ダンジョンチケット

９章 力の欠片

ダンジョンチケット８６

キーメイスのうけた依頼は森の中でもかなり深い場所に住むと言われるクジャナバードの捕獲依頼だったのだ。

デゥラがキーメイスに難しいと言ったのはクジャナバードを生きたまま捕獲しなければ成らないからである、クジャナバードは縄張り意識が強い上に攻撃的であるにも関わらず弱いのだ、
ただ弱いだけなら問題はないのだが、
クジャナバードは一定のダメージを追うとと体内にある毒袋を自ら破壊し自身を生け贄に縄張りを守ろうとする習性があるのだ。
しかも今回は何故かコックまで同行する事に成っているので尚更厄介な依頼になっていたのだ。

コックの名前はドレン、村の為にキーメイス達から肉を買う事で皆に安く美味しい料理を提供している。

ドレン『今回はすまない、二人に無理なお願いをしてしまって、本当にありがとう、依頼を受けてくれて』

デゥラ『構わないですわよ♪何せナッシが受けると決めたんだもの』

ナッシとはキーメイスの事である、名無しと言うこともありデゥラがキーメイスをそう呼んでいる。

キーメイス『そのナッシってやめない？なんか僕の存在が薄くなりそうだよ！』

そんな冗談を言いながら二人とドレンは森を奥に奥に進んでいく、

途中途中モンスターの襲撃もあったがキーメイスとデゥラからしたら取るに足らない事だった。
むしろキーメイス達からしたら食材が増えたと笑みすら浮かべている。

ドレン『ふ、二人は、普段からこんな事をしてたんだね、正直、び、ビックリだよ、あははは』

 ドレンはモンスターが出る度に心臓が飛び出す程驚いていたのだがそれを見て二人は笑っている。

クジャナバードの住む森までは約半日程掛かるため、三人は森で晩を明かすことにしたのだ。

料理は勿論ドレンだ。
取り立ての食材と持ってきた香辛料や調味料を使い森の中とは思えないような料理を次から次に作っていく。

二人は笑顔が止まらなかった。
ドレンの料理は村一番だとは聞いていたが１度も食べたことが無かったからだ。

キーメイス『旨すぎる！最高ぉぉぉぉ！』

キーメイスの言葉を聞きドレンもニッコリと笑みを浮かべたのだ。

そして朝を迎える。
三人はクジャナバードの住みかを探し始めたのである。