!?」
中央の男が驚愕の声を上げる。
「ほ、ほ、本当なのか!おい!」
「間違いない!俺は以前見かけたことがあるんだ!間違いない!あれはリリーサ王女だ!!」
するとこの男の叫び声に、今にもマール邸に突入せんとする騎馬隊の連中までもが気付いた。
だが当然のことながら俺たちはさらにズンズンと進む。
当然だ。
何せ俺たちの目的は、こいつらの殲滅だからな。
いや、一応殺すつもりはないけどね。
ていうか、メイデン王子は最低限生かしておかないと。
こいつから黒幕の名を吐かせるのが一番手っ取り早いしね。
「さあ、アリオン。そろそろいいんじゃない?」
リリーサがニヤリと笑ってそう言う。
だが俺は首を横に振った。
「いや、まだだよ。出来るだけ一発目で大ダメージを与えたいからね。後ろの連中がこちらに来るまで待とう」
俺たちに向かってきていた五人組は、恐れをなしてジリジリと後退している。
あと少し、あと少しで騎馬隊本体と合流する。
よし。今だ。
「行くよ!雷帝爆撃十連!」
俺が叫ぶや、両腕から凄まじい轟音を立てて雷が起こり、十本の雷光となって敵目掛けて驀進した。
そして敵の前面にいた十人の男たちに、それぞれ確実にぶち当たり、爆発音と共に黒焦げとなって倒れていった。
よし。とりあえず十人仕留めたぞ。
すると、まだ無傷なはずの敵の左手で、突如として悲鳴が上がった。
「食らえっ!」
リリーサの斬撃だ。
リリーサは素早い動きで敵の間をすり抜けながら、鋭い剣を煌めかせて縦横無尽に斬り込んでいた。
俺は次いで右の敵に照準を合わせた。
中央部の奥にいた敵がぞろぞろと湧いて出てきているが、気にしない。
そこにはメイデン王子もいるはずだからだ。
メイデン王子は出来るだけ無傷で捕らえたい。
俺は照準を合わせた右の敵目掛けて、再び雷撃をぶっ放した。
「雷帝爆撃十連!」
俺の両腕からまたも噴き出した雷撃が、右手の敵を存分に打ちのめす。
俺は両腕を下ろし、確認する。
よし。全員黒焦げとなって倒れている。
俺はゆっくりと敵中央部に向かって歩き出した。
そして突然の奇襲に驚きつつも、態勢を整えて逆撃を計ろうとする敵目掛けて、さらなる雷撃をぶちかますのであった。
「雷帝爆撃五連!」
俺はメイデン王子に当てないよう、もっとも前面に出てきていた五人に向けて雷撃をぶち当てた。
男たちは雷撃を喰らい、うめき声を上げながら黒焦げとなり、暗闇の中にその姿を埋もらせながら崩れ落ちていった。
するとその後方で、指揮官とおぼしき者の声が上がった。
「手強いぞ!気をつけろ!」
その通り。
俺たちは手強い。そして気をつけなきゃならない存在だ。
でもそれじゃあ意味ないね。
手強いだの、気をつけろだのと言ったって何の意味もない。
指揮官ならば、その対処法を言わなきゃね。
あれがメイデン王子なのかな?
