【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ

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後日譚

後日譚552.事なかれ主義者は食事について考えた

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 真の誕生日から二週間ほどが経過した。この二週間で縁談の申し込みが山のように届いた。
 書類だけで相応しくない相手を決めるのは難しいので今回もまたお披露目会をする事になりそうだ。
 すぐにでもしてしまうのも考えたけど、シンシーラたちの負担を考えたらそういう社交界は少ない方が良いだろう、という事で蘭加と静流も含めて一緒に執り行う事になった。想定通りである。

「同性の友達を作る機会にならないのは残念だけど、仕方ないよね」
「友達は故郷の方で作っているからシズルは問題ないわ」
「蘭加は?」
「あの性格で友達ができる分けねぇだろ」
「誰に似たんだろうね、ほんと」

 朝食を食べ終えたラオさんとルウさんが揃って肩を竦めた。二人に心当たりがないという事は僕に似たんだろうか。そんな人見知りするような幼少期だったかな……。

「お、おかわりなんだな!」
「分かりましたぁ。すぐによそいますねぇ」
「私が――」
「エミリーちゃんは座ってていいですよぉ。お腹もだいぶ大きくなってますしぃ」
「大きくなってるだけで、何ともないんだけど……。ありがと」
「どういたしましてぇ」

 妊娠中のエミリーの代わりに育生からお皿を受け取ってお代わりを用意しに行ったのはジューンさんだ。今日は正装を着ているのでどこかで何か話し合いをするのだろう。
 ほとんどのエルフがスレンダーな体型をしているからそれに合わせてデザインされた正装を彼女が着るとそのエルフらしからぬ魅惑のボディラインがよく出てしまって目に良くない。そういう雰囲気になるのは夜だけで十分だ。

「マコト! ご飯で遊んじゃダメじゃん!」
「はーい」

 元気よく返事をしたけれどすぐにスープに入った豆で再び遊び始めた真。尻尾をブンブンと振っていてとてもかわいいけど流石に注意するべきだろうか。
 そう思って口を開きかけた所で急に真は僕の方を見て、慌てた様子でスープを飲んだ。

「シズト様に怒られる前に辞めるじゃん」
「はーい」

 さっきの返事よりもトーンが低い。尻尾も垂れていてよく見えず、耳もへにょってしている。
 ……まだ何も言ってないんだけど、まあいいか。

「それにしても、テーブルは無駄に長いって思ってたけど、今後も一緒に食べる子どもたちが増えていくってなると足りなくなりそうだね。……側室が何人もいるようなところだとどうしてるの?」
「正室の子どもとは一緒に食事をする事は多いんじゃないかしら? 側室の子どもは時々食事を共にする程度だったり、全く一緒に食べなかったり、その家庭によると思うわ」
「まあ、過去の勇者様たちのように側室が多いと全員一緒に、というのはなかなか難しいですからね。例え一緒に食事をしたとしても、席が遠くて碌に関われない、とかありそうですし」

 ランチェッタさんの話に補足するようにディアーヌさんが言った。
 レヴィさんの方を見ると、彼女もうんうんと頷いている。

「先代公爵、ごく稀に来て食事した記憶はある。お母様が亡くなった後は来る事はなかった」

 そこは様子を見に会いに行ってあげて欲しい、という思いはあるけれど、ドーラさんは「相手をする手間が省けて楽だった」と言っていたので僕がとやかく言う事ではないだろう。
 ……子どもたちに間違っても「相手をするのが面倒」と言われないように今から対策を考えなきゃ。
 そんな事を思いながら食事を進めていると、腕を組みながら目を瞑っていたレヴィさんが「やっぱり食事も交代制でやってくのが平等で公平な気がするのですわ」と口を開いた。
 どうやら今の今までどうするべきか正室として考え続けていたらしい。

「もちろん、シズトが全員で食べたいというのなら止めないのですわ。ただ、席順は今のように固定されるでしょうし、さっきの話にも出たように『同じ部屋で食事をするだけ』に間違いなくなるのですわ。子どもたちを平等に扱い、ある程度の関係性を構築するのならば、夜の順番のように順番性にするのが無難だと思うのですわ」
「そうすればシズト様もその場にいる子や私たちに集中できる、という事ですね!」

 今まで話の流れを見守っていたオクタビアさんが名案だ、と賛成した。
 他のお嫁さんたちを見ても大なり小なり賛成しているようだ。

「シンシーラちゃんやエミリーちゃんがシズトくんとお話するの大変そうだって気になってたのよね」
「話しづらかった、というのは否定しないけど……」
「良かったじゃん。今度からは給仕を言い訳にしなくて済みそうじゃん」

 シンシーラとエミリーが口論をし始めたけれど、じゃれ合いのようなものだという事は分かっているので放っておいて、僕はレモンの味が結構しっかりする肉料理を頬張るのだった。
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