ダンジョンチケット

夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット217

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拓武が炎に包まれサブナックと共に姿が消えた瞬間ギルガデムは自身の目を疑った。
「王よ……!王よ!」
ギルガデムが駆け寄るが既に地面には炎は無く、全てが散りに変わってしまったかのように黒い煤が残るのみであった。

「何故、何故だぁぁぁ!こんな……」

ギルガデムの叫び声がドームの中にこだました。

外でドーム内の異変に気付き、ナノとモシュネが空の魔族を振り払いドームの中に突っ込んできた。

膝から崩れ落ちるギルガデムの姿を見たモシュネは顔色をかえた。

「おい、ギルガデム!王は、主様は何処だ!」

その問いに反応しないギルガデム。

「ギルガデム!答えろ……主様は!王はどうした!」

ギルガデムの眼には涙が流れていた。

「すまない、すまない王は……」
 
直ぐにモシュネは理解した。

「ふざけるな、お前がいながら!何故こんな事になった!答えよギルガデム!」

モシュネの言葉に返す言葉が見つからないギルガデムは只、うつ向いていた。

そんな時、ベルゼが口を開く。

「いちいち騒ぐな、耳障りだ。一人やられただけの話だ、お前らも散々遣ってきただろ?」

「ふざけるな!主様は大切な御方だ!貴様に何がわかる」

「わからねぇから、この話はやめないか?お前らは王様が居ないと何にも出来ないのか?」

ベルゼはまるで興味がないといった表情でそう言うとアクビをした。

「主様は素晴らしい御方だ!侮辱は赦さん!」

そう言いモシュネがベルゼに向かい突っ込んでいく。

「止めよ、モシュネ様!無闇に突っ込んでは駄目だ!」

ギルガデムの言葉は既にモシュネには届いていなかった。

そしてモシュネの鋭い刃がベルゼに触れようとした瞬間にベルゼは下卑た笑みを浮かべる。

「良いねぇ!女は威勢が大切だ!たが、まだまだ遅い、そして甘い!」

モシュネの腕を掴むとベルゼは力任せにモシュネを地面に叩きつける。

「ガハッ!」

モシュネが叩きつけられた瞬間ベルゼのより楽しそうに笑みを浮かべる。

「ヒャハハハ、良いねぇ!良いねぇ!此こそが戦いだ!憎め、恨め、そして全てをさらけ出せ」

ギルガデムとナノは即座に次元が違うと感じた。
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