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答えは三人で
キスで確かめて
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「実結ちゃん、昨日はあんなことしてごめんね」
「いえ……」
改めて謝られても昨日のことが嫌だったというわけではない。ひどく恥ずかしいことではあったが、流されたのは実結の意志が弱かったからだ。もっとはっきりと嫌悪を露わにして拒絶すれば和真は強要しなかっただろう。
「でも、俺のこと好きだって言ってくれて嬉しい」
「わ……」
「俺、やっぱり帰りたいんですけど」
私も、と言い掛けた声は慶によって遮られてしまった。
「だ、だめっ」
居たたまれないとばかりに今にも立ち上がってしまいそうな慶の手を実結は両手でぎゅっと掴む。
「……二人の世界作られると拷問なんですけど」
そっと顔を逸らした慶は拗ねているらしかった。しかし、そんなことを言われても困る。話は進まないのではないかと実結が思った時だった。
「実結ちゃん」
呼ばれ、振り向けば目の前に和真の顔があった。
「ん……!」
口づけられ、実結が目を見開けば、そっと頬に手が添えられる。右腕を引かれたかと思えば指が絡め取られていく。
「……んっ……」
左手は慶に握り直され、両手を二人に繋がれたまま、啄まれるようなキスは少しずつ実結の理性を奪っていくようだった。
左手がぎゅっと強く握られた時、和真はそっと離れていく。
「昨日俺も見せ付けられて拷問だったわけだけど、帳消しにしてもいいかなと思ってる」
不意打ちのキスの余韻にぼんやりとする実結に和真は笑った。
「昨日、とんでもない要求してきたのは誰ですか。厚かましいですよ」
「強要はしてない。諦めさせようとして、うっかり飲んだのはお前だろ?」
「……俺は先輩を侮っていたみたいですね」
「お前は策に溺れたんじゃないのか? 詰めが甘い」
二人は睨み合うが、長くは続かなかった。
「実結ちゃん、さっきの怖かった?」
「大丈夫、だと思います」
今体が震えているわけでもない。された瞬間に嫌悪を感じたわけでもない。思い返せば恥ずかしいばかりだ。その前だって無理矢理されたというほど乱暴だったわけでもないのに、何が明確に違うのかはわからない。
「じゃあ、もうちょっとしてみようか」
「あ……」
先程は不意打ちだったが、今度は拒否する余地を与えられて実結は困った。急すぎて混乱してわからなかったのかは判断できない。もう少ししてみたい気がするのに、慶が気になってしまう。
「ごめん、もっとさせて」
何も言わない実結に焦れたのか、和真の顔がまた近付いてきて、実結は同意するように目を閉じようとした瞬間だった。
「俺ともしてください」
ぐいっと引き寄せられて、唇は慶に奪われていた。
「んっ……ふ、ぁ……ん」
和真に対抗しているのだろうが、慶にしては優しいキスに恐怖はなかった。
「こっちも大丈夫そうですね。って言うか、こういうのも間接キスなんですかね?」
慶の疑問に、どうなのだろうか、と実結は真剣に考えてしまった。しかし、すぐ側で溜息が聞こえる。
「萎えさせようと無駄だぞ」
「何度でも俺が消毒しますから」
「人をバイ菌みたいに……」
「変態菌がうつる」
「いっそ、実結ちゃんが俺に染まってくれればいいんだけど」
こうやって、と引き寄せられて実結は深くなる和真のキスに酔う。そうして、合わせ目をなぞるような舌を今度は招き入れるように実結は唇を開いていた。
そっと舌が絡まり、和真が反応を探っているのがわかる。だからこそ、実結はそれに応えるように自らも舌を絡めてみた。
「ん……ぁ……」
離れても繋がる透明な糸がぷつりと切れ、実結が名残惜しさを感じた時、また顔の向きを変えさせられて慶に口づけられていた。
「ふぁっ……んぅ……」
慶も慎重になっているのだろう。待っているのかもしれない。実結がおずおずと舌を伸ばせば、気を良くしたように絡ませてくる。
何度も交互に口づけられて実結は次第にぼんやりと受け止めるだけになっていた。気分がふわふわとして、まるで夢の中にいるようなだった。非現実的なことをしているからなのかもしれない。
そうやって何度目かの和真からのキスに実結が酔っている時だった。
「んっ! ぅんん……やっ!」
不意に胸に伸びてきた手が実結の胸を這い、びくんと体が跳ねれば唇が離れていく。
様子を窺うように見詰めてくる和真が何か言うのを待っていると思うのに、言葉にならない。
