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12.循環訓練*
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俺、何でグラディウス様とキスしてんの?
グラディウス様は寝ている俺に覆いかぶさり、俺にキスを続ける。
抵抗しようにも俺の手足には力が入らず、言うことを聞いてくれない。
確かに、熱くなった体をどうにかしてほしいとは思ったけど、こういうことじゃないんだけど?!
「ちょっ………んっ…」
ちょっと待ってくれ、と頼もうと口を開こうとしたら、何も言わせてくれないまま唇で塞がれる。
そして、口が開いたのをいいことに、俺の口内へグラディウス様の舌が侵入してきた。
口内を蹂躙するように歯列や上顎をなぞっては俺の舌と絡む。
同時に、俺の中に何か温かいものが入ってくるのを感じる。それは、俺の体を循環するように巡る。俺の中に流れ込み巡るごとに俺の中は熱さを増していく。その溶けるような熱さは、俺の思考も溶かしていく。
「はぁ…んっ、グラ、ディウス…からだあつ、い…」
目を開き、グラディウス様の顔を見上げると、そこには獲物を狙うようにギラギラとした目付きの獣がいた。その視線が重なると、グラディウス様はいつもの顔に戻り微笑みかけてくる。
「大丈夫か?、馴染むまであともう少しの辛抱だ。」
俺は、コクコクと頷く。
グラディウス様は、いい子だ。と囁き頭を優しく撫でる。その手が冷たく気持ちいい。俺は、その手を求め顔を寄せる。
俺の中に流れる熱いものは、まだ主張を続ける。体も頭も舌も熱くて溶けそう。
俺は、少しでも体を冷やそうと服のボタンに手を伸ばした。だが、うまく力が入らずなかなかボタンを外すことができない。
「はぁ、はぁ、…グラディウス…服、脱げない…」
思い通りに指先が動かずボタンを掴むことさえ覚束ない俺は、諦めて助けを求め見上げる。
「っ…………!」
グラディウス様は、一瞬息を呑むように固まる。
そう思ったのもつかの間、グラディウス様は俺のシャツに手を伸ばしたかと思えば、あっという間にボタンを外していった。そして、シャツが開け胸元が露わになった俺の無防備な肌に指を滑らせる。
「んぁっ…!」
熱くなっている肌に冷たい指がいやに気持ちよく、その優しくもやらしくもある感触が俺の口から甘い声を引き出す。
なんだ、今の…。変な声でた。
しかも、あんな……甘い声。
俺は、咄嗟に口を手で押さえた。
それを見たグラディウス様は、ニヤリと笑い俺の手を退けようとする。
「それだと、続きができないのだが…。」
「うぅ…。……あ、あんまり、触らないでくれ、変な声、でる…。」
「ごめん、意地悪しすぎた。それに、変な声じゃないから大丈夫だ。」
俺の手が一瞬緩んだのを見逃さず、唇に優しくキスを落とす。啄むような軽いキスを数回繰り返し俺の緊張が解れたのが分かると、再び俺の中に熱いものが侵入してきた。熱は俺の身体を隅々まで回り俺のものと混ざっていく。
「んっ……はぁ、んん…。」
熱に浮かされた俺の脳は、魔力の交わる感覚を快楽として受け取っていく。
なんか…これ、きもちいい。
俺は無意識に快楽を求めてグラディウス様の首に腕を回し魔力を慾る。
舌を絡め合いお互いの口内を侵す水音だけが部屋に響く。熱くて苦しかったものが快楽へと変わっていく。もっと欲しいと俺の脳は訴えそれに応えるように俺の腕はグラディウス様を捕まえ、体は魔力を飲み込んでいく。
「馴染ますの少しできるようになってきてるな。」
「…うん、なんと、なく……あっ。」
口から離れたと思った唇は、今度は胸を啄んでいく。俺の体は快楽のみを拾っていき、吐息と声が漏れる。唇は、徐々に下へ降りていき鳩尾、上腹部、下腹部を順番に啄む。触れられた所が途端に熱を持ち広がっていく。
ちょっと待って…俺、勃ってる…?
「はぁ…んぅ……まっ…だめっ…。」
グラディウス様もそれに気付いたようで、硬くなっているそれを触る。
「んんっ…!まっ、て、触らないで。」
「これじゃ、お前がキツイだろ。おら、ズボン脱がすから腰浮かせ。」
「大丈夫だっt…。」
俺の言葉を聞かずにズボンに手をかけ止める間もなくパンツ一枚になる。パンツにはもう先走りによって染みが出来ていた。
グラディウス様はパンツを持ち上げ、先程より芯を持ったそれを見る。
「ハッ、もうトロトロ。」
先走りで既にトロトロになったそれは、パンツとの間で糸を引いていた。
「あんま、見んなぁ…。」
俺は恥ずかしさと快楽を行き来する中、その言葉を出すだけで精一杯だった。
「見ないとできないだろう?」
グラディウス様にはそんな言葉は届かず、パンツからそれを取り出し容赦なく触れる。
俺の身体はそこへの刺激でビクッと跳ねる。背中に電気が走るような脳が痺れる刺激だった。
「ああっ…!あ、んぅ…。」
今まで散々快楽を受けていた俺は、少しの刺激でも反応してしまう。初めてのそこへの直接的な刺激で触れられただけでイキそうになってしまった。
燃えるように熱い。
グラディウス様の手は俺のそれを上下に扱く。
動きに合わせて、ぐちゅぐちゅと卑猥な音が鳴り耳からも侵されている気分になる。
「まっ…て、あんまり…強くしない、で。もう、イッちゃうから。」
あまりの強い快楽で、俺の目には涙が溜まり今にも溢れそうになっていた。
俺の頭上で、ゴクリと喉を鳴らす音が聞こえた。
「お前のそういう顔、最高に唆るな。」
余裕のない俺にはその言葉は耳から音としてのみ認識され意味を理解できなかった。
グラディウス様は再び俺の唇を塞ぎ、俺の舌を弄ぶように絡ませる。
「ふっ…んん。んぅ…!はぁ…あっ…!」
当然の様にキスだけでは終わらず、グラディウス様の手も再び動く。
「大丈夫だ、気持ちいいことだけに集中して俺に身を委ねろ。」
「あっ…!んんっ…ああっ…!」
上からと下から両方からの刺激は今までとは比べられないほど強く俺の脳を体を犯していく。
頭が真っ白になり思考が停止する。
今度は、上下だけでなく指の腹で俺の先端をぐりぐりと撫でる。
単調だった刺激がいきなり変化して俺の体はビクビクと反応する。
「んぁっ…それ、やめっ…イッちゃうからぁ!」
「いいぞ、いけよ。」
「んんっ…!んぁっああっ…ああ!」
頭の中でばちばちと何かがはじけ、体は痙攣をしていた。
俺の先端からは白濁が勢いよく溢れ出し、腹の上に飛び散る。
俺はあっという間に達してしまった。
いつの間にか体の中で燻っていた熱は消え、体内は魔力で満たされている。
俺は満たされた気持ち良さと疲労で気を失った。
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