ダンジョンチケット

夏カボチャ

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16章 人間界にて

ダンジョンチケット201

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拓武は悪魔と呼ばれた瞬間に何故か懐かしさすら感じてしまっていた。

「確かに悪魔かも知れないな、でも俺を此処まで変えたのも人類なんだよ!」

拓武がそう叫ぶと引き金に掛けられた男の指が震えた。

以前も感じたただならぬ恐怖が再度、男の中で膨張していく。

「お前を今ヤらなければ!人類の恐怖になる!うおぉぉぉ!」

男が覚悟を決めた瞬間、一筋の閃光が男を包み込んだ。

「ご主人様!大丈夫?」
其れはキーメイスの放った一撃であり無論男の姿はこの世には無かった。

「大丈夫だ、すまない。キーメイス」

「ご主人様は、人間に優しすぎるよ!人間の方が魔族よりずっと危ないんだからね」
キーメイスの言葉に拓武は何と答えたらいいかわからなかった。

辺りを見渡せば、隊長を失った人間達が我先に逃げようと必死になり、中には只銃を乱射して叫ぶものの姿まであった。

世界を支配していた人間は既にいないと拓武に突き付けるような光景であった。

それから10分足らずで戦闘が終了する。
逃げた人間の追撃を禁止し、拓武は皆を周りに集めると大声で話始めた。

「皆すまない、俺のワガママで戦わせてしまっている、だが、あと少しで目的地に辿り着くんだ、頼むもう少し力を貸してくれ!頼む」

そう拓武が口にすると皆が笑う。

「拓武?あんた柄にも無くそんな事気にしてたの?大丈夫だよ!自信持ちな!此処にいる連中は皆アンタの事を理解して勝手についてきてるんだ」

バーダがそう言うと皆が頷いた。

拓武の目指している場所は魔族のテリトリーの丁度、日本列島の関東に位置する東京であった。

東京こそが拓武達の住む街であり、和羽を最後に見た場所である。

拓武はどうしても自身の眼で確かめたかった。
そして今、どうなっているのかを知りたかった。

「主様、皆は主様と共に歩む覚悟は出来ているのです、むしろ止まられては皆の気持ちに失礼かと」

「ありがとうモシュネ。皆、すまない。少し考えすぎてたみたいだ」

だが、結果として皆の気持ちが更に強くなる事となった。

そして拓武達の真の目的地にである東京まで残り半日の距離まで近づいていた。

東京では、拓武達の到着をプレマディウスが心待ちにしているとも知らず、拓武達は更に移動速度をあげるのであった。
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