ダンジョンチケット

夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット215

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フルカッスの鎌がギルガデムに向けられる。
ギルガデムは其れに対して巨大な剣と盾を構えると大声をあげた。 
「ナノ!直ぐに来てくれ!解毒剤が必要なのだ!」

其れを聞き直ぐにナノがドーム内に向かおうとする。
しかし、ナノの周りに魔族の群れが一斉に襲い掛かり行く手を阻む。
モシュネもナノを中に送ろうと必死に援護するも空からの攻撃の手は緩むこと無く、更にその勢いが増していく。

そして、ギルガデムが声をあげると同時にフルカッスの猛攻が開始される。
凄まじい速度で振り下ろされる鎌がギルガデムの盾にぶつかりる。
ギルガデムの手に盾を通してのし掛かる鎌の重圧感はギルガデムから余所見をする余裕を一瞬で奪うと更に力強くギルガデムに対して攻撃を繰り出し続けたのである。

「どうした!さっきまでと違い余裕が無いではないか!身の程を弁えたか蜥蜴よ!」

フルカッスの鎌がギルガデムの盾と擦れ“ガチガチ”と金属音をならす最中、ギルガデムの片手に握られた剣がフルカッスに向けて振りかざされる。
しかし、液体になったフルカッスの体には傷ひとつ付ける事は叶わなかった。

ギルガデムの額から汗が流れるのを見てフルカッスが下卑た笑みを浮かべる。

「気に食わん笑い方だ!だが、一つ理解した!余り使いたく無いが仕方ない」

そう言うとギルガデムがフルカッスの大鎌を盾で力任せに弾く。
そして、剣を投げ捨てると直ぐに服の中から小さな瓶を取りだしフルカッスの体内に瓶を握り締めた拳を叩き込む。

「悪いな勝負はお預けだ!魔法の小瓶よ!この者を中に! 」

フルカッスの体内に入り込んだギルガデムの手に握られた小瓶へとフルカッスの肉体が吸い込まれていく。
更にフルカッスの力を奪うために小瓶は二本握られており、フルカッスは両方の小瓶に分担されて封印されたのである。

そして、拓武とサブナックの戦いも激しさを増していた。
サブナックの血刀は拓武のガザ=アッサルに襲い掛かり凄まじい速度で繰り出される斬撃は拓武に一瞬の隙すら与えない。

「さあ!我が前に膝まずくがいい!そして命乞いをしろ!そうすれば1000回肉体を斬り刻んだ後に楽にいかせてやる!」

「ありがた迷惑だ!サブナック、お前みたいな奴が偉そうに喋るなァァァ!」

互いにぶつかり合う怒りと怒りは更に激い攻防戦に突入していく。
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