64 / 142
第64話 女を奴隷にしたがる男の習性
しおりを挟む
40mの高さがある天井を構成している岩石が光を放ち、迷宮内を昼間のように明るく照らしていた。
湖から澄んだ香りが流れ、風が吹く度に湖畔に広がる草原から揺れる音が聞こえてくる。
向こうには、ボロボロの着物を着た小柄な男、飛燕が立っていた。
その男は、空間を歪めて攻撃してきた敵へその攻撃を反転させる効果を持つスキル『ミラー』の使い手だ。
城塞都市で最大規模を誇る白翼のギルドマスターと幹部達は、挑発してきた飛燕を攻撃してしまい、『ミラー』の効果により自身を攻撃していることに気がつかないまま、死んでしまったのだろう。
飛燕の行動は、正当防衛と判定され、その男を処罰するような神託が降りてくる気配がない。
飛燕に向かって私に投げ飛ばされ、脳震盪を起こしていたはずの勇者が、いつの間にか私の背後に戻っており、頭をおさえて唸っていた。
「頭がズキズキする。直前の記憶が全く無いんだが、俺は一体何がどうしていたんだ?」
意識が無い状態にも関わらず、本能だけで私の背後に戻ってきたのか。
外海から本能だけで生まれた川へ戻ってくるシャケみたいな奴だ。
勇者のJOBには、無限の可能性があるというが、逃走力と生き残る本能についてだけは、この勇者にもその一端があるということなのかしら。
駄目な方向を向いているが、末恐ろしい者になるのかもしれない。
強斥候から飛燕の空間を歪めるパッシブスキル『ミラー』について説明を聞いた勇者の驚く声が聞こえてくる。
「攻撃が反転されるスキル『ミラー』だと!あんなダサい奴が、伝説級のスキルを持っているだなんて、マジで信じられねぇぜ!」
飛燕と対峙していて、抱いていた違和感の正体が分かった気がする。
わざと粗末な装備品をつけ、弱いふりをして、そして上から目線の言葉を並べながら相手を挑発し、攻撃をさせるように仕向けていたのだろう。
飛燕に攻撃をしてしまったら最後。
自身を攻撃していることに気がつかないままパニックに陥り、自己防衛のために更に攻撃をしてしまう。
そして訳が分からないうちに、死んでしまうのだろう。
飛燕が刀を抜いて一歩二歩と近づいてきた。
「聖女。俺が無敵であると理解したならば、自由は保証してやるから、俺と奴隷契約をしろ。」
おもいっきり凄んできている。
女を奴隷にさせ、マウントをとりたがるのは童貞小僧の習性なのでしょうか。
そもそも私には戦う意思はないので、煽ってくるその行動は無駄というものですよ。
すると、背後にいる勇者が何か迷っているような唸り声を上げながら飛燕の提案を飲むように促しきた。
「三華月。|飛燕さんもああ言っている事だし、ここは話しにのって御奉仕活動をするのも有りなんじゃないか。」
「僕も賛成っす。最強同士の三華月様と飛燕様が手を組むって、WIN-WINじゃないですか。」
勇者へ便乗するように強斥候が同調してきた。
奴隷契約を結んでも、私はWINになるはずがないだろ。
勇者等、飛燕が伝説級のスキルを獲得していることを知った途端に態度を180度反転させ、媚び始めやがった。
この雑魚二人は、美人賢者の存在がなかったら、物語的には絶対にザマァ対象のキャラなのだろうな。
そもそもだが、私が奴隷契約を結んだら、2人は助けてもらえるとでも思っているのかしら。
「勇者達に質問させてもらいます。」
「なんだ。今更。」
「何を言われたとしても、僕は飛燕様の提案に賛成なのは変わりないっすよ。」
「もし私が飛燕と奴隷契約をしたならば、まず飛燕は私に何を命令すると思いますか。」
「それはやっぱりあれだろ。ハーレム嬢なら、まずは御奉仕するしかないだろ。」
「気が強く高貴で可愛い女の子にご奉仕してもらうって、男の夢と言うか、野望なんすよ。」
私の質問にウンコ2人はニヤニヤとし始めながら答えてきた。
お馬鹿なことを想像しているようだ。
