ダンジョンチケット

１８章 霊界と天界

ダンジョンチケット２７５

　拓武の攻撃を受け止めるポセイドン。その周りを円を描くように集まりだした船から次々に透き通る矢が拓武とポセイドンに向けて打ち出されていく。

「っ！　有り得ないだろ！　何でポセイドンも居るのに射ってくるんだ」

　拓武が必死にポセイドンとの押し合いをする最中に始まった攻撃は激しさを増していく。
　避けながらも力を抜けない状態の拓武に次々と矢が掠め、次第に体中に傷が増えていく。

　拓武の辛く険しい表情を下卑た笑みを浮かべながら楽しそうに眺めるポセイドンは、同様の矢を食らいながらも傷一つ負っておらず、更に激しく矢を放つように声をあげたのだった。

「お前に勝ち目は無いんだよ！　人間が偉大なる神ポセイドンに逆らえばどうなるか、その無知な頭に教えてくれるわ！　ヤレィィィ！」

　矢と同時に撃ち放たれた透き通る鎖が拓武の動きを更に困難にする。

「何なんだ！　何でポセイドンには当たらないだ」

　冷静さを失い始める拓武。

「たく見てらんねぇな！　簡単な話！　打った切れびばいいだけだ！」

　拓武の体に巻き付いた鎖が煙を上げて塵になっていく。

　サブナックとベルゼ、更にキーメイスとナノが拓武と竜也の元に駆け付ける。

「さぁ、ご主人様。あのポセ何とかを倒しましょう！　って事で吹き飛べェェェ！　ホルボロス！」

　キーメイスの凄まじい攻撃が容赦なく神海の船目掛けて撃ち放たれ、更にサブナック達が激しく応戦を開始した。

　それと同時に、空クジラが次々に角度を下向きに変えるとケートス目掛けて砲撃を開始したのだ。

　左右に展開するように円を空中に描く空クジラ達、オクシードが中央を、右をモシュネ、左をギルガデムが指示をだし、拓武が自由に動けるようになったのを確認し、ケートスから距離を取るように後方に移動していく。

　ケートスは、空クジラが後退する様子を見て神海に浸かっている体を円を描くように収縮させる。
　そして、竜也の激しい攻撃が連打される最中、バネが外れたように荒々しく竜也もろとも、空クジラに襲い掛かった。