ヤクザとJK?!

あさみ

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一章 ヤクザとの出会い

祝いの席で会った人達

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「おばあちゃん、来たよー」
人を疑わない祖父母はいつも玄関を開けている、勿論夜は動物を気にして鍵をかけてはいるらしい、ほぼいつも空いている玄関を開け挨拶した
「おぉ、いらっしゃい桃元気にしとったかー」
「おじいちゃん!元気だよ、おじいちゃんこそ大丈夫?」
「バカにするでない!わしゃまだまだ元気じゃ!」
「そっか、なら安心だね」
祖父は祖母とそんなに変わらず、優しく元気だ、朝はいつも散歩に行っているそうなのでこれから散歩だろうか、祖父を見送り家に入った
「おばあちゃん、久し振り」
「久し振り、まぁ、大きくなってぇ」
「おばあちゃんも元気そうで何よりだよ」
「ええ、元気よ!学校はどうだい?」
「普通だよ、友達も優しいし、それより和田さんの結婚式の話は?」
「あぁ、次の日曜に奏斗かなとの所の近くでやるって」
「奏斗?誰それ?」
初めて聞いたはずなのに何処かで聞いた覚えもある
「あら、和田さんは覚えてて奏斗は忘れたのかい」
「うん、ごめんなさい」
「いいのよ!奏斗はねぇ親戚の中で1番若かったのよ、だから貴方が生まれてしばらくは奏斗が見てたの」
「え、ウソ!そこまでされてたの?覚えてない・・・」
「大丈夫よ、あの人親戚の中でも貴方は大切にしてたし、多少の事は許してくれるわよ」
自分が親戚を、しかも世話をしてくれていた人を忘れるなんて、酷く恥ずかしくなった
「まぁ、大丈夫よ服は用意したし、場所もここだって」
紙を渡されて開くと自分の家の近くが描かれていた、どうやら近くのよくある結婚式場で開くらしい、祖母が用意した服もダークな赤色で少しだけ飾りのついたワンピースだった、赤色が好きな私にとってはとても嬉しいが
「親戚の事すら忘れるような私が行っても良いのかな」
「大丈夫よ!沢山の人が来るし奏斗が来ない事だってあるわよ!」
「そっか、でも近くだから来る可能性の方が高いなぁ」
「大丈夫大丈夫!桃ちゃん大きくなったしべっびんさんだからきっと会っても分からないわよ!」
陽気に言う祖母を見ていると安心する、結局行くことになり、当日怖いながらも式場に行った
「本日はお越し頂きありがとうございます、どうぞお楽しみください」
「あ、ありがとうございます」
そして式場に入り、辺りを見渡すとカラフルなドレスや黒いスーツを着た人が沢山居たが一際目立っていたのは黒い結婚式でよく見るスーツを着た人が一塊になっているその団体だった、よく見るとその中にはこの前助けた男の人がいた、驚いて話してみたいと思い近寄ってみる
「あの、すいません私の事覚えてますか?」
「え、あっ!」
男が驚いた声を出すと後ろに居た大柄の男が話しかけてかた
「ん?どうしたみな知り合いか?」
「いえ、あの、この前のヤツをシメた後に倒れちまって、それで、助けてもらいました」
ばつが悪そうにその男が言うと話に入ってきた大柄の男は
「はぁ?!礼はしたのか」
「いえ、あの時は焦って逃げました」
「全く・・・すまねぇな嬢ちゃん、今は何もないが明日。そうだな、向こうの方に駅あるだろ、その前に来てくれないか?こいつは俺の部下でな、礼がしたいんだ」
わざわざしゃがんで言ってくれた、悪い人ではないと思うが雰囲気が怖かった
「えっと、」
「頭、怖がってますよ」
「おっと、怖かったかな?すまんすまん」
急に陽気なおじさんの顔になった、なぜかそっちには安心できた
「俺はな、奏斗って言うんだ、和田は親戚でな、結婚式に来て欲しいと言われたからここに居るんだまぁ、もしもの時の警備役ってのもあるだろうがな」
その男は笑っていたが私は奏斗と聞いて少し血の気が引いた、もしかしたら忘れていた親戚かもしれない、そう思ったから
「嬢ちゃんは和田の知り合いか?」
「あ、おばあちゃんが呼ばれたけど、えっと予定があって、その代理です」
おばあちゃんに予定はないが代理と言うのは本当だ、すると奏斗は
「そうか、ちっこいのに偉いな、君のばあさん何て言うんだ?」
「えっと蒼井です、」
すると奏斗は驚いた顔でこういった
「もしかして君、桃って名前か?」
失敗した、つい本当の名前を言ってしまい誤魔化しが聞かなくなった
「は、はい」
「そうか!あっ、俺な覚えてないかもしれんが君が小さい時に世話をしたことがあるんだ、そうか、桃か、大きくなったなー今いくつだ?」
「あ、15歳、高校生です」
今までのやり取りを見ていた源が頭を掻きながら不思議そうに見ていた、そのあと申し訳なさそうな顔になり
「頭の血縁でしたか、それは悪いことをしたな、絆創膏までもらって、改めてありがとう」
「いえ!私は特に何もしてませんし大丈夫ですよ」
「いえ、私は良いんですが若は筋の通ってないものが嫌いで」
「こら、源何が良いって?」
ニッコリとしかし怒りの色がある顔をして凄い気迫を感じた
「いえ、何も」
一方の源はけろっと元の顔になった
「まぁ、そう言うことだ、もし忙しかったらばあさんの家にでも送るから好きなときに取りに行けばいい、まぁ、俺達はこの近くに住んでるんだがな」
「そうなんですか?私も・・・」
はっとし、家の事を言っても大丈夫かと心配になった
「家こっから近いのか?」
「えと、はい」
「なら帰り送ってやろうか?」
「いえ、歩いて変えれます」
「でも夜になると危ないし送ってやるよ!」
親戚の人と分かっていてもあまり知らない人なのでやっぱり怖い
「いえ、大丈夫ですよアハハ、」
「そうか、なら気を付けてな」
心配そうに言われてようやく一人になった、和田さんに挨拶をして暫く楽しんだ後に帰ることにした、すっかり暗くなってしまったが大丈夫だろうと帰っていた、しかし暗く人通りの無い帰り道で知らない人二人が声をかけてきた
「ねえ、嬢ちゃん一人?」
「夜道は危ないから送ってくよ」
ナンパだろうか、そう思い結構だと伝え走って逃げようとしたが追い付かれて腕を捕まれた
「離してっ!」
「逃げんなって、送ってくだけだし」
「やめてっ、」
「ほら、車あるから大丈夫だって」
泣きそうになったときに後ろに居た男が殴られるのが見えた
「あ?なんだてめぇ」
そしてそこに立っていたのは
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