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後日譚
後日譚558.恥ずかしがりやな子どもは久しぶりにのんびり過ごした
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オトナシ邸の二階に用意された部屋はそれほど広くはないが、庶民からしたら十分生活できる広さがある。
そんな部屋にあてがわれているのはシズトの子どもたちである。成長に合わせて一人部屋も用意される事が検討されているのだが、子どもの性格によっては相部屋のままというのが決まっている子もいた。その筆頭が音無静流である。
寂しがりやな彼女はとりあえず誰かにくっついていないと夜も眠れない、という事で蘭加と相部屋になっていた。また、ベッドも二人で一つ使うために大きなベッドが用意されている。
ベッドの上には大小さまざまなぬいぐるみがあるのだが、静流がくっついているのは若干寝苦しそうな蘭加だ。
「ん……?」
「んん~……?」
朝日が昇る時間になると自動でカーテンが開いて行く。回転の魔道具を応用して作られた自動開閉カーテンが動く微かな音に気が付いて蘭加が目を覚ますと、つられて静流も目を覚ました。
「シズル、はなれて」
「や」
「むぅ……じゃあてをつなご」
「うん!」
静流の拘束から解放された蘭加が手を繋いだままベッドから降りた所で扉がノックされた。それから「失礼します」と扉が開けられた。
蘭加は隠れる事もなく部屋を訪れた人物を出迎えた。彼女たちの世話役であり乳母である女性だと知っていたからだ。
「起きていらっしゃいますね。本日はラオ様、ルウ様と共に里帰りをする日ですので着る服はこちらにしてください。お食事はお部屋でお召し上がりになりますか?」
二人に対して丁寧な対応をする女性に対して蘭加は頷いて答えた。
「かしこまりました。それではお持ちしますので着替えてお待ちください」
「はーい」
元気よく返事をしたのは静流である。蘭加はまた頷いただけだった。
その様子を確認した女性は部屋から出て行った。
「かーてん、しめる?」
「そうだね、しめよ~」
手を繋いで二人一緒にカーテンの近くまで移動する。当然、窓の向こう側から室内の様子を窺っている者と目が合ったのだが、流石に慣れたようで蘭加は反応する事はなかった。
静流は「ばいばーい」と言って手を振ってカーテンに魔力を流す。再びゆっくりとカーテンが閉められていく。再び勝手にカーテンが開かないように蘭加は魔石の位置を変えていた。
「きょうはなにしよーね」
「ゆっくりしたい」
「ママたちにそうだんしてみる?」
「うん」
用意された服は簡易的な物ばかりなので二人とも手助けを借りる事なく着替えを終える事が出来た。だが、寝癖を直すのはまだ自分たちではできないようだ。
待っている間に直せたらよかったのだが、待っている間二人ともボサボサの髪の毛で遊び始めた。
しばらくそうしていると、魔道具『浮遊ワゴン』を押して先程の女性が部屋に戻ってきた。
「寝癖は後でジューン様に直してもらいましょう。さあ、食事の準備ができたのでこっちに来てください」
「はーい」
再び元気よく返事した静流につられて、蘭加も小さな声で「うん」と言ったが、身体強化魔法を用いていた女性にはしっかりと届いていたようだ。
二人の返事を聞いた女性は「カーテンは開けますね」と言って魔力を流して再びカーテンを開けた。さっきよりもドライアドが増えているが、女性は気にした様子もなく窓際から離れ、席に着いた二人の元へと向かうのだった。
食事を終えた蘭加と静流はジューンに寝癖を直してもらった後、彼女たちの母親であるラオとルウと合流するために屋敷を出た。まだ三歳を迎えていない彼女たちは敷地内でも単独行動は許可されていないので、当然乳母の女性もついて来ている。ただ、彼女は少し離れたところで様子を見ているだけだ。
ラオとルウの故郷に繋がる転移陣が設置されている所まで移動する頃には二人の母親も既にその場所にいた。
「おかーさんいかないの?」
「今日は仕事だ。ルウに任せるのも少し心配になってきたしな」
「別に隊長に問題はないわよ?」
「万が一があったら困るだろ」
「それを言ったら里帰りをした時もあるかもしれないじゃない」
「そっちにいる時は余計な肩書はないし、お腹と子どもの事だけに専念できるだろ。護衛もついてくしな。そういう訳だから、しばらくはアタシは行かねぇ。帰ってきたら何をしたか聞かせてくれ」
