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踏み出す一歩2
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「あ、あの、柊原君」
勇気を出してかけた声は無視されてしまった。
当然と言えば当然なのだろう。自分が迷惑だとか嫌いだとか、そういうことにしてしまったのだから、同じように返されても文句は言えない。そういうことだ。
「この前はひどいこと言ってごめんなさい」
「別に。俺が全部悪いんだし」
光希は口を開いてくれたが、今までとは違う素っ気なさで、煩わしいのだと希彩に感じさせるには十分すぎた。
自分を見てほしいが、冷たい目を向けられるのは怖くて、次の言葉が出ない。油断すれば泣き出してしまいそうだった。そうしたところで何も解決しないとわかっていながら。
「そうだ。全部、てめぇが悪い」
「そうよそうよ。あんたが悪いのよ、あんたが!」
野次を飛ばすのは遼と咲子だ。こうなると本当に応援しているのか希彩にはわからなくなる。
「で、嫌いな男に何の用?」
光希は用があるなら早く済ませとばかりだが、話を聞く気はあるのだろうか。
「これ……まだ有効か聞きたくて」
希彩が開いてみせる手の中には六個のピンがあり、昨日貰ったものはつけている。七個揃っているのだ。
「何の話?」
「七個揃えた願い事はもう叶わないの?」
「俺にトドメを刺しに来た? もう何もしないけど」
やっと光希の目が希彩に向けられるが、優しさはない。恐怖すら覚えるほどで、震えそうになる自分の体を希彩は心の中で叱咤激励する。
「この前、言ったこと取り消したくて、それで……」
迷惑だというのは嘘だ。嫌いではない。我慢していたわけでもない。
ただ、友達を守りたくて、逃げた。それが正しいと信じていた。
「あのね、また友達になれないかなって」
「えー、俺達、友達だったっけ?」
「うっ……」
希彩は一瞬怯む。それを言われると辛いところだ。結局、光希とは何だったのか、わからないものだ。
「じゃあ、何だったの? からかってただけ? 全部、嘘だった?」
「そうだって言ったら?」
「本気だったって今なら信じるから、だから、お願い……!」
信じたくて、自分もまた信じてほしい一心で希彩は頭を下げていた。
そして、訪れる沈黙が怖かった。いよいよ東野のように付き纏うなと言われるのではないかと希彩は恐れていた。
「はい、よく頑張りました。大丈夫大丈夫。俺はちゃんとわかってるよ」
不意に頭を撫でられ、優しい声が降ってくる。
「いやあ、辛かった。何があったか想像付いたから様子見てたけど、それにしても辛かった。俺、もう希彩ちゃんがいないとダメダメになっちゃったよ」
「光希君……?」
どういうことなのだろうか。答えを求めるように見上げた瞬間、希彩は抱き締められていた。
「きゃっ」
「でも、希彩ちゃんがこんなに可愛くなって俺の胸に飛び込んできてくれるなんて、耐えた甲斐があったー!」
飛び込んでいない、と反論の声は出せなかった。
ここは教室であって、同性の咲子にされるとのは意味が違う。
嬉しいと言うよりも混乱して希彩はじたばたと暴れるが、光希の体はびくともしない。
咲子や遼はどうしているのか。否、彼女達に助けを求めるよりも前に希彩は自分でこの状況をどうにかしなければならないと思った。
「ぎゃっ!」
光希が声を上げ、腕の力が緩んだ瞬間に希彩は抜け出す。
「女の子に蹴られた! 痛いっ!」
「ご、ごめんなさい!」
希彩は反射的に謝っていた。彼には悪いが、少し蹴ったのだ。
皆の前であまりに恥ずかしく、穴があったら入りたい気持ちだった。なければ全力で掘りたいほどだ。
「いや、今のは完全に光希が悪いだろ」
「よくあることなんじゃない? 殴られるとか」
近付いてくる遼と咲子は笑っている。
「俺を何だと思ってるの?」
「背後から刺されないだけ奇跡だろ」
「ひどい!」
そこまで言われるほどのことをしたのか、希彩にはわからないが、それでも皆の関係が元に戻ったような気がして単純に嬉しかった。皆にも笑っていてほしいと思うのだ。
「あんたの負けね」
咲子は東野を振り返って言う。彼女も様子を見ていたのだろうか。
悔しげな東野の表情を見て、それでも希彩は勝ち誇った気分にはなれなかった。
「まあ、積もる話は昼休みにでも」
咲子に手を引かれ、希彩は席に戻る。もうすぐHRが始まってしまうところだ。
休み時間は咲子と友人達が希彩の側にいた。
「柊原君、ご機嫌だね」
