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暑い日には
熱に浮かされて
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どこまでも堕ちてしまえれば楽だっただろうか。何度しても罪悪感のようなものが消えることはなかった。普通でないことをしていることは明らかだった。
だが、今は理性など何の意味も持たなかった。
実結を蝕む熱は触れられれば楽になるようなものではなかった。より一層高まって実結を侵食する。
誰が、どこに吸い付き、どこを舐め、どこを撫で、どこを掻き回しているのか。わからなくなるほど、あまりにも気持ち良かった。
「あぁっ……もっ、もぉっ……!」
言葉を紡ぐことさえままならなくなって、伝えたいことを伝えられないまま実結の目からはポロポロと涙が溢れて止まらなくなってしまった。
「実結ちゃん……?」
実結の涙に気付いて驚いた顔で和真は固まり、その手も止まってしまう。
「あっ……やめなっ……」
今の実結には彼の気遣いが辛かった。
嫌で泣き出したわけでもないのに、今やめられる方が辛いのに、それを伝えることも上手くできない。
「早く楽になりたいんですね?」
慶に問われ、実結はこくこくと頷く。普段以上に潤っていると感じるのに、実結はすぐにでも欲しかったのに、二人からの愛撫は丁寧でそれがもどかしくたまらなかったのだ。
「実結先輩には刺激が強すぎたみたいですね。気持ち良すぎたんでしょう?」
慶に体を起こされたかと思えば抱き締められ、それすらも今の実結には気持ち良かった。
「先輩からどうぞ」
そう言って慶はベッドの上に置いていた袋から何かを取り出し、和真へと放り投げる。
それは彰が持ってきた袋で、思い返せば慶はいくつか菓子を取り出してからベッドに放っていた。背を向けている実結には見えないが、このタイミングで菓子ではあるまい。
「それもクソ兄貴からの差し入れです。折角だから使ったらどうです?」
「本当に何て言うか……」
「早く欲し、です……!」
和真は呆れているが、そんなやりとりがもどかしいほど実結は既に我慢の限界だった。
そんな実結の催促に和真がはっと息を飲む音が聞こえた。それからすぐに箱を開け、包装を破く音が響く。差し入れとは避妊具のことだったらしい。
「実結ちゃん、ごめん……!」
「あっ……ぅ、あぁぁっ!」
ぐちゅりと一気に奥まで押し入ってくる熱に実結の体は跳ねる。それだけで達してもまだ満たされない。
「くっ…………なんか、いつもより、凄い、かも……!」
「ぁあんっ! あっ、あぁっ!」
激しい律動に実結は慶にしがみつきながら喘ぐことしかできなかった。
普段は実結の体を心配してくれる和真も余裕がないらしい。いつもの彼らしからぬガツガツとした攻めにも痛みはなく、ただただ気持ちが良いだけの行為だった。
「ほんと、ごめんっ!」
「ぁっあっ……は、っあぁぁんっ……!」
何の謝罪かわからないまま、散々焦らされていた体は上り詰めるのも早く、和真の物を強く締め付け、搾り取ったのかもしれなかった。
薄い膜越しに熱を吐き出されてもまだ全然足りないと感じていた。
それはひどい飢餓感に似ていた。息も整わない内から体は早くも次を求めている。
けれども、催促をする前に体を後ろに倒され、実結の体は期待で震える。ぼんやりとした意識の中で慶が服を脱ぎ、避妊具をつけているのを認識しながらも実結は無意識に手を伸ばしていた。
「大丈夫ですよ」
慶の声はいつになく優しく聞こえた。今の彼は自分の望みをわかってくれる。実結はそれで安心できた。
「んっ……ぁあ……あんっ!」
行き場のない手に慶の指が絡まり、秘部には慶の陰茎が押し当てられ、ゆっくりと奥まで入ってくる。そして、始まる抽送は激しくないながらも実結が感じる場所を的確に擦り上げ、気が狂いそうなほどの快楽を与えてくる。
「っは……けい、くんっ……!」
ただ与えられる快楽に応えるように名前を呼んだだけで深い意味などあったわけではないが、自分の存在を主張するように和真の手が頭を撫でる。
「せんぱっ……あぅっ!」
「実結ちゃん、気持ちいい?」
「い、ですっ……あっ、きもち、いい……!」
普段の実結ならば恥ずかしくて言わない言葉さえ一度箍が外れてしまえば溢れ出してしまう。認めてしまうことで楽になれるようですらあった。
