ダンジョンチケット

夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット212

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拓武はガザ=アッサルを握る手に力を込める。
サブナックは拓武の表情を見てから直ぐに両手に剣を持ち、馬を一気に走らせた。
まるで青い閃光の様に拓武に真っ直ぐ向かうサブナックの両手の剣が左右に広げられると凄まじい速度と共に拓武の首目掛けて刃を振りかざす。

拓武が片方の剣をガザ=アッサルで受けると直ぐ、もう一方の剣が斜め下から拓武を襲い掛かる。
直ぐに片手をガザ=アッサルから離しメビウスの弓を盾に変え防御する。

「やるじゃないか!だが!力不足だ、俺の剣を止めるには1000年早い!ウオォォォ」

凄まじい力で両方から斜めに迫る刃はまるで鋭い刃を持った万力の様に拓武を押し潰さんと徐々に力が強くなっていく。

「くッ!、なんて力だ!」

「まだまだ!俺の剣がお前の胴体と下半身を分けるその瞬間までやめぬぞ!もっと苦しめ!ガハハハ」

「このサディストが!でも、よかった。お前みたいな奴なら容赦なく倒せる」

「俺を倒す?ガハハハ尚更、面白い!殺れるものならやってみよ!」

拓武は直ぐにメビウスの形を変化させた。
メビウスの盾の部分でサブナックの剣を挟むようにすると更にもう片方に同じように剣を挟む。
サブナックの両手に握られた剣がメビウスに挟まれると拓武はメビウスを左右に伸ばした。
サブナックの両手が一瞬で大の字に開く。

拓武は言葉を発する事なく、ガザ=アッサル握る手に力を込め、一気に突き立てた!
しかし、その槍はサブナックを仕留めるには至らなかった。
拓武の槍はサブナックを捉えていた、そして確実に仕留められる筈だった。
拓武の一撃に即座に反応したのは青い馬であり、一気にその身を振り上げるとサブナックを庇うようにして拓武のガザ=アッサルをその身に受けたのだ。

槍は青い馬の心臓を突き立てた。
その場に倒れる青い馬、その背から振り落とされたサブナックは直ぐに青い馬に駆け寄り生きているかを確める。
その目には一筋の涙が流れていた。
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