一人が言う。その視線の先には光希がいて、彼女は笑っている。
「そう、かな?」
希彩は首を傾げる。確かに教室に来た時の不機嫌さはなくなっているが、元通りになっただけのようにも思える。
「そうだよー、最近、彼の周り、凄く空気悪かったもん」
もう一人が言う。近付き難さは希彩も感じていた。だが、希彩にとっては東野からのプレッシャーの方が恐ろしかった。
「ほんと、わかりやすい奴になったもんだわ。犬みたい」
頷きながら咲子が言う。
元々、光希は目立つ人間で、周囲に影響力があったのだろう。
「えっと、私のせいかな?」
「あー、空気が悪くなったの?」
「そう」
「そんなの、あいつが全部悪いに決まってるじゃない!」
咲子は光希を悪者にしたいのだろうか。
「でも、今ご機嫌なのは希彩ちゃんのおかげだよね」
「愛されてますなぁ」
「あれはあれで、ちょっと気持ち悪くない?」
咲子は楽しそうな光希と遼を指さす。
今までにないほどテンションが高い光希を遼が宥めている。二人の関係も良好なようだが、確かにこれまで見たことがないような光景ではある。
「微笑ましくていいと思うよ。希彩ちゃん、頑張ってね!」
「ファイト!」
二人に応援されて希彩は嬉しく思うが、何とも言えない気持ちでもある。
「えっと……」
「まだ付き合うとかそういうんじゃないみたいよ」
代弁する咲子に希彩は頷く。
「えーっ、いいと思うけどなぁ」
「そうそうありだと思うよ」
「そう言われても……」
希彩にはまだ時間が足りなかった。付き合うというのは、さすがに急すぎる。
「そうそう、もっと言って言って!」
「きゃっ!」
いつの間に近付いてきていたのか、二人を煽る光希に希彩は驚く。
「女子の会話に入ってくるな! しっしっしっ!」
咲子は素早い動きで光希を追い払おうとする。やはり彼女は光希のことが嫌いなのではないかと希彩に思わせるほどだ。
「ひ、ひどい!」
「昼休みまで待てないなんて、駄犬か、あんたは!」
「すまん、ちょっと目を離した隙に……!」
「ちゃんと見張ってなさいよ! 役に立たないわね!」
遼は慌てた様子でやってくるが、いつそんな役割になったのか、希彩は全く知らなかった。
「まずはお友達から、ちゃんと手順踏むみたいよ」
「だって、だって……!」
「真面目すぎるわ。まあ、柊原は不真面目すぎるから、丁度いいのかもね」
友人としてもまともなステップを踏んだとは言い難い。
そして、話はそれ以上続けることができなかった。
勇気を出してかけた声は無視されてしまった。
当然と言えば当然なのだろう。自分が迷惑だとか嫌いだとか、そういうことにしてしまったのだから、同じように返されても文句は言えない。そういうことだ。
「この前はひどいこと言ってごめんなさい」
「別に。俺が全部悪いんだし」
光希は口を開いてくれたが、今までとは違う素っ気なさで、煩わしいのだと希彩に感じさせるには十分すぎた。
自分を見てほしいが、冷たい目を向けられるのは怖くて、次の言葉が出ない。油断すれば泣き出してしまいそうだった。そうしたところで何も解決しないとわかっていながら。
「そうだ。全部、てめぇが悪い」
「そうよそうよ。あんたが悪いのよ、あんたが!」
野次を飛ばすのは遼と咲子だ。こうなると本当に応援しているのか希彩にはわからなくなる。
「で、嫌いな男に何の用?」
光希は用があるなら早く済ませとばかりだが、話を聞く気はあるのだろうか。
「これ……まだ有効か聞きたくて」
希彩が開いてみせる手の中には六個のピンがあり、昨日貰ったものはつけている。七個揃っているのだ。
「何の話?」
「七個揃えた願い事はもう叶わないの?」
「俺にトドメを刺しに来た? もう何もしないけど」
やっと光希の目が希彩に向けられるが、優しさはない。恐怖すら覚えるほどで、震えそうになる自分の体を希彩は心の中で叱咤激励する。
「この前、言ったこと取り消したくて、それで……」
迷惑だというのは嘘だ。嫌いではない。我慢していたわけでもない。
ただ、友達を守りたくて、逃げた。それが正しいと信じていた。
「あのね、また友達になれないかなって」
「えー、俺達、友達だったっけ?」
「うっ……」
希彩は一瞬怯む。それを言われると辛いところだ。結局、光希とは何だったのか、わからないものだ。
「じゃあ、何だったの? からかってただけ? 全部、嘘だった?」
「そうだって言ったら?」
「本気だったって今なら信じるから、だから、お願い……!」
信じたくて、自分もまた信じてほしい一心で希彩は頭を下げていた。
