ダンジョンチケット

１７章 魔王と冥王

ダンジョンチケット２２２

拓武は赤と黒の羽に動揺しながらも仲間の戦う戦場を目指した。

その頃、拓武の復活を知らないギルガデム達はバティーン達と共に再度ベルゼに戦いを挑んでいた。

「ウオォォォ！一気にベルゼを叩く。皆、他の魔族に構うな！進めぇぇぇ！」

ギルガデムの指揮に皆が従いドームに向けて走り出した。

バティーンがベルゼに向かい特攻を掛ける。
その道を塞ごうとする魔族に対しプレマディウスがバティーンの前を先行し全身の欠けた刃を振るいながら道を切り開いて行く。
ベルゼの前に走り込んだバティーンの手に握られた剣がベルゼに向けて突き出される。
「ベルゼぇぇぇ！覚悟ォォォ！」
バティーンの剣が真っ直ぐにベルゼの首に向けて突き出された。

「相変わらず、詰まらない剣だ、残念すぎるんだよォォォ！バティーン」

ベルゼが突き出された剣を口で噛み止めた。
バティーンの全力の剣を止めたベルゼが不適に笑い片方の手でバティーンの剣を握りへし折った。

「っな！私の剣が」
バティーンの予想を遥かに超えるベルゼの力、バティーンは一瞬 躊躇ったが覚悟を決める。

「すまないプレマディウス…… お前の力を貸してくれ」

魔族と戦うプレマディウスがその言葉に反応し、即座にバティーンの側に向けて走り出す。
「バティーン様、自我を持ちお仕えできて幸せでした。どうか御武運を、冥界の王に代わりベルゼ打倒を御旗しくださいませ」

「本当にすまない…… プレマディウス！我が手に帰れ！お前の事は忘れぬぞ……」

「有り難き御言葉、プレマディウスは幸せです」

プレマディウスの体から外装が崩れ中から一本の剣が姿を現すとバティーンは其れを確りとその手に握った。