少し殺意が芽生えましたよ。
この会話は、美人賢者へ報告させてもらうことにしよう。
「後ほど、あなた達には罵倒という地獄を味合わせてあげますね。」
「俺を罵倒してくれるの。むしろ歓迎だぜ。出会った頃と比べて俺は精神的にも肉体的にも一皮むけたからな。」
「僕はツルッツルっすよ。『このツルツルめっ!』と罵倒してほしいっす。」
勇者と強斥候が下品な顔でゲラゲラと笑っている。
馬鹿同士が触発されると、10倍くらいの馬鹿になってしまうようだな。
2人を罵倒するのは私ではなく美人賢者だ。
今の言葉も合わせて報告させてもらうことにしよう。
「話しは戻りますが、飛燕が私と奴隷契約をしたとして、最初に命令してくる事は勇者達の始末になると思います。」
「俺達の始末だと。」
「三華月様を差し出したのに、なんで僕達が始末されないといけないんすか。」
「おい聖女。お前が助かるには俺の奴隷になるしかないんだぜ。俺に殺されたくないだろ!」
勇者達とのやりとりを聞いていた飛燕が、目一杯に凄みながら、慌てた様子で話しに割り込んできた。
何故慌てているかと言えば、空間を歪めるスキル『ミラー』が無敵でないことを悟られる前にことを終わらせたいからなのだろう。
だが、既にそのメッキは剥がれてしまっている。
「ガクガクと震えている飛燕に凄まれても、全然怖くありません。」
「え、飛燕さんが震えているってどういう事なんだ。」
「無敵の飛燕様がガクガクしているわけないっすよ。」
勇者と強斥候は気が付いていないようだが、飛燕は相当な小心者だ。
小柄であまり鍛えられていない体付きを見ても、スキル『ミラー』を攻略されてしまうと、C級、もしくはその辺りにいるD級冒険者とかわりない。
飛燕はこの難局を乗り切るために自分が無敵であると虚勢を張っているが、無敵でない事をよく自覚している。
もし飛燕のスキルが無敵であるなら、城塞都市のダンジョン内に逃げ込む理由がないし、堂々と敵対する者を殺しまくるだろう。
「飛燕がダンジョン内に逃げ込んだ理由は、スキル『ミラー』の効果が無敵でないことを、他の者へ知られたくなかったからですよね。」
「ポンコツの2人。その聖女を今すぐ殺せ。そうしたら助けてやってもいいぞ!」
飛燕が私の声をかき消すように絶叫してきた。
ポンコツと呼んだ2人とは、もちろん勇者と強斥候のことだ。
だが、さすがにそのポンコツでも、もう飛燕の薄っぺらな脅しは効かない。
案の定、実際に後ろに下がっていた2人が拳をボキボキ鳴らしながら、自信満々な様子で前に出始めている。
なんせこいつ等は、有利な状況になったとたんに急に強くなる駄目な奴等だからな。
「おいおい、誰に命令をしているんだよ。もうお前をさん付けする時間は終わってんだよ。」
「僕の様付けも有効期限切れっす。」
「俺等の大事な仲間である三華月に奴隷契約をしろとぬかしたクソガキ。ボコボコにしてやんよ。」
「何が無敵だ。調子に乗りやがって。お礼参りをしてやるっす。三華月様、攻略法を教えてほしいっす。」
「例えばですが、飛燕をグルグル巻きにして毒を飲ましてみてはいかがでしょう。」
「マジかよ。毒を飲ませても空間を歪めるスキルは発動しないのかよ!」
「超余裕っすね。飛燕が超雑魚に見えてきたっす。」
毒を飲ましても飛燕のスキルが発動するのかしないのかは知りません。
もし『ミラー』効果が発揮されたら、あなた達は死ぬかもしれませんね。
私の大切な仲間であるあなた達が死んでしまったら、その死骸は犬の餌にでもしてあげますよ。
飛燕を見ると、あからさまに顔色が青く変わり、体の震えが大きくなっている。
その飛燕の様子を見た勇者と強斥候は「よしよし、そうか、そうか」と声を張り上げながら飛燕との距離を詰め始めていた。
その時、ダンジョン内の壁に通路が開いた。
―――――――――――ダンジョンウォークだ。
このダンジョンウォークにおいて使用できるのはダンジョンマスターの十戒だけである。
