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１４章 種族と理由

ダンジョンチケット１６９

アインが一時的に幻想界を手にした際にアインの配下についた種族。

“アイヨロス族”  “飛竜族”  “竜人族”  “ウッド族” “ゴブリン族” “大昆虫族” “オーク族”

その他に各種族の下につく少数の種族達も含めると３０程の種族が一時ではあるが、半期を翻した形になる。

スルトも此処まで多くの種族がアインに従う等あり得ないと頭をなやませる。
考えてもいなかった種族の名前もあり、スルトは事態の深刻さを感じていた。

スルトが予想だにしなかった種族の１つは竜也こと、リュトルの“竜人族”そしてもう１つ、“大昆虫族”であった。

“大昆虫族”と言っても只の大きな昆虫と言うわけではない。
“虫ビト”と言われる人形の昆虫である。
虫ビト達は、人間のように村を作り平和に暮らす種族であり、アインの下につくような種族ではない。

平和を手に入れる為に戦うこともある種族であるが、巨兵族とも今まで争うことなく過ごしてきた彼等、大昆虫族がアインの配下になるなど想像が出来なかった。

しかし、現実はそうではなかった。
アインは拓武達に敗北後、知界に急ぎ戻ると戦闘準備を急がせた。
既にアインは幻想界がどうなろうが関係無かった。
アインの底知れぬ怒りは拓武達に向けられ、着々とアインは復讐の為だけに知界の戦力を幻想界のゲートの前に集結させていたのだ。
「待っていろ冥界の王よ！知界の王を怒らせた事を後悔させてくれよう！」
アインの怒りに満ちた表情と言葉が知界に響いていた。

アインの企みなど、まったく気にもしていなかった拓武達は先ずは森を支配している“ウッド族”の王と会うことにした。
スルトが幻想界を支配していた際はウッド族に王などと言う存在はいなかった。

アインは王がいない種族には王を与え。
王が居ても従わない場合は始末することで自分に従う種族を増やしていったのだ。
そして、ウッド族の新たな王は、自分の手に入れた立場を手放す気はなかったのだ。