ダンジョンチケット

１４章 種族と理由

ダンジョンチケット１６８

一晩ゆっくり眠れた。
そんな中、拓武はある種族の事を知りたくなっていた。
其れは『アイヨロス族』だ。
アイヨロスはアインの命令で冥界のクルガナクルムに攻めてきた種族だ。

顔が猫で体が人間という種族で身体能力に関しては脚力が異常に発達している。
武器はレイピアといった、細身の剣や弓等を愛用している。

考え事をしていると、モシュネが拓武を呼びに来た。
「主様、朝食の用意が整ったようです。此方へどうぞ」

モシュネに案内されたテーブルに料理が並ぶスルトは拓武達用にイスの座る部分を調節したと特別な椅子を並べた。
皆で朝食を囲みながら、拓武はスルトにある提案をした。

「スルト王、頼みがあるんだ、アインに加担した種族を教えてくれないか」
拓武の言葉にスルトはナイフとフォークを置いた。
「スルトで構わん、それより拓武、何故アインに加担した種族を知りたいのだ？」
スルトは拓武が冥界に進軍したアインを許せずに要ることは理解していた。
それに加担した種族を全滅させると言い出しても可笑しくないだろうと考えていた。
その気になれば、拓武の周りにいる者だけで実行出来る戦力と実力があった。

「スルト、俺は幻想界の事を知らなすぎるんだ、アインに加担した種族にも理由がある筈なんだ。其れを調べないと同じことを繰り返すばかりになる、それじゃダメなんだ、そうならない為に俺は知りたいんだ！」
拓武の真っ直ぐな目はスルトに嘘偽りが無いことを語っていた。

「わかった、ならば調べようではないか、しばし時間をくれ拓武よ」
そう言うとスルトは直ぐに部下達に情報収集を命じたのだ。
其れは拓武からスルトへの初めての命令であり、スルトが其れを受け入れた時点で本当に幻想界は拓武の支配下に在ることを幻想界すべての種族に知らしめる事となった。