キスが嫌だと言うわけではない。どちらのキスも気持ちが良い。だから、もっとしてほしい、もっとそうしていたいと思ってしまうのに、どこか別の場所に連れて行かれそうになっている気がした。
「嫌? 本当に?」
耳元で意地悪く問いかけてくるのは慶だ。そして、その指は服越しに実結の胸の先端を擦り続けている。
「あぅっ……慶、君……!」
「俺が嫌なんですか?」
「ちがっ……それ、だめぇ……」
どちらが嫌というわけではない。ただ、今、彼がしていることをやめてほしいだけなのに、彼は笑って決して手を止めようとはしない。
「駄目じゃないでしょ? これ。凄くエロい顔してますよ」
「うん。凄く可愛い」
「ひ、ぁっ……先輩まで……!」
もう片側まで和真に触られてしまっては、実結も堪えられそうになかった。逃れようと身を捩っても二人は執拗なまでに攻めてくる。
「見極めは大事ですからね」
「さっきもちょっとしたけど、これが嫌なの? 怖い?」
「うぅ……んんっ! は、っ……!」
怖いわけでもないし、嫌悪しているわけでもないが、嫌だということを実結は上手に伝えられず、ただ目を潤ませ、熱い吐息を漏らす。
「いいんですよね? これ」
「ひぅっ!」
「それとも、直接してほしいですか?」
きゅっと摘まみながら揺する慶は確信しているのだろう。直接されてしまったら、どうなってしまうか実結も想像できる。ふるふると首を横に振るが、右耳に吐息が吹き込まれ、また実結の体はびくんと反応する。
「俺、昨日は見れなかったから見たいな……実結ちゃんのおっぱい」
好きな人におねだりされたら応えたいものではあるが、頷けるはずもなかった。
「あー、先輩に見られるのが嫌なんじゃないですかね?」
「そうなの?」
「は、恥ずかしくて……」
まだ羞恥が消し飛ぶほど溺れきってはいない。しかしながら、慶も強引に進めようとしているわけでもないのはわかる。
「じゃあ、もっと恥ずかしいところ確認してみましょうか」
慶が笑んで膝に触れ、上へと撫で上げる。スカートが捲れ上がり、太股が露わになり、和真の視線もそこに注がれているのを感じる。
「むずむずしてるんじゃないですか?」
わかっていながら、慶は決して核心に触れようとはしない。太股の感触を楽しんでいるかのようだ。
実結にとって恥ずかしいのは、既にそこが疼いてたまらないことを知られることだった。
二人に触れて欲しいと思ってしまっている。想像すれば、下腹部がきゅっと切なくないように疼いてしまうのだ。
「いえ……」
改めて謝られても昨日のことが嫌だったというわけではない。ひどく恥ずかしいことではあったが、流されたのは実結の意志が弱かったからだ。もっとはっきりと嫌悪を露わにして拒絶すれば和真は強要しなかっただろう。
「でも、俺のこと好きだって言ってくれて嬉しい」
「わ……」
「俺、やっぱり帰りたいんですけど」
私も、と言い掛けた声は慶によって遮られてしまった。
「だ、だめっ」
居たたまれないとばかりに今にも立ち上がってしまいそうな慶の手を実結は両手でぎゅっと掴む。
「……二人の世界作られると拷問なんですけど」
そっと顔を逸らした慶は拗ねているらしかった。しかし、そんなことを言われても困る。話は進まないのではないかと実結が思った時だった。
「実結ちゃん」
呼ばれ、振り向けば目の前に和真の顔があった。
「ん……!」
口づけられ、実結が目を見開けば、そっと頬に手が添えられる。右腕を引かれたかと思えば指が絡め取られていく。
「……んっ……」
左手は慶に握り直され、両手を二人に繋がれたまま、啄まれるようなキスは少しずつ実結の理性を奪っていくようだった。
左手がぎゅっと強く握られた時、和真はそっと離れていく。
「昨日俺も見せ付けられて拷問だったわけだけど、帳消しにしてもいいかなと思ってる」
不意打ちのキスの余韻にぼんやりとする実結に和真は笑った。
「昨日、とんでもない要求してきたのは誰ですか。厚かましいですよ」
「強要はしてない。諦めさせようとして、うっかり飲んだのはお前だろ?」
「……俺は先輩を侮っていたみたいですね」
「お前は策に溺れたんじゃないのか? 詰めが甘い」
二人は睨み合うが、長くは続かなかった。
「実結ちゃん、さっきの怖かった?」
「大丈夫、だと思います」
今体が震えているわけでもない。された瞬間に嫌悪を感じたわけでもない。思い返せば恥ずかしいばかりだ。その前だって無理矢理されたというほど乱暴だったわけでもないのに、何が明確に違うのかはわからない。
「じゃあ、もうちょっとしてみようか」
「あ……」
先程は不意打ちだったが、今度は拒否する余地を与えられて実結は困った。急すぎて混乱してわからなかったのかは判断できない。もう少ししてみたい気がするのに、慶が気になってしまう。
