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第一章
お約束すぎる
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「ふ、ぁあっ……」
自分でもビックリするくらい甘ったるい声が出た……そもそも自分の声ではないんだけど。だから、耐えられるのかもしれない。
キスだけでとろけるとかマジかって感じ。甘いのに、全然飽きなくて、いつまでも味わってたい感じだし、お酒に酔ったらこんな感じかなって思う。うち、酒豪の家系だったみたいなんだよね。
いや、そんなことはどうでも良くて、エロファンタジーのお約束ですよね、これ……スーパー敏感ボディ。擽ったがりではあったけど、ちょっと撫でられただけで何かもうやばい。
「んぅ……」
いつの間にか全部脱がされて、恥ずかしくて、アイトとラインにも脱いでもらったら、それはそれで恥ずかしかった。二人は下着だけははいてるけど。
けど、肌が触れ合ったら、そんなことがどうでも良くなるくらい気持ち良かった。これだけで気持ちいいのに、この先どうなるんだろうってくらい。
ラインに抱き締められながら、アイトがベッドに体を倒すのを見てたんだけど……
「サクラ様、僕の顔を跨いでくださいますか」
「え……?」
何かさらっととんでもないお願いをされた気がする。
いや、気のせい。聞き間違い。顔じゃなくて、きっと腰とかそういう……
「遠慮は無用です。アイトの顔の上に乗ってください」
き、聞き間違いじゃなかった……!
さっきまでアイト主導で、ちょっとまごまごしてたラインがグイグイ押してくる。
いや、散々エロ小説読み漁った桜兎さんは『何するかわかんなぁい』なんて言わないよ? でも、わからないでいたかったかもしれない。
と、とのー! 顔面騎乗は性癖じゃないんです……!
いや、殿が書くなら地雷でも何でも読むけど、今は私がヒロインなわけで、恥ずかしくて無理すぎる。
でも、それはキャラ的にもそうだったみたい。
「む、無理……!」
ふるふると首を横に振って目で訴える。
可愛い可愛い小動物聖女様のお願いが聞いてもらえないはずがない。
こういう時はやっぱり自動モードが便利かもしれない。選択肢ミスったら即死亡みたいなのはなさそうだけど。
「わかりました、サクラ様が嫌がることはしません」
そう言って、体を起こしたアイトは手を広げた。そこは『おいで』って言ってほしかったけど、規則に縛られた騎士に期待するだけ無駄だった。ぐすん。
「ぁ……」
ギュッと抱き締められて、アイトの胸に顔を預けるようにぴったりと肌がくっつくとそれだけで気持ち良かった。まるで赤ちゃんみたいな気持ち。
髪を撫でられればとろけそう。でも、足りない。もっと気持ちいいことをしてほしい。そっとアイトを見上げれば微笑まれて、ラインとアイコンタクトがあったんだと思う。
「失礼します」
やっぱりお堅いラインがそう言う。腕を回されて、今度はラインに背中を預けるようにしっかりと抱き締められる。
アイトはリードしながらラインと公平にしようと思ってるんだななんて思って、深く考えなかったんだけど……
「やっ……!」
失礼しますね、とアイトにも断られたと思ったら足を広げられた。恥ずかしいところまで開かれて、そのままアイトの顔が近づけられた。
「ひ、ぁあっ!」
アイトの舌がそこを舐め上げて、体に震えが走った。
その行為が気持ち良いことだとは知ってた。だけど、自分がされるのは初めてだった。
本当に電流みたいに体を駆け抜けていく感覚、それは思ってた以上に強烈だった。何よりもスーパー敏感ボディ、恐るべし。こんなの絶対おかしくなる。
「だめっ! だめぇっ!」
甘ったるい声で訴えても無駄だった。嫌がるってことはしないって言ったのにアイトは全然やめてくれないし、ラインですらしっかり私を抑えてる。
「それっ、だめなのぉっ……あぁんっ!」
いやいやと首を横に振ってもラインの力は弱まらないし、アイトも止まらない。
あらかじめ決めてたのかわからないけど、忠実なしもべみたいなラインが全然聞いてくれないのが意外だった。
「ら、らいん……」
「サクラ様から感じる波動は嫌だとおっしゃっていないので」
くっ……! 波動だと……?
