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第六十七話 転生者
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「では、わたくしはホテルの手配をしに行って参ります」
ロデムルはそう言ってすっくと立ち上がると、威儀を正してガイウスたちに向かって礼をし、次いできびきびとした動作で反転すると、足早に階下へと向かって歩いていった。
なぜロデムルが階下へと向かったかといえば、食事を終えひとまず落ち着いた一行が、とりあえず今日のところはこのテーベで一泊をしようと決めたためであった。
「さて、アベルも眠ったことだし、例の話でもしようかね?」
カルラは、ガイウスの隣ですやすやと寝息をたてているアベルを横目で確認しながら、そう言った。
「そうですね」
ガイウスはアベルの亜麻色の柔らかな髪を軽くなでながら、カルラに同意した。
「まあ、あたしとしてはお前さんのほうから言ってくるのを待とうと思っていたんだがねえ。こうなっては仕方がない。お互いに腹を割って、何もかも話し合おうじゃないか」
カルラはそう言って、テーブルの上にぐいっと身を乗り出した。
ガイウスは多少鼻白んだ顔つきとなったものの、すぐに覚悟を決めた様なキリッとした顔つきに変わった。
「で、お前さんの生まれ変わりは何度目なんだい?」
「まだ判らない。一つ前の記憶、ていうか知識はあるんだけど、記憶はないんだ。ただシグナスは、まだ転生して日が浅いから、思い出せていないだけだろうって言ってた」
「一つ前ってのは、あっちの世界のことだね?」
「そう。こことはまったく違う別の世界。ねえ、カルラはあっちの世界についてどれくらい知ってるの?」
「大して知りゃあしないねえ。嘘じゃないよ。あたしが実際に会ったことがある転生者は、長い人生でたった一人だけなんだ。だからそいつに昔、ちょこっと聞いた事以外、あっちの世界や転生者については知りはしないのさ」
「一人だけしか会ったことないの?」
「転生者なんて、滅多に出会うもんじゃないからねえ。お前さんで二人目さ」
「そうなのか。シグナスは多くの転生者を知っているような口振りに思えたけど」
「それは本当かい?単に過去の文献に載っている転生者たちの話をしていただけ、なんじゃないのかい?あいつは昔から、転生者とあっちの世界にえらくご執心だったからねえ。おそらく色々と調べていたんだろうさ」
「そういうことか。ところでさ、そのカルラが会ったことのあるただ一人の転生者は、やっぱり何度も転生していたのかな?」
「そう言っていたね」
「そうか。その人、どんな人だった?」
「そうさね。何やらいつも深刻ぶっていたねえ。だからあたしゃ、なんでいつもそんなしかめっ面なのか聞いてみたことがあるんだけどねえ。ちょっと微笑んだだけで、何も答えちゃくれなかったねえ」
「その人、強かった?」
「恐ろしくね。もう何十年も前の話だが、今のあたしでさえ、足元にも及ばない位に強かったねえ」
「そんなにか。ねえ、実は師匠のプロメテウスが、その転生者だったなんてオチじゃないの?」
「はんっ!そんなつまらないオチじゃないよ!あいつはプロメテウスですら子ども扱いする程の、正真正銘の怪物だったよ!」
「怪物か。で、その人の名前はなんて言うの?」
「あいつの名かい?そうさね、お前さんにとっては親戚みたいなもんだからね。いいさ、教えてやるよ。あいつの名はアイオロス。ひどく辛気臭い、しかつめらしい大男だったよ」
ロデムルはそう言ってすっくと立ち上がると、威儀を正してガイウスたちに向かって礼をし、次いできびきびとした動作で反転すると、足早に階下へと向かって歩いていった。
なぜロデムルが階下へと向かったかといえば、食事を終えひとまず落ち着いた一行が、とりあえず今日のところはこのテーベで一泊をしようと決めたためであった。
「さて、アベルも眠ったことだし、例の話でもしようかね?」
カルラは、ガイウスの隣ですやすやと寝息をたてているアベルを横目で確認しながら、そう言った。
「そうですね」
ガイウスはアベルの亜麻色の柔らかな髪を軽くなでながら、カルラに同意した。
「まあ、あたしとしてはお前さんのほうから言ってくるのを待とうと思っていたんだがねえ。こうなっては仕方がない。お互いに腹を割って、何もかも話し合おうじゃないか」
カルラはそう言って、テーブルの上にぐいっと身を乗り出した。
ガイウスは多少鼻白んだ顔つきとなったものの、すぐに覚悟を決めた様なキリッとした顔つきに変わった。
「で、お前さんの生まれ変わりは何度目なんだい?」
「まだ判らない。一つ前の記憶、ていうか知識はあるんだけど、記憶はないんだ。ただシグナスは、まだ転生して日が浅いから、思い出せていないだけだろうって言ってた」
「一つ前ってのは、あっちの世界のことだね?」
「そう。こことはまったく違う別の世界。ねえ、カルラはあっちの世界についてどれくらい知ってるの?」
「大して知りゃあしないねえ。嘘じゃないよ。あたしが実際に会ったことがある転生者は、長い人生でたった一人だけなんだ。だからそいつに昔、ちょこっと聞いた事以外、あっちの世界や転生者については知りはしないのさ」
「一人だけしか会ったことないの?」
「転生者なんて、滅多に出会うもんじゃないからねえ。お前さんで二人目さ」
「そうなのか。シグナスは多くの転生者を知っているような口振りに思えたけど」
「それは本当かい?単に過去の文献に載っている転生者たちの話をしていただけ、なんじゃないのかい?あいつは昔から、転生者とあっちの世界にえらくご執心だったからねえ。おそらく色々と調べていたんだろうさ」
「そういうことか。ところでさ、そのカルラが会ったことのあるただ一人の転生者は、やっぱり何度も転生していたのかな?」
「そう言っていたね」
「そうか。その人、どんな人だった?」
「そうさね。何やらいつも深刻ぶっていたねえ。だからあたしゃ、なんでいつもそんなしかめっ面なのか聞いてみたことがあるんだけどねえ。ちょっと微笑んだだけで、何も答えちゃくれなかったねえ」
「その人、強かった?」
「恐ろしくね。もう何十年も前の話だが、今のあたしでさえ、足元にも及ばない位に強かったねえ」
「そんなにか。ねえ、実は師匠のプロメテウスが、その転生者だったなんてオチじゃないの?」
「はんっ!そんなつまらないオチじゃないよ!あいつはプロメテウスですら子ども扱いする程の、正真正銘の怪物だったよ!」
「怪物か。で、その人の名前はなんて言うの?」
「あいつの名かい?そうさね、お前さんにとっては親戚みたいなもんだからね。いいさ、教えてやるよ。あいつの名はアイオロス。ひどく辛気臭い、しかつめらしい大男だったよ」
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