他とは違い、煌びやかな服を着込んでいる。
どうやら間違いなさそうだ。
しかしメイデン王子といえば、頭の出来はともかく軍事に関してだけは有能だと聞いていたんだけど、これじゃあ肩すかしだな。
そんなんじゃあ俺たちは止まらない。
さて、片を付けさせてもらおうか。
「雷帝爆撃十六連!!」
俺はメイデン王子と思われる男だけを標的から外し、残りの者たちを一掃すべく渾身の雷撃を放ったのだった。
見ると、その後方の一団が俺たちの方を向いているのがわかった。
「どうやらわたしたちを警戒しているようよ?」
リリーサが武者震いをしながら言う。
「まあそうだろうね。何せ馬車で近付いてきたかと思えば、そこから降りて、さらに近付いてきているわけだからね」
俺もリリーサ同様、気持が昂ぶっている。
少し呼吸が荒くなってきた。
いけない。落ち着かないと。
するとその後方の敵が、五人ばかりでゆっくりと近付いてきた。
俺たちも構わず進む。
するとそこで五人の真ん中にいる男が声を上げた。
「ガキ共!夜に出歩くと、恐い魔物にさらわれちまうぞ?」
実に下卑た嫌らしい顔つきでその男は言った。
すると、他の四人も同じように醜悪な馬鹿面を晒して笑っている。
俺はリリーサと顔を合わせ、一緒にため息を吐いた。
「聞こえねえのか?とっとと失せろ!」
俺たちは当然の如く歩みを進める。
すると男の一人がハッとした顔をした。
「なっ!あ、あ、あ、あ、あの、あの、あの娘」
突然うろたえるその男を怪訝な表情で、他の男たちが見つめる。
「何だお前!急に取り乱しやがって!」
先程の中央の男が、咎めるように言う。
するとうろたえまくる男が、ついに相対するその者の名を、口にするのであった。
「あ、あれは、リリーサ王女だ!」
「な、な、な、何だってーーー!?」
中央の男が驚愕の声を上げる。
「ほ、ほ、本当なのか!おい!」
「間違いない!俺は以前見かけたことがあるんだ!間違いない!あれはリリーサ王女だ!!」
するとこの男の叫び声に、今にもマール邸に突入せんとする騎馬隊の連中までもが気付いた。
だが当然のことながら俺たちはさらにズンズンと進む。
当然だ。
何せ俺たちの目的は、こいつらの殲滅だからな。
いや、一応殺すつもりはないけどね。
ていうか、メイデン王子は最低限生かしておかないと。
こいつから黒幕の名を吐かせるのが一番手っ取り早いしね。
「さあ、アリオン。そろそろいいんじゃない?」
リリーサがニヤリと笑ってそう言う。
だが俺は首を横に振った。
「いや、まだだよ。出来るだけ一発目で大ダメージを与えたいからね。後ろの連中がこちらに来るまで待とう」
俺たちに向かってきていた五人組は、恐れをなしてジリジリと後退している。
あと少し、あと少しで騎馬隊本体と合流する。
よし。今だ。
「行くよ!雷帝爆撃十連!」
俺が叫ぶや、両腕から凄まじい轟音を立てて雷が起こり、十本の雷光となって敵目掛けて驀進した。
そして敵の前面にいた十人の男たちに、それぞれ確実にぶち当たり、爆発音と共に黒焦げとなって倒れていった。
よし。とりあえず十人仕留めたぞ。
すると、まだ無傷なはずの敵の左手で、突如として悲鳴が上がった。
「食らえっ!」
リリーサの斬撃だ。
リリーサは素早い動きで敵の間をすり抜けながら、鋭い剣を煌めかせて縦横無尽に斬り込んでいた。
俺は次いで右の敵に照準を合わせた。
中央部の奥にいた敵がぞろぞろと湧いて出てきているが、気にしない。
そこにはメイデン王子もいるはずだからだ。
メイデン王子は出来るだけ無傷で捕らえたい。
俺は照準を合わせた右の敵目掛けて、再び雷撃をぶっ放した。
「雷帝爆撃十連!」
俺の両腕からまたも噴き出した雷撃が、右手の敵を存分に打ちのめす。
俺は両腕を下ろし、確認する。
よし。全員黒焦げとなって倒れている。
俺はゆっくりと敵中央部に向かって歩き出した。
そして突然の奇襲に驚きつつも、態勢を整えて逆撃を計ろうとする敵目掛けて、さらなる雷撃をぶちかますのであった。
「雷帝爆撃五連!」
俺はメイデン王子に当てないよう、もっとも前面に出てきていた五人に向けて雷撃をぶち当てた。
男たちは雷撃を喰らい、うめき声を上げながら黒焦げとなり、暗闇の中にその姿を埋もらせながら崩れ落ちていった。
するとその後方で、指揮官とおぼしき者の声が上がった。
「手強いぞ!気をつけろ!」
その通り。
俺たちは手強い。そして気をつけなきゃならない存在だ。
でもそれじゃあ意味ないね。
手強いだの、気をつけろだのと言ったって何の意味もない。
指揮官ならば、その対処法を言わなきゃね。
あれがメイデン王子なのかな?
他とは違い、煌びやかな服を着込んでいる。
どうやら間違いなさそうだ。
しかしメイデン王子といえば、頭の出来はともかく軍事に関してだけは有能だと聞いていたんだけど、これじゃあ肩すかしだな。
そんなんじゃあ俺たちは止まらない。
さて、片を付けさせてもらおうか。
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