ダンジョンチケット

１５章 知界

ダンジョンチケット１８３

アインの書き記した其れを読み拓武は次のページを捲るのを躊躇った。

「御主人様、続き見ないの？」
ネクロは、余り意味が分かっていないようであった。
拓武からすれば、この先は多分、Ｂ級ホラーの様な内容だろうと想像した。
しかし、Ｂ級ホラーとは、駄作だからと言うわけではない、現実に起こり得ないからこその話だ。

しかし、アインは其れを現実に実行していた。

拓武は、次のページを捲る。

王の命令に従わず、一週間の内に姿を現さなかった者を全て第一実験体として拘束する。
王を操り、全てが思いのままだ。兵士達も寸なりとその命令を受け入れた。
私のモルモットが増えたのだから今日は祝杯だ！


其れから何日かは失敗の文字だけが荒々しく殴り書きされていた。

しかし、数ページ先には、成功の文字が書かれていた。

拓武はそのページに目を通した。

私は遂に成し遂げた。
今から知界は生まれ変わる、この私ので。
明日には全ての準備が整うだろう。

拓武はページを捲る。

モルモット達は無事に体内のチップから指示を受けられるようになった。
知界を覆うように張り巡らした電波塔によって知界は私の物となる。

最初は王宮を支配する。
もう此所に来ることはないだろう。
いつか！全世界を手にいれるのだから。
そして、今、私は知界を手にいれた。


そう書かれ、日誌は終了していた。