ダンジョンチケット

夏カボチャ

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19章 月界の長と凍結の支配者

ダンジョンチケット311

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 全てが終わる……皆がそう考え結末を待つ中、それは起きた。

 肉体を無惨に噛み千切った拓武、そして絶命したかのように動かなくなるアース。
 全ては終わる筈だった。しかし、アースの執念とその力は新たなる肉体に移り、それは更に強大な物となる。

 アースが噛み千切られて直ぐに沈黙したヨルムンガルド、しかし、その沈黙は長くは続かなかった。
 突如動き出したヨルムンガルドの額から姿を現したのはアースであった。それはヨルムンガルドと一体化し、更にその巨大な体を使い一気にスルト達を吹き飛ばした。

「タァクゥムゥゥゥ……!」

 そして……アースは拓武に対して光を噴射すると拓武が包まれていた暗闇の霧が一気に吹き飛び、フェンリルであった拓武の肉体が人の形に変わっていく。

「拓武ゥゥゥ……ボクの勝ちだ……!」

 ヨルムンガルドと一体化したアースとフェンリルの力を失った拓武、戦況は逆転し更に言うならばピンチとなっていた。しかし、皆は拓武を信じ希望を捨てなかった。
 全ては王と共に! と、皆がそう口にする。

 意識を取り戻した拓武は自分の状況が分からず困惑するも即座に敵であるヨルムンガルドとアースの姿を確認し立ち上がる。

「アース……終わらせよう! 今からお前に最後のプレゼントをくれてやる!」

 拓武は全ての仲間を体内に消化したヘルとヨミの魂を使い復活させたのだ。

 竜也、キーメイス、ブレイン、マナコ、ベルト、数多くの死んでいった仲間達が復活し、グランガイム、モシュネ、ギルガデムの姿もあり、ヘルゼとサブナックも自身の肉体を取り戻したのだ。

 皆が訳がわからないと言う表情を浮かべる中、更に拓武が復活させた存在がいた。
 戦況を覆すように姿を現した大軍を前にアースは顔を歪めた。
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