「ごめん、もっとさせて」
何も言わない実結に焦れたのか、和真の顔がまた近付いてきて、実結は同意するように目を閉じようとした瞬間だった。
「俺ともしてください」
ぐいっと引き寄せられて、唇は慶に奪われていた。
「んっ……ふ、ぁ……ん」
和真に対抗しているのだろうが、慶にしては優しいキスに恐怖はなかった。
「こっちも大丈夫そうですね。って言うか、こういうのも間接キスなんですかね?」
慶の疑問に、どうなのだろうか、と実結は真剣に考えてしまった。しかし、すぐ側で溜息が聞こえる。
「萎えさせようと無駄だぞ」
「何度でも俺が消毒しますから」
「人をバイ菌みたいに……」
「変態菌がうつる」
「いっそ、実結ちゃんが俺に染まってくれればいいんだけど」
こうやって、と引き寄せられて実結は深くなる和真のキスに酔う。そうして、合わせ目をなぞるような舌を今度は招き入れるように実結は唇を開いていた。
そっと舌が絡まり、和真が反応を探っているのがわかる。だからこそ、実結はそれに応えるように自らも舌を絡めてみた。
「ん……ぁ……」
離れても繋がる透明な糸がぷつりと切れ、実結が名残惜しさを感じた時、また顔の向きを変えさせられて慶に口づけられていた。
「ふぁっ……んぅ……」
慶も慎重になっているのだろう。待っているのかもしれない。実結がおずおずと舌を伸ばせば、気を良くしたように絡ませてくる。
何度も交互に口づけられて実結は次第にぼんやりと受け止めるだけになっていた。気分がふわふわとして、まるで夢の中にいるようなだった。非現実的なことをしているからなのかもしれない。
そうやって何度目かの和真からのキスに実結が酔っている時だった。
「んっ! ぅんん……やっ!」
不意に胸に伸びてきた手が実結の胸を這い、びくんと体が跳ねれば唇が離れていく。
様子を窺うように見詰めてくる和真が何か言うのを待っていると思うのに、言葉にならない。
キスが嫌だと言うわけではない。どちらのキスも気持ちが良い。だから、もっとしてほしい、もっとそうしていたいと思ってしまうのに、どこか別の場所に連れて行かれそうになっている気がした。
「嫌? 本当に?」
耳元で意地悪く問いかけてくるのは慶だ。そして、その指は服越しに実結の胸の先端を擦り続けている。
「あぅっ……慶、君……!」
「俺が嫌なんですか?」
「ちがっ……それ、だめぇ……」
どちらが嫌というわけではない。ただ、今、彼がしていることをやめてほしいだけなのに、彼は笑って決して手を止めようとはしない。
「駄目じゃないでしょ? これ。凄くエロい顔してますよ」
「うん。凄く可愛い」
「ひ、ぁっ……先輩まで……!」
もう片側まで和真に触られてしまっては、実結も堪えられそうになかった。逃れようと身を捩っても二人は執拗なまでに攻めてくる。
「見極めは大事ですからね」
「さっきもちょっとしたけど、これが嫌なの? 怖い?」
「うぅ……んんっ! は、っ……!」
怖いわけでもないし、嫌悪しているわけでもないが、嫌だということを実結は上手に伝えられず、ただ目を潤ませ、熱い吐息を漏らす。
「いいんですよね? これ」
「ひぅっ!」
「それとも、直接してほしいですか?」
きゅっと摘まみながら揺する慶は確信しているのだろう。直接されてしまったら、どうなってしまうか実結も想像できる。ふるふると首を横に振るが、右耳に吐息が吹き込まれ、また実結の体はびくんと反応する。
「俺、昨日は見れなかったから見たいな……実結ちゃんのおっぱい」
好きな人におねだりされたら応えたいものではあるが、頷けるはずもなかった。
「あー、先輩に見られるのが嫌なんじゃないですかね?」
「そうなの?」
「は、恥ずかしくて……」
まだ羞恥が消し飛ぶほど溺れきってはいない。しかしながら、慶も強引に進めようとしているわけでもないのはわかる。
「じゃあ、もっと恥ずかしいところ確認してみましょうか」
慶が笑んで膝に触れ、上へと撫で上げる。スカートが捲れ上がり、太股が露わになり、和真の視線もそこに注がれているのを感じる。
「むずむずしてるんじゃないですか?」
わかっていながら、慶は決して核心に触れようとはしない。太股の感触を楽しんでいるかのようだ。
実結にとって恥ずかしいのは、既にそこが疼いてたまらないことを知られることだった。
二人に触れて欲しいと思ってしまっている。想像すれば、下腹部がきゅっと切なくないように疼いてしまうのだ。
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