ダンジョンチケット

夏カボチャ

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17章 魔王と冥王

ダンジョンチケット240

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拓武を前に微笑んで見せるヴァサゴは、ゆっくりと指をたてる、そして外を指差した。

拓武は、警戒しながら外に一瞬目を向けた。
其処には、無数の小さな炎と大量の馬が確認できた。

「冥界王、私は敵ではない、我名はヴァサゴ、魔界の王の為、馳せ参じました」

「どういう事だ! お前はベルゼの部下ではないのか」

拓武の問いにヴァサゴはあっさりと「違います」と答えたのだ。

「私はベルゼの死を予言した占い師のような者に御座います」

ヴァサゴは、拓武にベルゼの死を予言した事、それを聞きベルゼが「運命を捩じ伏せる」と言い人間界への攻撃後もその場に残る事を決めた事などをゆっくりと話したのだ。

「そろそろ、冥界王の部下が走ってきて私を見つけてこう言います「貴様は誰だ! 何をしている!」とね」

それから直ぐであった。

廊下を慌ただしく駆けてくる足、拓武の部屋の前で止まり、ノックもせずに慌てて部屋にギルガデムが入ってくる。

「貴様は誰だ! 何をしている!」

拓武はその状況に驚きながらも、慌てるギルガデムを止める。

「ギルガデム、いいんだ、少し話したら直ぐに行く、扉の前で待っていてくれ」

「く、しかし…… いや、わかったしかし何かあれば直ぐにドアを突き破ってでも中に入るからな」

拓武が頷くと、ギルガデムはヴァサゴを睨み付けてから外に移動した。

「話を聞きたい、手短に頼むヴァサゴ」

「良い判断です。冥界王」

そして、拓武とヴァサゴは要点を話し合ったのだ。
ヴァサゴの出した条件は拓武の魔界の支配と統一であり、それを約束する代わりに大量の馬を提供すると言う物であった。
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