のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ

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好きな世界・・・2

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 私の作り出したガレル攻防戦の翌日、キングと部下のゴブリン達を擬人化させ、私はガレルの町から遠くない平原に立っていた。

 その際にアルケを同行させ、距離を確りと確かめてから説明を開始する。

 ゴブリン達にも段取りを確りと説明して各箇所に配置する。

「私達が今から作るのは城壁と言って構わないわ、内部には砲台を装備させ、更に必要な通路を大きめに確保するのよ」

「そんな巨大な防壁だと、町まで距離があり過ぎますよ?」

「構わないわ、防壁からガレルまでの間に、市場や他の施設を作る事にしてるのよ。上手く行けば良し、いかなくてもそれ程の問題にはならないわ」

 私の考える防壁は、ガレルの町、全てを多い更に、領地を無理矢理広げるものであり、反感は必然となるだろうが、それはモンスター襲来の一件で何とかなる。

 ならなければ、他の町や村が、可哀想な目に会うだけなのだ。
 ただし、そんな事はしたくないので、確りと領地の譲渡じょうとをして貰う。

 ケストア王国の領地は、汚職や高い税金等、問題は山積みなのだから、ネタには事欠かない。

 全てがケストア王国のせいではないだろうが、結果的に飼い慣らせない者が多く居る事実が、ケストア王国の甘さを物語っている。

 そんな事を考えながら、私はゴブリン達の為、指示を図面に起こしながら説明を確りとしていく。

「パンドラ様、本気なんですか? こんな事したら、なんかあった時に、不味くないですか」

 アルケが心配そうに、私を見つめ質問する。

「いいのよ、それに派手な方が、大きな獲物が釣れるわ」

「釣るって、川の主を狙った主釣りじゃないんですから、目立ちすぎると危ないですよ」

「はいはい、心配は分かったわ。さあ、作業開始よ!」

 ガレルの町に必要な物、それは防御力であると住民に知らしめたガレル攻防戦、その為、外壁の強化に不信感や、否定的な意見は殆ど存在しない。

 私とアルケは、二人で巨大なブロックを作り出していき、それを次々にゴブリン達が複数人で並べていく。

 上段については、アルケのゴーレムが積み重ねていき、通常よりも早く外壁が積まれていく。
 時間の掛かる作業だったが、ゴーレムと職人ゴブリン達の活躍は素晴らしく私の考える何倍も早く作業が進んでいくのが目に見えて理解できる。