「ほんとっ、すごすぎて……何度でも、付き合いますから……っ!」
余裕があるようだった慶の律動も速まり、彼の果てを察した実結も高められていく。背をしならせ、喉を逸らし、喘ぐ声が止められない。
「いっちゃ……も、いっちゃう……あっ、ああっ……!」
最奥を抉られ、びくびくと体を震わせ、実結は何度目かもわからず絶頂する。腰を震わせ、慶が欲を吐き出すのを感じながら、これで終わりではないことはわかっていた。まだ熱は引かない。
いつもは実結が疲れて嫌がれば和真が止めてくれるが、今日は誰よりも実結がほしがっているのだ。熱に浮かされながら慶の言葉が支えになっているのかもしれなかった。
それから実結の体が満足するまで交互に何度貫かれたかは覚えていない。
ようやくわけのわからない熱が引いた頃には実結はすっかりぐったりとしていた。
シャワーを浴びさせてもらって、エアコンの効いた部屋で横になって、不快感はない。しかし、こんなはずではなかったのだ。ただ涼しいところで過ごしたかっただけなのだが、これならば涼しい施設に出かけた方が良かったと思える程度だ。
「何いじけてるんですか、和真先輩」
慶の言葉は実結ではなく、その傍らで膝を抱える和真に向けられていた。
「だって、慶の方が優しかった……」
どうやら和真は行為中のことを気にしていたらしい。普段とは違い、今日は和真も激しかったが、実結は自分が求めたからだと思っていた。しかし、和真の方は納得していないらしい。
「キスした時に俺の理性なんて切れてたのに慶の方が余裕あってむかつく」
いつもならば和真が制していたのに、今日は慶が主導権を握っているようでもあった。実結としては嫌なことなどなかったが、和真が自分自身を許せていないのだろう。
いつも何度も補給を求めては呆れさせる彼が好機に乗じるのではなく妙に落ち着いていたことは改めて考えれば不思議でもあった。
「媚薬が抜けるまで実結先輩が一番辛いことはわかってたんで」
自分に都合が良いようにするのではなく、あくまで気遣われていたと実結は感じる。そして、ある可能性に行き当たったのは和真も同時のようだった。
「お前、まさか」
「ま、お察しくださいってやつですね」
慶は和真に全てを言わせなかった。まだ抱えた秘密を明かすつもりはないようだ。それを追及するほどの心身の余裕は実結にはなかった。しばらくここに来るのは避けたいと強く思うばかりだった。
だが、今は理性など何の意味も持たなかった。
実結を蝕む熱は触れられれば楽になるようなものではなかった。より一層高まって実結を侵食する。
誰が、どこに吸い付き、どこを舐め、どこを撫で、どこを掻き回しているのか。わからなくなるほど、あまりにも気持ち良かった。
「あぁっ……もっ、もぉっ……!」
言葉を紡ぐことさえままならなくなって、伝えたいことを伝えられないまま実結の目からはポロポロと涙が溢れて止まらなくなってしまった。
「実結ちゃん……?」
実結の涙に気付いて驚いた顔で和真は固まり、その手も止まってしまう。
「あっ……やめなっ……」
今の実結には彼の気遣いが辛かった。
嫌で泣き出したわけでもないのに、今やめられる方が辛いのに、それを伝えることも上手くできない。
「早く楽になりたいんですね?」
慶に問われ、実結はこくこくと頷く。普段以上に潤っていると感じるのに、実結はすぐにでも欲しかったのに、二人からの愛撫は丁寧でそれがもどかしくたまらなかったのだ。
「実結先輩には刺激が強すぎたみたいですね。気持ち良すぎたんでしょう?」
慶に体を起こされたかと思えば抱き締められ、それすらも今の実結には気持ち良かった。
「先輩からどうぞ」
そう言って慶はベッドの上に置いていた袋から何かを取り出し、和真へと放り投げる。
それは彰が持ってきた袋で、思い返せば慶はいくつか菓子を取り出してからベッドに放っていた。背を向けている実結には見えないが、このタイミングで菓子ではあるまい。
「それもクソ兄貴からの差し入れです。折角だから使ったらどうです?」
「本当に何て言うか……」
「早く欲し、です……!」
和真は呆れているが、そんなやりとりがもどかしいほど実結は既に我慢の限界だった。
そんな実結の催促に和真がはっと息を飲む音が聞こえた。それからすぐに箱を開け、包装を破く音が響く。差し入れとは避妊具のことだったらしい。
