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第六十四話 暗黒の楕円
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「俺も、何度も転生しているのだろうか……」
ガイウスは、そっとささやくように呟いた。
「もしも何度も転生しているのなら、いずれ記憶が戻るだろう。他の転生者がそうであったようにな」
ガイウスは、シグナスの言葉をかみ締めるように聞いた。
「他の、転生者……」
「いずれ出会うこともあるであろう。そうなれば、お前の記憶も呼び起こされるやもしれんな」
シグナスはそう言うと、クイッと口角を上げて、薄ら笑いを浮かべた。
「ではまた会おう。いずれお前の記憶が戻ったその時に、な」
シグナスがそう言い終えるや否や、彼が羽織っていた黒いマントが突如として翻り、瞬く間に彼の身体を包み込んだと思いきや、渦を巻くように一点に収束して、フッと虚空に消え失せた。
ガイウスは目を丸くして驚き、きょろきょろと辺りをうかがって見るも、どこにもシグナスの姿は見当たらなかった。
と同時に、後方でロデムルに襲い掛かっていた魔獣も、一瞬の内に消え失せた。
ロデムルもガイウス同様驚き、辺りを見回すも、魔獣の行方は杳として知れなかった。
そのためロデムルは不審に思いつつも、一目散にガイウスの元へと駆けつけた。
「坊ちゃま!お怪我は?」
「ん?あ、ああ大丈夫。怪我はないよ」
ガイウスは半ば心ここにあらずといった様子で、答えた。
ロデムルはそのことに気付いて一瞬心配そうな顔つきを見せるも、ガイウスに対する信頼感からか、それ以上声をかけることはしなかった。
するとそこでガイウスは突然ハッとした顔つきとなり、巨大な地下貯水場の果てで繰り広げられている閃光まばゆい空中戦を、振り返って仰ぎ見た。
「忘れてた!行かなくちゃ!」
ガイウスはすぐさま上空に浮かび上がり、方向を変えると、凄まじい速度でカルラの元へと飛んでいった。
2
「炎熱と氷結の同時攻撃なんだがねえ。さすがに上級悪魔ともなると、効きめが薄いねえ」
カルラは、右手は赤い、左手は青い閃光弾を、グラシャ=ラボラス目掛けて間断なく発射し続けていた。
だがグラシャ=ラボラスは、大量の閃光弾による爆発圧力によってじりじりと後退することはあっても、決して怯む事はなかった。
「仕方がないねえ。では手を変えるとしようかね」
カルラは途端に閃光弾を打つのをやめ、両の掌を顔の前で合わせて、合掌の構えを取った。
「これでも喰らいな!ふん!!」
カルラの気合いの篭った鼻息が吐き出されると同時に、突然グラシャ=ラボラスの全身が、稲光りを伴った暗黒の球体に包まれた。
さらにカルラが顔を真っ赤にしながら合わせた手に力を込めると、グラシャ=ラボラスを包む暗黒の球体が楕円形にひしゃげだした。
「ギ……ギッ…………ギッ……」
すると、これまでまったくカルラの攻撃を意に介さなかったグラシャ=ラボラスが、この攻撃にはついに堪えたのか、声にならないうめき声を上げ始めた。
だが、カルラがその真っ赤に染め上がった顔に浮き上がった血管という血管が全て弾け飛ぶんじゃないかという位に力を入れ続けるも、暗黒の楕円は或る一定以上には決してひしゃげることはなかった。
両者の攻防は、一進一退を繰り返していた。
「俺も、何度も転生しているのだろうか……」
ガイウスは、そっとささやくように呟いた。
「もしも何度も転生しているのなら、いずれ記憶が戻るだろう。他の転生者がそうであったようにな」
ガイウスは、シグナスの言葉をかみ締めるように聞いた。
「他の、転生者……」
「いずれ出会うこともあるであろう。そうなれば、お前の記憶も呼び起こされるやもしれんな」
シグナスはそう言うと、クイッと口角を上げて、薄ら笑いを浮かべた。
「ではまた会おう。いずれお前の記憶が戻ったその時に、な」
シグナスがそう言い終えるや否や、彼が羽織っていた黒いマントが突如として翻り、瞬く間に彼の身体を包み込んだと思いきや、渦を巻くように一点に収束して、フッと虚空に消え失せた。
ガイウスは目を丸くして驚き、きょろきょろと辺りをうかがって見るも、どこにもシグナスの姿は見当たらなかった。
と同時に、後方でロデムルに襲い掛かっていた魔獣も、一瞬の内に消え失せた。
ロデムルもガイウス同様驚き、辺りを見回すも、魔獣の行方は杳として知れなかった。
そのためロデムルは不審に思いつつも、一目散にガイウスの元へと駆けつけた。
「坊ちゃま!お怪我は?」
「ん?あ、ああ大丈夫。怪我はないよ」
ガイウスは半ば心ここにあらずといった様子で、答えた。
ロデムルはそのことに気付いて一瞬心配そうな顔つきを見せるも、ガイウスに対する信頼感からか、それ以上声をかけることはしなかった。
するとそこでガイウスは突然ハッとした顔つきとなり、巨大な地下貯水場の果てで繰り広げられている閃光まばゆい空中戦を、振り返って仰ぎ見た。
「忘れてた!行かなくちゃ!」
ガイウスはすぐさま上空に浮かび上がり、方向を変えると、凄まじい速度でカルラの元へと飛んでいった。
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「炎熱と氷結の同時攻撃なんだがねえ。さすがに上級悪魔ともなると、効きめが薄いねえ」
カルラは、右手は赤い、左手は青い閃光弾を、グラシャ=ラボラス目掛けて間断なく発射し続けていた。
だがグラシャ=ラボラスは、大量の閃光弾による爆発圧力によってじりじりと後退することはあっても、決して怯む事はなかった。
「仕方がないねえ。では手を変えるとしようかね」
カルラは途端に閃光弾を打つのをやめ、両の掌を顔の前で合わせて、合掌の構えを取った。
「これでも喰らいな!ふん!!」
カルラの気合いの篭った鼻息が吐き出されると同時に、突然グラシャ=ラボラスの全身が、稲光りを伴った暗黒の球体に包まれた。
さらにカルラが顔を真っ赤にしながら合わせた手に力を込めると、グラシャ=ラボラスを包む暗黒の球体が楕円形にひしゃげだした。
「ギ……ギッ…………ギッ……」
すると、これまでまったくカルラの攻撃を意に介さなかったグラシャ=ラボラスが、この攻撃にはついに堪えたのか、声にならないうめき声を上げ始めた。
だが、カルラがその真っ赤に染め上がった顔に浮き上がった血管という血管が全て弾け飛ぶんじゃないかという位に力を入れ続けるも、暗黒の楕円は或る一定以上には決してひしゃげることはなかった。
両者の攻防は、一進一退を繰り返していた。
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