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第五十三話 塩漬け肉のバケットサンド
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1
「判ってると思うが、火は使うんじゃないよ。山が燃えちまうからね」
カルラの注意に、ロデムルが追随した。
「それと坊ちゃま、全体魔法を使うのはよくありません。それでは一瞬で終わってしまいますので。体術を用いて敵の攻撃をかわしつつ、一人ずつ仕留められますようお願いいたします」
「それと、どうやら七人いるようだから、一人一種類、七人に七種類の魔法を使って倒すこと。いいね?」
「えーと、ちょっと注文多すぎないですか?」
「坊ちゃまのご成長の程を、見るためでございますので」
「はあ~、めんどいなあ」
そんなガイウスのため息交じりの呟きをさえぎり、山賊の一人がそっと問いかけた。
「お前、魔法士なのか?」
「まあね」
山賊たちは、ガイウスの返答に若干後ずさりしつつ、ざわめいた。
すると山賊のリーダーが、顔を若干引きつらせながら怒鳴った。
「ば、馬鹿野郎!こ、こんなちっこいんだぞ!魔法士だとしたって、たいしたことはねえよ!びくびくすんな!」
リーダーの必死な叱咤が山中に轟くも、他の六人の動揺が収まることはなかった。
「はあ~めんどい。けど、そろそろやるとするか」
ガイウスはそこでようやく本当に覚悟を決め、腰を落として臨戦態勢に入った。
「本気でやる気か、この小僧!」
その様子を見て、山賊たちもびびりながらも臨戦態勢を取り、腰に帯びた刀を次々に抜き放った。
「そんじゃ、行くよ」
ガイウスは言うなり、右の掌をもっとも前に出ている山賊に向けると、無詠唱で青白く輝く光柱をぶっ放した。
「!!!!!!」
山賊たちはその瞬間、自分たちの敗北を悟った。
2
「いや、実にお見事でございました。体術のキレ、魔法の威力、どちらも文句のつけようがないかと。いかがでしょうか、カルラ様?」
「ふん!まあ、悪くはないね。ただあまりにも相手が弱すぎたよ!こいつらじゃ練習相手にもなりゃしないね!」
カルラは地面に転がって気絶している山賊たちを見下ろし、その内の一人の足を軽くポンと蹴飛ばした。
「確かに。ですが山賊などというのは所詮この程度の輩なのではないでしょうか。特に厳しい訓練を受けたわけでもないのですから」
「所詮、町のチンピラが職にも就かずにぶらぶらした挙句、ついに山賊に成り果てたってとこなんだろうしね。贅沢はいえないかね」
「はい。ですが、船の中では特別にあつらえた重鋼板の魔法特訓用の部屋を用意してもらったとはいえ、今回のように多人数相手に体術と魔法を組み合わせた訓練は出来なかったわけですから、少しは実戦の足しにはなったかと思われますが」
「それもそうだね。ではまあ、よしとするか。じゃあガイウス、弁当食ってよし!ってもう勝手に食ってるじゃないか!」
カルラに激しく後頭部を叩かれ、ガイウスはまたも口中に含んだ塩漬け肉のバケットサンドを吹き出した。
「勝手に食うんじゃないよ!まずは、あたしの許可を得てから食え!判ったか!」
「そんなの別にいいじゃないですか。それに何度も吹き出していたら、終いにはぼくの弁当なくなっちゃいますよ」
ガイウスは、地面に落ちた塩漬け肉のバケットサンドの残骸を、恨めしそうに見つめた。
「判ってると思うが、火は使うんじゃないよ。山が燃えちまうからね」
カルラの注意に、ロデムルが追随した。
「それと坊ちゃま、全体魔法を使うのはよくありません。それでは一瞬で終わってしまいますので。体術を用いて敵の攻撃をかわしつつ、一人ずつ仕留められますようお願いいたします」
「それと、どうやら七人いるようだから、一人一種類、七人に七種類の魔法を使って倒すこと。いいね?」
「えーと、ちょっと注文多すぎないですか?」
「坊ちゃまのご成長の程を、見るためでございますので」
「はあ~、めんどいなあ」
そんなガイウスのため息交じりの呟きをさえぎり、山賊の一人がそっと問いかけた。
「お前、魔法士なのか?」
「まあね」
山賊たちは、ガイウスの返答に若干後ずさりしつつ、ざわめいた。
すると山賊のリーダーが、顔を若干引きつらせながら怒鳴った。
「ば、馬鹿野郎!こ、こんなちっこいんだぞ!魔法士だとしたって、たいしたことはねえよ!びくびくすんな!」
リーダーの必死な叱咤が山中に轟くも、他の六人の動揺が収まることはなかった。
「はあ~めんどい。けど、そろそろやるとするか」
ガイウスはそこでようやく本当に覚悟を決め、腰を落として臨戦態勢に入った。
「本気でやる気か、この小僧!」
その様子を見て、山賊たちもびびりながらも臨戦態勢を取り、腰に帯びた刀を次々に抜き放った。
「そんじゃ、行くよ」
ガイウスは言うなり、右の掌をもっとも前に出ている山賊に向けると、無詠唱で青白く輝く光柱をぶっ放した。
「!!!!!!」
山賊たちはその瞬間、自分たちの敗北を悟った。
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「いや、実にお見事でございました。体術のキレ、魔法の威力、どちらも文句のつけようがないかと。いかがでしょうか、カルラ様?」
「ふん!まあ、悪くはないね。ただあまりにも相手が弱すぎたよ!こいつらじゃ練習相手にもなりゃしないね!」
カルラは地面に転がって気絶している山賊たちを見下ろし、その内の一人の足を軽くポンと蹴飛ばした。
「確かに。ですが山賊などというのは所詮この程度の輩なのではないでしょうか。特に厳しい訓練を受けたわけでもないのですから」
「所詮、町のチンピラが職にも就かずにぶらぶらした挙句、ついに山賊に成り果てたってとこなんだろうしね。贅沢はいえないかね」
「はい。ですが、船の中では特別にあつらえた重鋼板の魔法特訓用の部屋を用意してもらったとはいえ、今回のように多人数相手に体術と魔法を組み合わせた訓練は出来なかったわけですから、少しは実戦の足しにはなったかと思われますが」
「それもそうだね。ではまあ、よしとするか。じゃあガイウス、弁当食ってよし!ってもう勝手に食ってるじゃないか!」
カルラに激しく後頭部を叩かれ、ガイウスはまたも口中に含んだ塩漬け肉のバケットサンドを吹き出した。
「勝手に食うんじゃないよ!まずは、あたしの許可を得てから食え!判ったか!」
「そんなの別にいいじゃないですか。それに何度も吹き出していたら、終いにはぼくの弁当なくなっちゃいますよ」
ガイウスは、地面に落ちた塩漬け肉のバケットサンドの残骸を、恨めしそうに見つめた。
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