「実結ちゃん、ごめん……!」
「あっ……ぅ、あぁぁっ!」
ぐちゅりと一気に奥まで押し入ってくる熱に実結の体は跳ねる。それだけで達してもまだ満たされない。
「くっ…………なんか、いつもより、凄い、かも……!」
「ぁあんっ! あっ、あぁっ!」
激しい律動に実結は慶にしがみつきながら喘ぐことしかできなかった。
普段は実結の体を心配してくれる和真も余裕がないらしい。いつもの彼らしからぬガツガツとした攻めにも痛みはなく、ただただ気持ちが良いだけの行為だった。
「ほんと、ごめんっ!」
「ぁっあっ……は、っあぁぁんっ……!」
何の謝罪かわからないまま、散々焦らされていた体は上り詰めるのも早く、和真の物を強く締め付け、搾り取ったのかもしれなかった。
薄い膜越しに熱を吐き出されてもまだ全然足りないと感じていた。
それはひどい飢餓感に似ていた。息も整わない内から体は早くも次を求めている。
けれども、催促をする前に体を後ろに倒され、実結の体は期待で震える。ぼんやりとした意識の中で慶が服を脱ぎ、避妊具をつけているのを認識しながらも実結は無意識に手を伸ばしていた。
「大丈夫ですよ」
慶の声はいつになく優しく聞こえた。今の彼は自分の望みをわかってくれる。実結はそれで安心できた。
「んっ……ぁあ……あんっ!」
行き場のない手に慶の指が絡まり、秘部には慶の陰茎が押し当てられ、ゆっくりと奥まで入ってくる。そして、始まる抽送は激しくないながらも実結が感じる場所を的確に擦り上げ、気が狂いそうなほどの快楽を与えてくる。
「っは……けい、くんっ……!」
ただ与えられる快楽に応えるように名前を呼んだだけで深い意味などあったわけではないが、自分の存在を主張するように和真の手が頭を撫でる。
「せんぱっ……あぅっ!」
「実結ちゃん、気持ちいい?」
「い、ですっ……あっ、きもち、いい……!」
普段の実結ならば恥ずかしくて言わない言葉さえ一度箍が外れてしまえば溢れ出してしまう。認めてしまうことで楽になれるようですらあった。
「ほんとっ、すごすぎて……何度でも、付き合いますから……っ!」
余裕があるようだった慶の律動も速まり、彼の果てを察した実結も高められていく。背をしならせ、喉を逸らし、喘ぐ声が止められない。
「いっちゃ……も、いっちゃう……あっ、ああっ……!」
最奥を抉られ、びくびくと体を震わせ、実結は何度目かもわからず絶頂する。腰を震わせ、慶が欲を吐き出すのを感じながら、これで終わりではないことはわかっていた。まだ熱は引かない。
いつもは実結が疲れて嫌がれば和真が止めてくれるが、今日は誰よりも実結がほしがっているのだ。熱に浮かされながら慶の言葉が支えになっているのかもしれなかった。
それから実結の体が満足するまで交互に何度貫かれたかは覚えていない。
ようやくわけのわからない熱が引いた頃には実結はすっかりぐったりとしていた。
シャワーを浴びさせてもらって、エアコンの効いた部屋で横になって、不快感はない。しかし、こんなはずではなかったのだ。ただ涼しいところで過ごしたかっただけなのだが、これならば涼しい施設に出かけた方が良かったと思える程度だ。
「何いじけてるんですか、和真先輩」
慶の言葉は実結ではなく、その傍らで膝を抱える和真に向けられていた。
「だって、慶の方が優しかった……」
どうやら和真は行為中のことを気にしていたらしい。普段とは違い、今日は和真も激しかったが、実結は自分が求めたからだと思っていた。しかし、和真の方は納得していないらしい。
「キスした時に俺の理性なんて切れてたのに慶の方が余裕あってむかつく」
いつもならば和真が制していたのに、今日は慶が主導権を握っているようでもあった。実結としては嫌なことなどなかったが、和真が自分自身を許せていないのだろう。
いつも何度も補給を求めては呆れさせる彼が好機に乗じるのではなく妙に落ち着いていたことは改めて考えれば不思議でもあった。
「媚薬が抜けるまで実結先輩が一番辛いことはわかってたんで」
自分に都合が良いようにするのではなく、あくまで気遣われていたと実結は感じる。そして、ある可能性に行き当たったのは和真も同時のようだった。
「お前、まさか」
「ま、お察しくださいってやつですね」
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