「…………うん」
わしゃわしゃと乱雑に蘭加の黒髪を撫でるラオ。それを大人しく受け入れた蘭加はラオと乳母が見送る中、転移陣を使って母親たちの故郷へと移動した。
スピーチの練習をしなくてもいい日なので気は楽だったが、現地の子どもたちと関わるのもそれ相応に精神力を持って行かれる。
憂鬱そうな様子の蘭加を気遣ったのか、ルウが彼女たちの祖母と過ごす事を提案した事で蘭加と静流はその日、村の子どもたちと関わる事なく過ごして一日が終わるのだった。
そんな部屋にあてがわれているのはシズトの子どもたちである。成長に合わせて一人部屋も用意される事が検討されているのだが、子どもの性格によっては相部屋のままというのが決まっている子もいた。その筆頭が音無静流である。
寂しがりやな彼女はとりあえず誰かにくっついていないと夜も眠れない、という事で蘭加と相部屋になっていた。また、ベッドも二人で一つ使うために大きなベッドが用意されている。
ベッドの上には大小さまざまなぬいぐるみがあるのだが、静流がくっついているのは若干寝苦しそうな蘭加だ。
「ん……?」
「んん~……?」
朝日が昇る時間になると自動でカーテンが開いて行く。回転の魔道具を応用して作られた自動開閉カーテンが動く微かな音に気が付いて蘭加が目を覚ますと、つられて静流も目を覚ました。
「シズル、はなれて」
「や」
「むぅ……じゃあてをつなご」
「うん!」
静流の拘束から解放された蘭加が手を繋いだままベッドから降りた所で扉がノックされた。それから「失礼します」と扉が開けられた。
蘭加は隠れる事もなく部屋を訪れた人物を出迎えた。彼女たちの世話役であり乳母である女性だと知っていたからだ。
「起きていらっしゃいますね。本日はラオ様、ルウ様と共に里帰りをする日ですので着る服はこちらにしてください。お食事はお部屋でお召し上がりになりますか?」
二人に対して丁寧な対応をする女性に対して蘭加は頷いて答えた。
「かしこまりました。それではお持ちしますので着替えてお待ちください」
「はーい」
元気よく返事をしたのは静流である。蘭加はまた頷いただけだった。
その様子を確認した女性は部屋から出て行った。
「かーてん、しめる?」
「そうだね、しめよ~」
手を繋いで二人一緒にカーテンの近くまで移動する。当然、窓の向こう側から室内の様子を窺っている者と目が合ったのだが、流石に慣れたようで蘭加は反応する事はなかった。
静流は「ばいばーい」と言って手を振ってカーテンに魔力を流す。再びゆっくりとカーテンが閉められていく。再び勝手にカーテンが開かないように蘭加は魔石の位置を変えていた。
「きょうはなにしよーね」
「ゆっくりしたい」
「ママたちにそうだんしてみる?」
「うん」
用意された服は簡易的な物ばかりなので二人とも手助けを借りる事なく着替えを終える事が出来た。だが、寝癖を直すのはまだ自分たちではできないようだ。
待っている間に直せたらよかったのだが、待っている間二人ともボサボサの髪の毛で遊び始めた。
しばらくそうしていると、魔道具『浮遊ワゴン』を押して先程の女性が部屋に戻ってきた。
「寝癖は後でジューン様に直してもらいましょう。さあ、食事の準備ができたのでこっちに来てください」
「はーい」
再び元気よく返事した静流につられて、蘭加も小さな声で「うん」と言ったが、身体強化魔法を用いていた女性にはしっかりと届いていたようだ。
二人の返事を聞いた女性は「カーテンは開けますね」と言って魔力を流して再びカーテンを開けた。さっきよりもドライアドが増えているが、女性は気にした様子もなく窓際から離れ、席に着いた二人の元へと向かうのだった。
食事を終えた蘭加と静流はジューンに寝癖を直してもらった後、彼女たちの母親であるラオとルウと合流するために屋敷を出た。まだ三歳を迎えていない彼女たちは敷地内でも単独行動は許可されていないので、当然乳母の女性もついて来ている。ただ、彼女は少し離れたところで様子を見ているだけだ。
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「おかーさんいかないの?」
「今日は仕事だ。ルウに任せるのも少し心配になってきたしな」
「別に隊長に問題はないわよ?」
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