ダンジョンチケット

夏カボチャ

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15章 知界

ダンジョンチケット188

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拓武はスルトの言葉が気にかかったが、取り合えずその日は休むことにした。

そして翌朝から、ゲートの中に入るメンバーを再度選び直した。

スルトからの強い要望でスルトを含め、モシュネ、キーメイス、と言った主力のメンバーを連れゲートをくぐった。

しかし、拓武の眼に入ってきたのは驚くべき光景であった。

一晩でゲートの前に散乱していた機械兵や、船の残害が無くなっており、街に続く道が完成していた。

そして、拓武達が街に到着する。

街に機械人達が溢れ活気があるその光景は1日前の廃墟とは思えない変わりようだった。

拓武達が驚きを露にしていると、正面の道から、ナノが姿を現した。
機械人達が次々に膝をつく光景は、まるで映画のワンシーンの様であった。

「拓武、約束を果たしてくれたのですね。ありがとう」

そう言うとナノは会釈をして見せた。

スルトはその光景に驚いていた。
何故なら機械人は自分達を一番に考えるそれ故に、他種族を軽んじるからだ。
しかし、ナノは拓武に会釈までして感謝を現したのだ。

「スルト、お久しぶりですね、また会えた事を嬉しく思います」

「本当にナノ王の様だな?死んだと聞いたが、よくぞ健在であった」

そう言うとスルトは頭を下げた。

一通り挨拶を済ませる。

「ナノ?機械人達は元に戻せたのかい?」
拓武の質問にナノは頷いた。
「バックアップしてあった記憶を再インストールさせたのです」

拓武以外は何の話か、まったく理解できていなかった。

「ご主人様、何いってるか僕にはわからないよ。何かの暗号?」

キーメイスがそう言うのも無理はなかった。
地球が科学を進歩させたからこそ、そう言った言葉が理解できるからだ。
しかし、拓武自身驚いてもいた。

「まさか、地球と同じ言葉や呼び方をしてるなんて、ビックリだな」

それを聞いてナノは不思議そうに首をかしげた。

「人間界に与えた知界の知識が根付いてるのは理解しました。しかし、知界の事は皆が知らないと言う事ですね」

ナノは拓武に人間界にナノ達、機械人が科学の基礎を記したデータを渡したことを伝えた。

機械人と人間界の繋がりが明らかになったのだ。
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