そして、訪れる沈黙が怖かった。いよいよ東野のように付き纏うなと言われるのではないかと希彩は恐れていた。
「はい、よく頑張りました。大丈夫大丈夫。俺はちゃんとわかってるよ」
不意に頭を撫でられ、優しい声が降ってくる。
「いやあ、辛かった。何があったか想像付いたから様子見てたけど、それにしても辛かった。俺、もう希彩ちゃんがいないとダメダメになっちゃったよ」
「光希君……?」
どういうことなのだろうか。答えを求めるように見上げた瞬間、希彩は抱き締められていた。
「きゃっ」
「でも、希彩ちゃんがこんなに可愛くなって俺の胸に飛び込んできてくれるなんて、耐えた甲斐があったー!」
飛び込んでいない、と反論の声は出せなかった。
ここは教室であって、同性の咲子にされるとのは意味が違う。
嬉しいと言うよりも混乱して希彩はじたばたと暴れるが、光希の体はびくともしない。
咲子や遼はどうしているのか。否、彼女達に助けを求めるよりも前に希彩は自分でこの状況をどうにかしなければならないと思った。
「ぎゃっ!」
光希が声を上げ、腕の力が緩んだ瞬間に希彩は抜け出す。
「女の子に蹴られた! 痛いっ!」
「ご、ごめんなさい!」
希彩は反射的に謝っていた。彼には悪いが、少し蹴ったのだ。
皆の前であまりに恥ずかしく、穴があったら入りたい気持ちだった。なければ全力で掘りたいほどだ。
「いや、今のは完全に光希が悪いだろ」
「よくあることなんじゃない? 殴られるとか」
近付いてくる遼と咲子は笑っている。
「俺を何だと思ってるの?」
「背後から刺されないだけ奇跡だろ」
「ひどい!」
そこまで言われるほどのことをしたのか、希彩にはわからないが、それでも皆の関係が元に戻ったような気がして単純に嬉しかった。皆にも笑っていてほしいと思うのだ。
「あんたの負けね」
咲子は東野を振り返って言う。彼女も様子を見ていたのだろうか。
悔しげな東野の表情を見て、それでも希彩は勝ち誇った気分にはなれなかった。
「まあ、積もる話は昼休みにでも」
咲子に手を引かれ、希彩は席に戻る。もうすぐHRが始まってしまうところだ。
休み時間は咲子と友人達が希彩の側にいた。
「柊原君、ご機嫌だね」
一人が言う。その視線の先には光希がいて、彼女は笑っている。
「そう、かな?」
希彩は首を傾げる。確かに教室に来た時の不機嫌さはなくなっているが、元通りになっただけのようにも思える。
「そうだよー、最近、彼の周り、凄く空気悪かったもん」
もう一人が言う。近付き難さは希彩も感じていた。だが、希彩にとっては東野からのプレッシャーの方が恐ろしかった。
「ほんと、わかりやすい奴になったもんだわ。犬みたい」
頷きながら咲子が言う。
元々、光希は目立つ人間で、周囲に影響力があったのだろう。
「えっと、私のせいかな?」
「あー、空気が悪くなったの?」
「そう」
「そんなの、あいつが全部悪いに決まってるじゃない!」
咲子は光希を悪者にしたいのだろうか。
「でも、今ご機嫌なのは希彩ちゃんのおかげだよね」
「愛されてますなぁ」
「あれはあれで、ちょっと気持ち悪くない?」
咲子は楽しそうな光希と遼を指さす。
今までにないほどテンションが高い光希を遼が宥めている。二人の関係も良好なようだが、確かにこれまで見たことがないような光景ではある。
「微笑ましくていいと思うよ。希彩ちゃん、頑張ってね!」
「ファイト!」
二人に応援されて希彩は嬉しく思うが、何とも言えない気持ちでもある。
「えっと……」
「まだ付き合うとかそういうんじゃないみたいよ」
代弁する咲子に希彩は頷く。
「えーっ、いいと思うけどなぁ」
「そうそうありだと思うよ」
「そう言われても……」
希彩にはまだ時間が足りなかった。付き合うというのは、さすがに急すぎる。
「そうそう、もっと言って言って!」
「きゃっ!」
いつの間に近付いてきていたのか、二人を煽る光希に希彩は驚く。
「女子の会話に入ってくるな! しっしっしっ!」
咲子は素早い動きで光希を追い払おうとする。やはり彼女は光希のことが嫌いなのではないかと希彩に思わせるほどだ。
「ひ、ひどい!」
「昼休みまで待てないなんて、駄犬か、あんたは!」
「すまん、ちょっと目を離した隙に……!」
「ちゃんと見張ってなさいよ! 役に立たないわね!」
遼は慌てた様子でやってくるが、いつそんな役割になったのか、希彩は全く知らなかった。
「まずはお友達から、ちゃんと手順踏むみたいよ」
「だって、だって……!」
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