転生君主 ~伝説の大魔導師、『最後』の転生物語~【改訂版】

マツヤマユタカ

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第百二十四話 草原

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 ガイウスの胸騒ぎは教室内のざわめきと共鳴し、騒ぎが大きくなればなるほどガイウスの不安は膨張した。
 
「うん?どうしたガイウス。なんか顔色悪いけど」

 マックスが、ガイウスの顔を覗き込んで心配そうに言った。
 
 だがガイウスはマックスの心配をよそに、自らの心中に渦巻く言いようのないざわめきの正体の解明にやっきとなっていた。

(何だ?この不安な感じは――判らない。判らないが、なんかヤバイ気がする)

 教室内のざわめきはさらに膨張していき、それと同時にガイウスの不安も限界近くまで膨れ上がっていった。

 そして遂にざわめきが臨界点に達し、大いなる喧騒と呼べるまでになった瞬間、それは起こった。

 突然、教室が消えたのである。

「えっ!?」

 ガイウスは思わず、驚きの声を上げた。

 それに続いてクラスメイトたちの悲鳴が、そこかしこで起こった。
 
 ガイウスは驚きつつ、周囲を見回した。

 するとクラスメイトたちだけでなく、隣のクラスの生徒たちや、そのまた隣のクラスの生徒たちまでが見通せた。

 ガイウスたちは、果てなき草原の真っ只中にいた。

「学校の建物だけが、消えた――ということか」

 ガイウスはそう呟くと、驚愕の表情はそのままに、椅子から立ち上がった。

 ガイウスが腰を上げた瞬間、それまで座っていたはずの椅子が、瞬時に虚空に消え失せた。

 さしものガイウスも、この事態には頭が混乱した。

 ただただ驚き、回りを見渡し、クラスメイトたちの悲鳴にもなんの反応も出来ずにただ立ち尽くした。
 
 そしてしばらくの時を経て、ガイウスは突然怒鳴り声を上げた。

「なんだ、これは!?」

 だが心中の疑問を声に出したところで事態が変わるわけでも、疑問が解ける訳でもなく、ガイウスの混乱状態が収まることはなかった。

 そのためガイウスは、大声で独り言を怒鳴り続けるしか出来なかった。

「どこだ!?ここは――この草原は、一体どこの草原なんだ!?くそっ!!なにが起こった!?一体なにが起こったんだ!!」

 そんな時、一人の女子生徒が大声で笑いだした。
 
 それは、途端に連鎖反応を起こし、そこかしこで笑い声を上げる者たちが出た。

 ガイウスが混乱するくらいの急変事態に、普通のクラスメイトたちが耐えられるはずがなかったのである。

 ガイウスはそのことに気付き、ようやく少し落ち着きを取り戻し始めた。

(俺が混乱してどうする。俺がしっかりしなきゃ。皆を守らなきゃ!)

「みんな聞いてくれ!突然のことに皆驚いたと思う。そう言う俺も驚いたし、混乱もした。だけどパニックを起こしたってなんにもならない!ここは一旦落ち着こう!」

 すると、意外なところからガイウスの賛同者が現れた。

「うむ!ガイウスの言う通りだ!お前たち少し落ち着け!騒いだところでどうなるというものではないのだぞ!」

 ガイウスは、思わぬバランスの援護射撃に大変驚きながらも、と同時に心強く思った。
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