諦めが悪い私はそれでもラインに訴えようとしたけど、そう言われてしまっては何も言えなかった。
何てこった。口では嫌だと言っても体はそうは言ってないぞ的なお見通し? もしかして、嘘なんかつけないとか?
いや、嘘ついてるんじゃないんだけど……!
「いやじゃなっ、けどぉっ……こわっ、あっ、こわいのぉっ!」
本当に怖い。自分がどうなっちゃうのか怖い。多分、気持ち良すぎて怖い。
こんな風にヒロインの気持ちがわかることになるなんて思わなかった。だって、今の私はヒロインそのもの。そして、作者は殿。殿の性癖を身をもって味わうことになるわけだ。
推し作者のヒロインになれるなんて光栄だけど、『桜兎さんのイメージで書きたい』って言われてOKしたのはこんなことになるなんて思ってもみなかったから。私なんかでスランプ脱出の糸口とか気分転換になるならどうぞどうぞくらいの気持ちだったわけで。
お互い性癖を知り尽くしてる感あったけど、何もかもが一致するわけでもない。
これはやっぱり見てたかった。ヒロインになりたい願望がなかったとは言い難いけど、でも、やっぱりエッチなシーンはニヤニヤ見てるに限る。
「大丈夫ですよ、サクラ様。自分はここにいますので」
後ろから、そんなことを囁いてくるのはずるいと思った。その声が妙にセクシーに聞こえたのは脳内フィルターのせい? だって、堅物ラインなのに。いや、堅物だからかも。
アイトはちょっとよくわからないところもあるけど、ラインは何て言うかクソ真面目。絶対、こんな言葉言ったら卒倒しちゃうかもしれないぐらいの頭カッチカチの生真面目。そのラインの不意打ちやばい。
金髪碧眼萌えの桜兎さん的にはアイトの方が好みだけど、興味がなかったはずのキャラに急に落ちるみたいなの、こういう時かもしれない。
ちょっと不覚にもときめいちゃったので、ディルドーで処女喪失を迫ってきたことは忘れてあげようと思った。
自分でもビックリするくらい甘ったるい声が出た……そもそも自分の声ではないんだけど。だから、耐えられるのかもしれない。
キスだけでとろけるとかマジかって感じ。甘いのに、全然飽きなくて、いつまでも味わってたい感じだし、お酒に酔ったらこんな感じかなって思う。うち、酒豪の家系だったみたいなんだよね。
いや、そんなことはどうでも良くて、エロファンタジーのお約束ですよね、これ……スーパー敏感ボディ。擽ったがりではあったけど、ちょっと撫でられただけで何かもうやばい。
「んぅ……」
いつの間にか全部脱がされて、恥ずかしくて、アイトとラインにも脱いでもらったら、それはそれで恥ずかしかった。二人は下着だけははいてるけど。
けど、肌が触れ合ったら、そんなことがどうでも良くなるくらい気持ち良かった。これだけで気持ちいいのに、この先どうなるんだろうってくらい。
ラインに抱き締められながら、アイトがベッドに体を倒すのを見てたんだけど……
「サクラ様、僕の顔を跨いでくださいますか」
「え……?」
何かさらっととんでもないお願いをされた気がする。
いや、気のせい。聞き間違い。顔じゃなくて、きっと腰とかそういう……
「遠慮は無用です。アイトの顔の上に乗ってください」
き、聞き間違いじゃなかった……!
さっきまでアイト主導で、ちょっとまごまごしてたラインがグイグイ押してくる。
いや、散々エロ小説読み漁った桜兎さんは『何するかわかんなぁい』なんて言わないよ? でも、わからないでいたかったかもしれない。
と、とのー! 顔面騎乗は性癖じゃないんです……!