湖から澄んだ香りが流れ、風が吹く度に湖畔に広がる草原から揺れる音が聞こえてくる。
向こうには、ボロボロの着物を着た小柄な男、飛燕が立っていた。
その男は、空間を歪めて攻撃してきた敵へその攻撃を反転させる効果を持つスキル『ミラー』の使い手だ。
城塞都市で最大規模を誇る白翼のギルドマスターと幹部達は、挑発してきた飛燕を攻撃してしまい、『ミラー』の効果により自身を攻撃していることに気がつかないまま、死んでしまったのだろう。
飛燕の行動は、正当防衛と判定され、その男を処罰するような神託が降りてくる気配がない。
飛燕に向かって私に投げ飛ばされ、脳震盪を起こしていたはずの勇者が、いつの間にか私の背後に戻っており、頭をおさえて唸っていた。
「頭がズキズキする。直前の記憶が全く無いんだが、俺は一体何がどうしていたんだ?」
意識が無い状態にも関わらず、本能だけで私の背後に戻ってきたのか。
外海から本能だけで生まれた川へ戻ってくるシャケみたいな奴だ。
勇者のJOBには、無限の可能性があるというが、逃走力と生き残る本能についてだけは、この勇者にもその一端があるということなのかしら。
駄目な方向を向いているが、末恐ろしい者になるのかもしれない。
強斥候から飛燕の空間を歪めるパッシブスキル『ミラー』について説明を聞いた勇者の驚く声が聞こえてくる。
「攻撃が反転されるスキル『ミラー』だと!あんなダサい奴が、伝説級のスキルを持っているだなんて、マジで信じられねぇぜ!」
飛燕と対峙していて、抱いていた違和感の正体が分かった気がする。
わざと粗末な装備品をつけ、弱いふりをして、そして上から目線の言葉を並べながら相手を挑発し、攻撃をさせるように仕向けていたのだろう。
飛燕に攻撃をしてしまったら最後。
自身を攻撃していることに気がつかないままパニックに陥り、自己防衛のために更に攻撃をしてしまう。
そして訳が分からないうちに、死んでしまうのだろう。
飛燕が刀を抜いて一歩二歩と近づいてきた。
「聖女。俺が無敵であると理解したならば、自由は保証してやるから、俺と奴隷契約をしろ。」
おもいっきり凄んできている。
女を奴隷にさせ、マウントをとりたがるのは童貞小僧の習性なのでしょうか。
そもそも私には戦う意思はないので、煽ってくるその行動は無駄というものですよ。
すると、背後にいる勇者が何か迷っているような唸り声を上げながら飛燕の提案を飲むように促しきた。
「三華月。|飛燕さんもああ言っている事だし、ここは話しにのって御奉仕活動をするのも有りなんじゃないか。」
「僕も賛成っす。最強同士の三華月様と飛燕様が手を組むって、WIN-WINじゃないですか。」
勇者へ便乗するように強斥候が同調してきた。
奴隷契約を結んでも、私はWINになるはずがないだろ。
勇者等、飛燕が伝説級のスキルを獲得していることを知った途端に態度を180度反転させ、媚び始めやがった。
この雑魚二人は、美人賢者の存在がなかったら、物語的には絶対にザマァ対象のキャラなのだろうな。
そもそもだが、私が奴隷契約を結んだら、2人は助けてもらえるとでも思っているのかしら。
「勇者達に質問させてもらいます。」
「なんだ。今更。」
「何を言われたとしても、僕は飛燕様の提案に賛成なのは変わりないっすよ。」
「もし私が飛燕と奴隷契約をしたならば、まず飛燕は私に何を命令すると思いますか。」
「それはやっぱりあれだろ。ハーレム嬢なら、まずは御奉仕するしかないだろ。」
「気が強く高貴で可愛い女の子にご奉仕してもらうって、男の夢と言うか、野望なんすよ。」
私の質問にウンコ2人はニヤニヤとし始めながら答えてきた。
お馬鹿なことを想像しているようだ。
少し殺意が芽生えましたよ。
この会話は、美人賢者へ報告させてもらうことにしよう。
「後ほど、あなた達には罵倒という地獄を味合わせてあげますね。」
