1 / 1
朝宮莉子、失恋しました…
しおりを挟む
むむっ、てことはやっぱり…
ピンク色の情報ノートを片手に思考を巡らせる。
瑛斗の好きな人は、同級生で手芸部、だそうだ。中1の手芸部は私を入れて四人。そのうちの亜梨沙と恵は瑛斗の想い人を知ってるらしいから、多分この2人ではない。香苗は彼氏持ちだからない…うん。やっぱり瑛斗と私って両想い?
え?そんなはずないよね?だって、瑛斗と仲良い女子なんていっぱ…私だけじゃん!!!
えー、じゃあやっぱり??両想い??ええええええ…
瑛斗に告られたらなんて返そう?
『私も好き!』?それとも、顔を赤くして頷くだけのほうが可愛いかな?
そしたら、瑛斗が私をぎゅっと抱きしめて、耳元で『じゃあ、今日から莉子は俺のものだよ』っとか!!!きゃあああ!!!
「おーい」
ん?誰だか知らんが私の妄想の邪魔をしないでくれ。
「どした、莉子?目の焦点あってないぞ」
あれ?この声は…
見上げた先に瑛斗がいた。おおう…かっこいい…
「んーっと、考え事っ!!考え事してたの!!!」
間違ってはいないだろう。妄想と言ったほうが正しいけど…
「ふーん。てことは暇なんだ?」
「ん、まーね」
ま、そりゃそーなんだけど、瑛斗のこと考えるのに忙しかったってか…
ま、リアル瑛斗の方がいいんだけどね!!!
「なら、ちょうど良かった。ちょっとさ、相談聞いてくんね?こんなの話せんの莉子だけだからさ」
っっっっ!!莉子だけだからさだって!!ううう…やばい…
「ほーう。なーに?相談て」
はー、口ではどーにか平静を保てた…
「実はさ俺、好きな子いるんだけどよ…」
それは私ですか!私ですよね!私!私!
あるよね、漫画とかで、恋愛相談されてて『で、結局好きな人誰なの?』、『っ、お、お前だよ…』みたいなみたいな!!!!
「その子、めっちゃ可愛くて、もう耐えらんなくてさ」
私が?私が可愛すぎるのね!!!んもー!!
「そんで、勢いで告っちゃったんだ」
照れながら言う瑛斗かわいいな…
って、えええ?わ、私告白されていないけれど?
「え…」
「それでさ、なんどか返事してって言ってるんだけど、その度に逃げられるんだ…」
「その、好きな人って…」
まさか、私の友達とかだったらやだよ?
「青島亜梨沙、お前の親友。だからお前に相談してんだ」
悪い予想って当たるよね…予想なんかしなきゃよかった…そうゆうことじゃないけどさ!
「あ、そうなんだ、うん。ご、ごめん、ちょっと私用事あるから…」
「え、ちょ、莉子!!」
走り去る私を瑛斗が呼び止めた、が、無視して走る。ともかく走る、走り続ける。廊下を走り抜け、玄関を出てと、走り続けた。
人気の無い裏庭まで来て、ようやく思考が復活した。
ああ私、失恋したんだ。
知らず知らずに、涙が溢れて来た。
☆ ☆ ☆
「…莉子、泣いた?目が真っ赤」
教室に戻って来たら、早速恵に気づかれた。
「うん…、私失恋した」
「っ…」
なぜか恵の顔がひきつった。
「瑛斗の好きな人ね…」
「ごめん、知ってる」
え?
「神代が亜梨沙に告白したことも、全部」
「っ、なんで?なんで言ってくれなかったの?私1人で両想いかもってはしゃいで、バカみたいじゃん!!それをなんでとなりで黙って見てたのよ!」
「ほんとは言ってあげたほうが良かったよね。でも、となりで神代の話しながら笑ってる莉子にそんなの言って、傷ついた顔見たくなかったんだ。ごめんね、莉子」
恵の顔は辛そうだった。私のために、黙っててくれなんだもんね、攻めちゃいけないのはわかってる。ただの八つ当たりだ。でも…
「でも…なんで…やだ…」
舌は理性を裏切って感情に従った。そして涙はさらに溢れて来た。
「恵が!恵が言ってくれてれば、期待する前にわかってれば!こんなに傷つかなかったのに!!」
ああ、違う、違うよ。こんなこと言いたく無いのに…
「そうだよね。ごめんね!ごめんね!!」
いつのまにか恵も泣いていた。私のせいで泣いている。ああ、やっと、感情が落ち着いた。
「ごめん恵」
放課後の静かな教室に私達の泣き声ばかりが響いた。
☆ ☆ ☆
「あああああ!!!」
やっと失恋の涙だからも抜け出し、冷静になってみて気づいた。明日から宿泊学習じゃん!しかも瑛斗と同じ組だし…ううっ
「失恋した直後に3日間ずっと顔を見なきゃいけないなんて、どんな試練だ、これ…」
でも、瑛斗もそうだけど…
「亜梨沙にいつも通り接せられるかなー」
どうしても、亜梨沙に嫉妬してしまう。そりゃ、亜梨沙はちっちゃくて、可愛くて…
瑛斗が惚れるのもしょうがないけど…
「私だって自信あったのにぃーーー!!!」
色白で目が大きく背が高くて華奢…自分が人から羨ましがられる外見をしているのは、知っていた。だからこそ自信があったのだし、それと…ううっ。瑛斗と一番仲良かったのは私なのにぃ…
「あーあ、頑張れるかなー…」
荷物を詰めながら1人でぼやく…
「やーだなー…はあ…」
ピンク色の情報ノートを片手に思考を巡らせる。
瑛斗の好きな人は、同級生で手芸部、だそうだ。中1の手芸部は私を入れて四人。そのうちの亜梨沙と恵は瑛斗の想い人を知ってるらしいから、多分この2人ではない。香苗は彼氏持ちだからない…うん。やっぱり瑛斗と私って両想い?
え?そんなはずないよね?だって、瑛斗と仲良い女子なんていっぱ…私だけじゃん!!!
えー、じゃあやっぱり??両想い??ええええええ…
瑛斗に告られたらなんて返そう?
『私も好き!』?それとも、顔を赤くして頷くだけのほうが可愛いかな?
そしたら、瑛斗が私をぎゅっと抱きしめて、耳元で『じゃあ、今日から莉子は俺のものだよ』っとか!!!きゃあああ!!!
「おーい」
ん?誰だか知らんが私の妄想の邪魔をしないでくれ。
「どした、莉子?目の焦点あってないぞ」
あれ?この声は…
見上げた先に瑛斗がいた。おおう…かっこいい…
「んーっと、考え事っ!!考え事してたの!!!」
間違ってはいないだろう。妄想と言ったほうが正しいけど…
「ふーん。てことは暇なんだ?」
「ん、まーね」
ま、そりゃそーなんだけど、瑛斗のこと考えるのに忙しかったってか…
ま、リアル瑛斗の方がいいんだけどね!!!
「なら、ちょうど良かった。ちょっとさ、相談聞いてくんね?こんなの話せんの莉子だけだからさ」
っっっっ!!莉子だけだからさだって!!ううう…やばい…
「ほーう。なーに?相談て」
はー、口ではどーにか平静を保てた…
「実はさ俺、好きな子いるんだけどよ…」
それは私ですか!私ですよね!私!私!
あるよね、漫画とかで、恋愛相談されてて『で、結局好きな人誰なの?』、『っ、お、お前だよ…』みたいなみたいな!!!!
「その子、めっちゃ可愛くて、もう耐えらんなくてさ」
私が?私が可愛すぎるのね!!!んもー!!
「そんで、勢いで告っちゃったんだ」
照れながら言う瑛斗かわいいな…
って、えええ?わ、私告白されていないけれど?
「え…」
「それでさ、なんどか返事してって言ってるんだけど、その度に逃げられるんだ…」
「その、好きな人って…」
まさか、私の友達とかだったらやだよ?
「青島亜梨沙、お前の親友。だからお前に相談してんだ」
悪い予想って当たるよね…予想なんかしなきゃよかった…そうゆうことじゃないけどさ!
「あ、そうなんだ、うん。ご、ごめん、ちょっと私用事あるから…」
「え、ちょ、莉子!!」
走り去る私を瑛斗が呼び止めた、が、無視して走る。ともかく走る、走り続ける。廊下を走り抜け、玄関を出てと、走り続けた。
人気の無い裏庭まで来て、ようやく思考が復活した。
ああ私、失恋したんだ。
知らず知らずに、涙が溢れて来た。
☆ ☆ ☆
「…莉子、泣いた?目が真っ赤」
教室に戻って来たら、早速恵に気づかれた。
「うん…、私失恋した」
「っ…」
なぜか恵の顔がひきつった。
「瑛斗の好きな人ね…」
「ごめん、知ってる」
え?
「神代が亜梨沙に告白したことも、全部」
「っ、なんで?なんで言ってくれなかったの?私1人で両想いかもってはしゃいで、バカみたいじゃん!!それをなんでとなりで黙って見てたのよ!」
「ほんとは言ってあげたほうが良かったよね。でも、となりで神代の話しながら笑ってる莉子にそんなの言って、傷ついた顔見たくなかったんだ。ごめんね、莉子」
恵の顔は辛そうだった。私のために、黙っててくれなんだもんね、攻めちゃいけないのはわかってる。ただの八つ当たりだ。でも…
「でも…なんで…やだ…」
舌は理性を裏切って感情に従った。そして涙はさらに溢れて来た。
「恵が!恵が言ってくれてれば、期待する前にわかってれば!こんなに傷つかなかったのに!!」
ああ、違う、違うよ。こんなこと言いたく無いのに…
「そうだよね。ごめんね!ごめんね!!」
いつのまにか恵も泣いていた。私のせいで泣いている。ああ、やっと、感情が落ち着いた。
「ごめん恵」
放課後の静かな教室に私達の泣き声ばかりが響いた。
☆ ☆ ☆
「あああああ!!!」
やっと失恋の涙だからも抜け出し、冷静になってみて気づいた。明日から宿泊学習じゃん!しかも瑛斗と同じ組だし…ううっ
「失恋した直後に3日間ずっと顔を見なきゃいけないなんて、どんな試練だ、これ…」
でも、瑛斗もそうだけど…
「亜梨沙にいつも通り接せられるかなー」
どうしても、亜梨沙に嫉妬してしまう。そりゃ、亜梨沙はちっちゃくて、可愛くて…
瑛斗が惚れるのもしょうがないけど…
「私だって自信あったのにぃーーー!!!」
色白で目が大きく背が高くて華奢…自分が人から羨ましがられる外見をしているのは、知っていた。だからこそ自信があったのだし、それと…ううっ。瑛斗と一番仲良かったのは私なのにぃ…
「あーあ、頑張れるかなー…」
荷物を詰めながら1人でぼやく…
「やーだなー…はあ…」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる