のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

文字の大きさ
58 / 118

とりあえず、寝てなさい!・・・2

しおりを挟む
 ダンジョン【屍人の楽園】名前から察するにアンデッドタイプやゴーストタイプが主なモンスターだと予想している。

 基本物理攻撃を得意とするラクネやホーネットからすると、厄介な相手になるかもしれないわね。

 キングのゴブリン軍団も今回は苦戦するかもしれないわね。

 幾つかの予想が頭の中で想像されていく。

 しかし、入らなければ、何も始まらないのも事実だ。

「相変わらず、不気味な光ね……ダンジョンって、どれもこんな感じなのかしら」

 私の呟きに、頭の上から返答が返される。

「ダンジョンなんちゅうのは、マスターが居れば、落ち着くもんじゃい。
 これ程にオーラが飛び出しちょるっちゅうのは、不安定の証じゃい」

 つまりは、暴走しかけな感じなのね、ガレルの町の地下にこんな危ない物があるなんて、本当にとんでもない町ね。

 「どうするんじゃ? ちびマスよ、このまま放置しても、儂らには、問題ないとは思うがのぅ?」

「冗談、せっかくゴミ掃除してあげたのよ? 最後までやりきらないと消化不良になっちゃうわ」

「ほんに、変わりモンじゃのぅ、まぁそれが、ちびマスの考えなら儂らは従うだけじゃけぇのぅ」

 ガマ爺は、改めて座り直すと軽く頷く。

 ダンジョンの入口には、西洋風の黒く錆まみれの門があり、軽く触れると簡単に壊れる程、風化している。

 ベラムは、ダンジョンの存在を知っていたが、内部を調べたたりはしなかったのだろう。

 理由は分からないが、今現在の状況がそれを物語っていると思う。

 ダンジョン【屍人の楽園】内部へと入って行く。

 ダンジョン内部は薄暗く、地下水路の中であるにも関わらず、月を思わせる丸い光が天井に浮かんでいる。

 地面は僅かに湿っており、無数の石が配列を組むように並べられている。

 明らかな墓場を思わさする作りに私は、懐かしいホラー映画を思い出していた。

 噛まれたら、ゾンビになるやつだ、流石に噛まれて感染するような事はないだろうと願いたい。

 その考えを調べるチャンスは直ぐにやってくる。

 私達の目の前に突如、空間に黒い渦が出現する。
 
 その場に止まると、黒い渦が裂かれるように内側から亀裂が入り、巨大な鎌を手にした黒いローブを纏った骸骨が姿を現す。

「肉体のある者よ……立ち去れ……此処は肉体のある者が居ていい場所ではない」

 ダンジョンの忠告? つまり先に進まなければ、生きて返すって意味かしら?

 まぁ帰る気は無いけどね。

「はっきり言うわよ! 私達は進むわ!」

 私の発言に、骸骨が身を震わす。

「忠告はしたぞ。思い上がりし者よ……屍人の楽園の住人になるがよい……我が名はヘルリーパー、この階層を任されし魂を狩るものだ!」

 ヘルリーパーが両手を広げ、黒いオーラが全身から放たれると、墓石から次々にアンデッド達が姿を現す。

「面白いじゃない! アンタの手下と私の仲間、どっちが有能か教えてあげるわ! 行くわよ」

 単純にホラー映画ね。でも面白いわね、本当に映画がの主人公になった気分だわ。

 数百人のアンデッドを前に最初に動いたのはラクネであった。

「御館様の御前ッ! 全力で殺らせて頂きますッ!」

 ラクネの両手が紫色の魔力に包まれ、それが絹の糸となり、両手から一気に伸ばされる。

 ラクネが瞬足で駆け出すと同時に、墓石ごと、アンデッド達を切り裂いていく。

「手応えが無さすぎる……何故か、残念です」

 一緒の出来事に、ヘルリーパーの動きが止まると、その隙をついて、キングがヘルリーパーに戦斧を斬りつける。

「余所見とは、余裕だな!」

「ぬわああああ!」

 キングの一撃が、ヘルリーパーを地面に叩きつけると同時に鎌を握っていた腕が吹き飛ぶ。

「くそ、こんな敗北があるとは……だが、永き日々に終わりが来る日が来るとはな」

 死を受け入れるヘルリーパーの姿に私は少し同情すら感じる。

「アンタさ? 諦めれの早くない、凄く詰まらないんだけど、それにさ? 協力するなら消さないであげるわよ?」

「情けなど不要だ、死を経験するのは悪くない」

 話が進まないわね? まぁいいわ。

「とりあえず、アンタは負けたんだから、死ぬのなんの言ってないで、敗北を認めて黙って、とりあえず、寝てなさい!」

「とりあえず、寝ていろか……本当に不思議な奴だな……ならば、一つ忠告だ。最下層には、マスターになろうとしている奴がいる。気をつけろ」

「待ってなさい! アンタとは後でもう少し話したいからさ」

 ヘルリーパーは不思議そうにキョトンとしている。

 この階層での戦闘はアッサリと終了する。

 ヘルリーパーの案内で二階層へと降りる階段に辿り着き、私達はそのまま、下に降りていく。

 二階層への階段へと移動するまでの間、ヘルリーパーから、このダンジョンが5階まである事が分かった。
 各階層には、やはり階層主が存在しているらしいので、注意もされた。

 ただ、負ける気しないのよね? 油断大敵なんて言葉もあるけど、長い物には巻かれろって感じに一方的なお仕置きタイムにしてあげるわ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる

書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。 鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。 だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。 その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。 俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。 ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。 なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!

最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ
ファンタジー
何をやってもうまくいかなかった前世。人間不信になってしまった超ネガティブ中年。そんなおっさんが転生時に見つけてしまった「不死」という能力。これで悠々自適なスローライフが確実なものに……。だがしかし、最強のチート能力であるはずの「不死」は理想とはかけ離れていた。 『え!?なんでワカメ!?』 うっかり人外に身を落としてしまった主人公。謎の海藻から始まる異世界生活。目的からかけ離れた波乱万丈の毎日が始まる……。 いくら強くなっても不安で仕方ない。完璧なスローライフには憂いがあってはならないのだ!「創造魔法」や「寄生」を駆使して生き残れ! なるべく人と関わりたくない主人公が目指すは「史上最強の引きこもり」 と、その道連れに史上最強になっていく家族の心温まるほっこり生活もお送りします。 いや、そっちがメインのはず…… (小説家になろうでも同時掲載中です)

ブラック企業でポイントを極めた俺、異世界で最強の農民になります

はぶさん
ファンタジー
ブラック企業で心をすり減らし過労死した俺が、異世界で手にしたのは『ポイント』を貯めてあらゆるものと交換できるスキルだった。 「今度こそ、誰にも搾取されないスローライフを送る!」 そう誓い、辺境の村で農業を始めたはずが、飢饉に苦しむ人々を見過ごせない。前世の知識とポイントで交換した現代の調味料で「奇跡のプリン」を生み出し、村を救った功績は、やがて王都の知るところとなる。 これは、ポイント稼ぎに執着する元社畜が、温かい食卓を夢見るうちに、うっかり世界の謎と巨大な悪意に立ち向かってしまう物語。最強農民の異世界改革、ここに開幕! 毎日二話更新できるよう頑張ります!

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

処理中です...