ダンジョンチケット

夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット231

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バーダは拓武の部屋をあとにした。
拓武の顔をこれ以上直視出来なかったのだ。
バーダは自身の部屋に戻り涙を流した。

ーー何で…… 私じゃ駄目なんだ、アイツが辛いときに側にいるのは私なのに……

バーダの悲痛な想い、そんな想いを口に出来ないもどかしさと、死者に対し嫉妬をしている自分がバーダは嫌だった。

ーーらしくないな、顔でも洗って気持ちをきりかえるしかない、私は拓武の槍なんだ。ガザ・アッサルにまで負けたら悲しすぎるからね

「よし!いくよ!私」
そんなバーダの背後から物音がする。

「誰かいるのか!」
「あら、バレちゃった。まぁいいや」

そこには、顔が豹の女がいた。

「獣人か?」っとバーダが口にすると豹女が笑ていた。
「私が獣人?私はシトリー、魔界を支配する悪魔族の一人」

その言葉にバーダが身構える、しかし、シトリーは既に横にいた。 

「素直になりなさい? 貴女は私が必要なのよ。私なら貴女の願いを叶えてあげれるわ。欲しいものをあげられる、愛も男も貴女が大切に思う王も全て貴女が望むままになるのよ」

「だ、だまれ…… 私は何も望まない…… 私は拓武の……」
「貴女がなりたいのは槍なんかじゃない、貴女望むのは、王の為の女、そして、愛される立場、叶えてあげる?」

バーダの理性が崩壊していく感覚を感じながらバーダは抵抗出来なかった。
ーー違う…… 私は私は…… 

「貴女の抵抗は無意味よ?だって王を愛してる貴女が自分の心を偽るかかぎり、心にある真実は表に出たがるのだから」

バーダの眼が段々と視点が定まらなくなり、立ってるのがやっとな程の体の疲労感に教われ膝から崩れ落ちるバーダ。
そんなバーダを優しく抱きしめるシトリー。
「素直に言いなさい?貴女は王がほしいのよね」
「私は…… 拓武がほしい……」

「拓武って言うの?ふふふ、拓武君が貴女の物にならないならどうする?」

「イヤだ…… 聞きたくない…… 考えたくない」
バーダの素直な反応を見てシトリーが優しく微笑んだ。

「大丈夫よ、いい方法を教えてあげるわ、まぐあうの…… 本能のままにね」
「本能のままに……」
「貴女の物にしなさい、拓武君の魂を切り取っても自分の物にするのよ?いいわね貴女なら出来るわ」

バーダの心を操るようにシトリーがそう言うとバーダはゆっくりと部屋を出ていったのであった。
「ふふふ、素直が一番よ」
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