ダンジョンチケット

夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット239

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ベルト領から元バティーンの領地までは馬で丸一日の距離にある。

拓武達は先ず、空クジラが余裕で通れるように元バティーン領つまりは、現ヴァサゴ領迄の道を風魔法を使い、一気に切り開いていったのだ。

空クジラが通るためだけの道なので、整備などする必要はないく、只ひたすらに風魔法を使い切り開かれていく森の姿にベルトは驚愕したが、後の領地までの道の整備を約束しベルトは、なくなく了承した。

拓武達は2日程で道を切り開くと空クジラの大群が一列に並び移動を開始する。

拓武達は、そこから更に2日かけてヴァサゴ領から遠くない位地に陣を作り攻撃に備えた。

その日の夜、拓武達の陣に向けて凄まじい数の足音と無数の獣を連れた男達が近づいて来ていたのだ。

それは突然の事だった。

見張りもナノすらも気づかない内に本陣の手前まで進行されていた。
そして、拓武が一人此れからの事を考えている部屋の中、突如声がした。

「御初に御目にかかります、冥界王、矢竹拓武様」

その声に拓武は驚き、振り向くと一人の老人が其処に立っていた。

「誰だ、どうやって此処まで来た!」

拓武が居たのは空クジラの最上階にある一室であり、簡単には来れない筈の場所であった。

「そんなに警戒しなさるな、冥界王よ、私は敵ではありません」

そんな一室の中に誰にも見つからず入ってきた老人に警戒するなと言う方が無理であった。 
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