ダンジョンチケット

１７章 魔王と冥王

ダンジョンチケット２３８

拓武は、ベルトを部下にしたことにより、魔界に安息の地を得る事になった。
ベルトに魔界の地図とシトリーの居場所を尋ねるとベルトは、直ぐに地図を広げ拓武の現在地であるベルト領からシトリーの支配する領土までを拓武に説明する。

「拓武様。シトリーの支配する幻魔の森までは一度、誘いの洞窟を通る必要があります。この空飛ぶ魚では、残念ですがシトリーの元には行けません」

「そうか、ベルト？馬はどれくらい用意出来る」

「今、馬を集めておりますが、なにぶん、急な事ですので、中々に難儀しております、今の時点で五分の一、申し訳御座いません」

ベルトの話とバティーンの話を照らし合わせた結果、やはり陸路を進む他なかったのだ。
ベルトの支配するベルト領は雷が一年中やむことの無い土地であり、どちらにしても空クジラを飛行させるのは得策ではないと皆で判断したのだ。

そんな中、バティーンが地図のある箇所を指差した。

「この街ならば、馬が大量にいる、それに簡単に占領できる筈だ冥界の王よ」

「そこには、詳しいのかバティーン？」

「詳しいも何も、元の私の領地だ、そして今はヴァサゴの支配する土地の一つになっている」

拓武は悩む事なく即決した。

「なら、バティーンの土地も取り戻して、馬もゲット出来るわけだね、最高じゃないか」

拓武の返答に皆が笑う。
余りに呆気なく決める拓武に皆は呆気に取られながらも間違いなくやり遂げると信じていたからだ。

そして、拓武の指揮により、元バティーン領への攻撃作戦が開始されるのであった。