いや、殿が書くなら地雷でも何でも読むけど、今は私がヒロインなわけで、恥ずかしくて無理すぎる。
でも、それはキャラ的にもそうだったみたい。
「む、無理……!」
ふるふると首を横に振って目で訴える。
可愛い可愛い小動物聖女様のお願いが聞いてもらえないはずがない。
こういう時はやっぱり自動モードが便利かもしれない。選択肢ミスったら即死亡みたいなのはなさそうだけど。
「わかりました、サクラ様が嫌がることはしません」
そう言って、体を起こしたアイトは手を広げた。そこは『おいで』って言ってほしかったけど、規則に縛られた騎士に期待するだけ無駄だった。ぐすん。
「ぁ……」
ギュッと抱き締められて、アイトの胸に顔を預けるようにぴったりと肌がくっつくとそれだけで気持ち良かった。まるで赤ちゃんみたいな気持ち。
髪を撫でられればとろけそう。でも、足りない。もっと気持ちいいことをしてほしい。そっとアイトを見上げれば微笑まれて、ラインとアイコンタクトがあったんだと思う。
「失礼します」
やっぱりお堅いラインがそう言う。腕を回されて、今度はラインに背中を預けるようにしっかりと抱き締められる。
アイトはリードしながらラインと公平にしようと思ってるんだななんて思って、深く考えなかったんだけど……
「やっ……!」
失礼しますね、とアイトにも断られたと思ったら足を広げられた。恥ずかしいところまで開かれて、そのままアイトの顔が近づけられた。
「ひ、ぁあっ!」
アイトの舌がそこを舐め上げて、体に震えが走った。
その行為が気持ち良いことだとは知ってた。だけど、自分がされるのは初めてだった。
本当に電流みたいに体を駆け抜けていく感覚、それは思ってた以上に強烈だった。何よりもスーパー敏感ボディ、恐るべし。こんなの絶対おかしくなる。
「だめっ! だめぇっ!」
甘ったるい声で訴えても無駄だった。嫌がるってことはしないって言ったのにアイトは全然やめてくれないし、ラインですらしっかり私を抑えてる。
「それっ、だめなのぉっ……あぁんっ!」
いやいやと首を横に振ってもラインの力は弱まらないし、アイトも止まらない。
あらかじめ決めてたのかわからないけど、忠実なしもべみたいなラインが全然聞いてくれないのが意外だった。
「ら、らいん……」
「サクラ様から感じる波動は嫌だとおっしゃっていないので」
くっ……! 波動だと……?
諦めが悪い私はそれでもラインに訴えようとしたけど、そう言われてしまっては何も言えなかった。
何てこった。口では嫌だと言っても体はそうは言ってないぞ的なお見通し? もしかして、嘘なんかつけないとか?
いや、嘘ついてるんじゃないんだけど……!
「いやじゃなっ、けどぉっ……こわっ、あっ、こわいのぉっ!」
本当に怖い。自分がどうなっちゃうのか怖い。多分、気持ち良すぎて怖い。
こんな風にヒロインの気持ちがわかることになるなんて思わなかった。だって、今の私はヒロインそのもの。そして、作者は殿。殿の性癖を身をもって味わうことになるわけだ。
推し作者のヒロインになれるなんて光栄だけど、『桜兎さんのイメージで書きたい』って言われてOKしたのはこんなことになるなんて思ってもみなかったから。私なんかでスランプ脱出の糸口とか気分転換になるならどうぞどうぞくらいの気持ちだったわけで。
お互い性癖を知り尽くしてる感あったけど、何もかもが一致するわけでもない。
これはやっぱり見てたかった。ヒロインになりたい願望がなかったとは言い難いけど、でも、やっぱりエッチなシーンはニヤニヤ見てるに限る。
「大丈夫ですよ、サクラ様。自分はここにいますので」
後ろから、そんなことを囁いてくるのはずるいと思った。その声が妙にセクシーに聞こえたのは脳内フィルターのせい? だって、堅物ラインなのに。いや、堅物だからかも。
アイトはちょっとよくわからないところもあるけど、ラインは何て言うかクソ真面目。絶対、こんな言葉言ったら卒倒しちゃうかもしれないぐらいの頭カッチカチの生真面目。そのラインの不意打ちやばい。
金髪碧眼萌えの桜兎さん的にはアイトの方が好みだけど、興味がなかったはずのキャラに急に落ちるみたいなの、こういう時かもしれない。
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