ダンジョンチケット

１２章 新たなる世界・幻想界へ

ダンジョンチケット１２０

ゲートを抜けると眩しい日の光りそして、美しい虹が拓武の視界に飛び込んできた。

空には、見たこともない鳥のような小さな竜が飛び回り、キラキラとした海には空を泳ぐ魚の群れが写し出されている。

拓武『スゲー！マジにファンタジーじゃんか！』

リトルリザード『王よ、落ち着いてください、此処は敵地なのかもしれないのですよ』

リトルリザードに言われ拓武は、反省した。

この幻想界が、本当に敵になったかどうかを調べるのが今回の偵察の目的だ。

と、言っても？見渡す限り海！

拓武『参ったな？まさか本当に海しかないとわな？』

バーダ『私に任せて、風に聞いてみるわ』

そう言うとバーダは、風の音を聞きゆっくりと風の声を探し出した。

その姿は何処か会話と言うより、唄っているように見えるから不思議だった。

バーダ『わかったわ、この先に小さな島が在るみたいなの、人もいるらしいわ』

拓武『人って？人間って事か！』 

バーダ『何とも、言えないわね？この世界の人が、どの種族を指しているか分からないわ』

リトルリザード『どう致しますか？向かうならば直ぐにボートを向かわせますが？』

拓武『此処にいても仕方ない、向かおう』

拓武の言葉に2隻のボートは島を目指すことになったのだ。

ボートを進めると確かにバーダの指した方角に島があった。

だが、此処までくるのに、一時間もの時間を使ってしまっていた。

拓武『不味いな、三時間じゃ、やっぱりキツかったな？』

困った顔をする拓武にキーメイスが声をかけた。

キーメイス『ご主人様？帰りは大丈夫だよ！僕の取って置きがあるから！安心して』

自信満々のキーメイス、以前なら不安だったが、今のキーメイスの言葉は安心できる。

拓武『なら帰りは任せるよ。さあ！島に上陸だ！』

島の海岸にボートをつけ、９人中２人のリトルリザードがボートを見張り、残りの７人で島の中を探索する事となった。

拓武『しかし、何でさっきは海しか見えなかったんだ？こんな距離なら見えていいはずなのにな』

バーダ『拓武、島が怖がってる……』