 そんな作業をしていれば、当然、デュバルの耳にも情報が入り、私の元にやってくる。

 作業開始から、3時間程して、デュバルが私の元に到着する。

「おーい、今回はなんなんだ、何を考えてるんだ?」

「あら、おはよう。私なりに考えて、ガレルの強化ってやつね」

「何? そんな許可、ケストア王国から貰ってないぞ!」

「今は領主様なんて、正式にいないじゃない? 関係ないわ、出来た後は何とか言い訳しなさい。それより、冒険者ギルドの方を上手く進めなさい」

「はぁ……分かった、ギルドの方だが、既に元職員達は確保してある。汚職をしていたとされる者は逆にガレルを離れてくれていたよ、そのお陰で色々とスムーズに進んでいる」

「まだまだ、忙しくなるわよ。確りと頑張りなさい! 領主デュバル」

「正式な領主じゃないし、他の領主が選ばれたらとか、考えないのか?」

「考えないわ……私が選んだのは貴方だもの、他の領主様には、舞台から退場して貰う以外の道はないのよ」

 話を切り上げると早々に、外壁を作ろうとしている円の内部にある他の村や町に移動を開始する。

 私の護衛は今回、クイーンとホーネットのみとなっている。

 ラクネが居ないのは、ガレル攻防戦のご褒美に"分身"のスキルを渡しており、分身達を上手く使う為の修練をダンジョン内でしているからだ。

 そんな私の目に、まだ一部分しか積まれていないが、ある程度、目立つ壁が広がり出している。

 遠目からも確認出来る程に巨大な防壁、防壁とは守りの要であり、強さを表す手段であり、力の象徴となる。

 他の村や小さな集落からすれば、ガレルの力が形になったと言えるだろう。

 最初は心配だったが、私が離れてもトラブル等はなく、アルケとゴーレム、キングとゴブリン達が作業を続けている。

 周囲には、次々に強化された巨大ブロックが重ねられていくズドンッと言う、大砲の発射音にも似た音が鳴り響いている。

 そんな作業の音を聴きながら周囲の村に辿り着いた私は村の権利等の譲渡を申し入れる。

 当然ながら、すんなりと受け入れた村は少なく、幾つかの村が反対する。
 まあ、当然だろう。だからこそ、その村の言い分を聞き、私は納得して貰う事に全力を尽くした。

 ある村では、村1番の戦士を倒したら考えると言われ、相手が降参するまで、何度もクイーンが相手の傷を治し、戦闘を続ける。

 地獄の様な時間だろう、気絶しても、意識が吹き飛んでも、復活と再生が無限に繰り返され、鉄の様に硬く強化された拳が凄まじい速度で顔面や腹部に放たれるのだから。

「ご、ごうさんずる……ゆるじで、ぐださい」

 村1番の戦士がやられた村は、全てを放棄して、ガレルに下り、ガレルの領民となる。
 このような村と集落が複数あり、他には、税金と言いながら、私腹を肥やす馬鹿な者が支配する村も存在していた。

 その村では、悲しいけど血が流れる事になったわ。
 ただ、誰も逆らえなかった存在をアッサリと片付けた事で私は歓迎される結果となり話は承諾されるなんて、パターンもあった。

 少なからず、従わない村や集落は、そのまま放置する事にしたわ。

 幸い、防壁の外に位置する場所が殆どであり、わざわざ広げる必要が無くなったと、考えることも出来たからだ。

 ガレルの領民となった者達の村に続く道の整備についての計画や、税金に関しての取り決めなど、色々な話を数日かけて進めてく事になる。

 そんな私の元に、クロミからの念話が入ってくる。


『やほっ本体~クロミだよ。内部の調査がかなり早く終わったから、明日には戻るよ~』

『え、早過ぎない! まだ二日くらいしか経ってないじゃない』

『ド・ロアル・デス叔父様が、凄く優秀でさ、私の何倍も、奥まで調べてくれて、情報も沢山手に入れたよ』

『分かったわ。気をつけて戻りなさいよ』

『はーい、じゃあ、またに~』

 クロミとの念話が終わる。
 流石に二人とも複数の分身を操れるだけあり、凄まじい速度だと言う他ない。

 だが、この瞬間、防壁の完成が更に早まる事実を感じた。

 後日、ロアルとクロミがダンジョン内の砂漠地下から帰還する。
 情報の処理をサポートさんに任せる為、新たに意志のある分身を作り出す。

 名前は、サポと決めて、集めて来た情報の整理を担当して貰う。

「貴女の名前はサポよ。ヨロシクね」

「マスター! ありがとうございますーー」と、体が貰えて喜ぶサポ。

 最近は目立ってなかったから、良い流れに感じるわ。

 サポの助手にはセイナ、二人の護衛としてガストに身辺警護を任せる事に決めた。

 そこから、防壁完成の為、私達は急ピッチで作業を開始する。

 防壁作りに参加する私達の行動は最初こそ馬鹿げたモノに見えただろう。
 しかし、日に日に高さを増していく防壁とそれに合わせて巨大化するゴーレムを目の当たりにする住民達から、次第に笑い話としての見方が消えていく。

 ガレルから離れた平野や森であった地域が次第に姿を変えていく。
 それと同時に、危険なモンスター達の討伐が私達により実行されていく。

 ガレルの町を中心に全てが変わっていく。


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