「俺を罵倒してくれるの。むしろ歓迎だぜ。出会った頃と比べて俺は精神的にも肉体的にも一皮むけたからな。」
「僕はツルッツルっすよ。『このツルツルめっ!』と罵倒してほしいっす。」
勇者と強斥候が下品な顔でゲラゲラと笑っている。
馬鹿同士が触発されると、10倍くらいの馬鹿になってしまうようだな。
2人を罵倒するのは私ではなく美人賢者だ。
今の言葉も合わせて報告させてもらうことにしよう。
「話しは戻りますが、飛燕が私と奴隷契約をしたとして、最初に命令してくる事は勇者達の始末になると思います。」
「俺達の始末だと。」
「三華月様を差し出したのに、なんで僕達が始末されないといけないんすか。」
「おい聖女。お前が助かるには俺の奴隷になるしかないんだぜ。俺に殺されたくないだろ!」
勇者達とのやりとりを聞いていた飛燕が、目一杯に凄みながら、慌てた様子で話しに割り込んできた。
何故慌てているかと言えば、空間を歪めるスキル『ミラー』が無敵でないことを悟られる前にことを終わらせたいからなのだろう。
だが、既にそのメッキは剥がれてしまっている。
「ガクガクと震えている飛燕に凄まれても、全然怖くありません。」
「え、飛燕さんが震えているってどういう事なんだ。」
「無敵の飛燕様がガクガクしているわけないっすよ。」
勇者と強斥候は気が付いていないようだが、飛燕は相当な小心者だ。
小柄であまり鍛えられていない体付きを見ても、スキル『ミラー』を攻略されてしまうと、C級、もしくはその辺りにいるD級冒険者とかわりない。
飛燕はこの難局を乗り切るために自分が無敵であると虚勢を張っているが、無敵でない事をよく自覚している。
もし飛燕のスキルが無敵であるなら、城塞都市のダンジョン内に逃げ込む理由がないし、堂々と敵対する者を殺しまくるだろう。
「飛燕がダンジョン内に逃げ込んだ理由は、スキル『ミラー』の効果が無敵でないことを、他の者へ知られたくなかったからですよね。」
「ポンコツの2人。その聖女を今すぐ殺せ。そうしたら助けてやってもいいぞ!」
飛燕が私の声をかき消すように絶叫してきた。
ポンコツと呼んだ2人とは、もちろん勇者と強斥候のことだ。
だが、さすがにそのポンコツでも、もう飛燕の薄っぺらな脅しは効かない。
案の定、実際に後ろに下がっていた2人が拳をボキボキ鳴らしながら、自信満々な様子で前に出始めている。
なんせこいつ等は、有利な状況になったとたんに急に強くなる駄目な奴等だからな。
「おいおい、誰に命令をしているんだよ。もうお前をさん付けする時間は終わってんだよ。」
「僕の様付けも有効期限切れっす。」
「俺等の大事な仲間である三華月に奴隷契約をしろとぬかしたクソガキ。ボコボコにしてやんよ。」
「何が無敵だ。調子に乗りやがって。お礼参りをしてやるっす。三華月様、攻略法を教えてほしいっす。」
「例えばですが、飛燕をグルグル巻きにして毒を飲ましてみてはいかがでしょう。」
「マジかよ。毒を飲ませても空間を歪めるスキルは発動しないのかよ!」
「超余裕っすね。飛燕が超雑魚に見えてきたっす。」
毒を飲ましても飛燕のスキルが発動するのかしないのかは知りません。
もし『ミラー』効果が発揮されたら、あなた達は死ぬかもしれませんね。
私の大切な仲間であるあなた達が死んでしまったら、その死骸は犬の餌にでもしてあげますよ。
飛燕を見ると、あからさまに顔色が青く変わり、体の震えが大きくなっている。
その飛燕の様子を見た勇者と強斥候は「よしよし、そうか、そうか」と声を張り上げながら飛燕との距離を詰め始めていた。
その時、ダンジョン内の壁に通路が開いた。
―――――――――――ダンジョンウォークだ。
このダンジョンウォークにおいて使用できるのはダンジョンマスターの十戒だけである。
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる