65 / 142
第65話 勇者の有効活用
しおりを挟む
ここは城塞都市の地下迷宮。
湖が広がり、湖畔には草原地帯が続いていた。
40m程度ある天井からは光が落ち、迷宮内は昼間のように明るい。
湖から吹いてくる風は涼しくみずみずしく感じる。
魔物の気配はない。
この迷宮にはエンカウント率の低いA級以上の魔物しか出現しないためだ。
正面には、雑な着物をきた小柄な男が立っていた。
攻撃を反転させる効果がある究極に近いカウンタースキル『ミラー』の使い手である飛燕だ。
白翼のギルドマスター達を惨殺し、地下迷宮に潜伏していた男である。
飛燕の体付きを見ると、これまでスキルに頼り過ぎて鍛錬をおろそかにしていたのだろう。
スキルの効果さえ把握出来てしまえば飛燕の攻略が難しくないとすぐに分かる。
白翼のギルドマスターおよび主要メンバー達を殺戮した際も『俺は無敵だ。雑魚であるお前等がかなう相手ではない。』と挑発させて、スキル『ミラー』のカウンター効果を発動させたものと推測できる。
何人もの者を惨殺して『神託』が降りてくる気配が無い理由は、飛燕の行為は正当防衛と判定されているようだ。
その飛燕に対して、勇者と強斥候が詰め寄っていた。
スキル『ミラー』が無敵でないと認識したとたん、媚びへつらっていた態度を180度反転させてきたのだ。
飛燕の表情は明らかに動揺したものに変わり、後退りを始めている。
そこに、十戒が少年の姿となり『ダンジョンウォーク』を使用し現れてきた。
勇者はその少年が迷宮主だと気が付いていない様子で、自身を尊敬される対象であることを前提にした言葉をかけ始めた。
「迷宮内に少年が1人とは珍しいな。これから勇者である俺が白翼のギルマスを殺害した犯人と一騎打ちをするところだ。君も冒険者ならば、勇者の戦いを見るとよい勉強になると思うぞ。」
勇者がキャラ変している。
少年の方は返事をしていないが、話しかけてきた雑魚が勇者と聞いて驚いている様子だ。
少年が迷宮主であることに気がつかないていない点については、ここはその事実を教えることなく放置して、成り行きをたのしむ方が面白そうだ。
前に出てきていた勇者へ少年が歩み寄っていく。
「ほぉう。こんな所で勇者に会えるとは、俺はラッキーなのかもしれないな。」
十戒は前に出てきていた勇者へ視線を送りながら、大きく口を開き始めた。
―――――――少年のその口が無限に大きく広がっていく。
勇者を体ごと丸吞みしようと口が開く速度が加速している。
開いていく口が2m以上に広がり、身長が180cm以上ある体格のいい男を捕獲しようとした瞬間、そこから勇者の姿は消えていた。
気が付くと勇者は私の背後に回り込んでおり、ガクガクと体を震わしている。
瞬間移動でもしたかのように、速く無駄のない洗練した動きだった。
勇者の奴、また一つ、回避のギアを上げてきたようだ。
「おい、三華月。今、あの少年。俺を飲みこもうとしていなかったか。」
「三華月様。あの少年。もしかして魔物じゃないっすか!」
勇者の更に後ろに隠れていた強斥候が叫んできた。
ようやくあれが魔物だと気が付いたのかよ。
今更ながらだけど、全く勇敢ではない勇者って、存在していたら駄目なのではなかろうか。
信じられないほど広がっていた口が、元のサイズに戻っていた十戒については、勇者の素早い動きに感心している。
「ほぉう。さすが勇者だ。いい動きをするじゃないか。」
「マジか。あいつ。魔物だったのかよ。」
「三華月様。早くあいつを討伐して下さい!」
奴は私自身の手で殺処分するつもりではあったが、迷い無く人任せにするって、2人にはB級冒険者としてのプライドはないのかしら。
まぁ、雑魚二人に期待することなどあるはずないか。
さて、今しがた勇者を丸吞みしようとしていた十戒の行動は、攻撃というよりも、捕食しようとしていたように見えた。
何をするつもりだったのかしら。
その時である。
勇者を捕獲する理由を知るための、素晴らしい方法を閃いてしまった。
その最良の策は、実際に勇者を丸呑みさせてみて結果を見るのが一番だろ。
―――――――何よりも、十戒が勇者を丸飲みする映像が見てみたい。
それに勇者を放り投げても、回避できるのか興味もある。
背後にいるはずの180cm以上ある体格のいい男を捕獲するため、するりと手を伸ばした。
だが、私の手が空振りをしてしまっていた。
信じられないことに、この私が、クソ雑魚の勇者を捕獲し損ねてしまったのだ。
背後に視線をおくると、マトリック〇で銃弾を避けるように思いっきり体を後ろに反らせ、私が伸ばした手から逃れていたのだ。
勇者の奴、この短時間にまた一つ進化したのか。
「おい、三華月。今、俺を殺そうとしただろ!」
「殺そうとはしていません。迷宮主の十戒に勇者を放り投げてみようかと思っただけです。」
「どういうことだ。放り投げられてしまうと、勇者の俺があの魔物に丸吞みされてしまうじゃないか!」
「はい。あなたが飲み込まれる姿が見てみたいと思いました。」
「丸呑みする映像が見たかっただと。やっぱり俺を殺すつもりだったんだな!」
「まぁ、結果的にはそうなるのかもしれませんね。」
「ついに認めやがったな。三華月。お前、心は汚れているが一応聖女なんだろ。俺を殺してしまったら、信仰心が下がってしまうんじゃないのか!」
「心配して頂き有難うございます。ここの迷宮主を倒すために、勇者が勇敢に戦い、そして命を落としてしまったという筋書きであなたの死亡は処理できるかと思います。」
「聖女のくせに、おかしな改ざんをしてんじゃねぇぞ!」
「あなたを放置しておくより、あれの餌にする方が、勇敢でない勇者の有効活用になるとは思いませんか。」
「思うわけねぇだろ。俺は世界を救う勇者なんだぞ!」
勇者がこれ以上ないくらいにいきり立っている。
目の前にいるうんこに世界が救えるとは思えない。
無駄に生存スキルだけが高くなっているし。
自身を世界を救う者であると世迷言を言っている勇者の背後にいた強斥候が、呟く声が聞こえてきた。
「確かに三華月様の言っているとおりかもしれないです。ガリアンの有効活用がほとんど出来ていなかったっす。」
「三、三華月。もう一人忘れていないか。強斥候の有効活用も考えてみてもいいんじゃないか。」
勇者が強斥候をギロリと睨んでいた。
勇者の行動は、自分の命が危うくなると、仲間を巻き込もうとする悪党属性そのままだ。
2人の有効活用は要検討しておきましょう。
さて、少年の姿に変わっていた十戒を見ると、両手を挙げて降参のポーズをしていた。
「その勇者はもう投げる必要はないぞ。何だか駄目そうな扱いをされているようだし、もう食わない事にするわ。」
そうか。もう勇者を食べてくれないのか。
私の楽しみが減ってしまった。
それでは、何故ここに姿を現したのか分かりませんが、私を下僕にして従服させると宣言していた十戒を処刑させてもらいましょう。
―――――――私は運命の弓をスナイパーモードで召喚します。
全長3mの弓が現れると、少年の姿をした十戒が慌てた様子で、ボーっと成り行きを見守っていた飛燕を背中から羽交い絞めにした。
「待て待て待て。まだ聖女と戦うつもりはない。用があったのは飛燕なんだ。」
「俺に何をするつもりなんだ。」
暴れる飛燕を体格で劣る少年の姿をした十戒が、軽々と抑え込んでいる。
飛燕に何をするつもりなのかしら。
とにかく、このまま放置していたら、飛燕の身が危険であるように思える。
白翼のギルマス達を『ミラー』の効果にて惨殺した男ではあるが、その行為が正当防衛と判定されている以上、見殺しにすることは出来ない。
十戒へ『ロックオン』を発動しつつ、飛燕へ何をするつもりなのかを尋ねてみた。
「飛燕に用があるとは、どういうことでしょう。攫って何かをするつもりなのでしょうか。」
「違う、違う。いや、違わないか。俺は飛燕のスキルを美味しく俺が頂こうと思っているんだよ。」
スキルを美味しくいただくだと。
世界の記憶『アーカイブ』の中に『捕食』というスキルがある。
その名のとおり、生物を捕らえ食べることだ。
そして、このスキルの特徴は、捕食した者のスキルを自身のものにする効果がある。
奴は『捕食』の持ち主だったのか。
湖が広がり、湖畔には草原地帯が続いていた。
40m程度ある天井からは光が落ち、迷宮内は昼間のように明るい。
湖から吹いてくる風は涼しくみずみずしく感じる。
魔物の気配はない。
この迷宮にはエンカウント率の低いA級以上の魔物しか出現しないためだ。
正面には、雑な着物をきた小柄な男が立っていた。
攻撃を反転させる効果がある究極に近いカウンタースキル『ミラー』の使い手である飛燕だ。
白翼のギルドマスター達を惨殺し、地下迷宮に潜伏していた男である。
飛燕の体付きを見ると、これまでスキルに頼り過ぎて鍛錬をおろそかにしていたのだろう。
スキルの効果さえ把握出来てしまえば飛燕の攻略が難しくないとすぐに分かる。
白翼のギルドマスターおよび主要メンバー達を殺戮した際も『俺は無敵だ。雑魚であるお前等がかなう相手ではない。』と挑発させて、スキル『ミラー』のカウンター効果を発動させたものと推測できる。
何人もの者を惨殺して『神託』が降りてくる気配が無い理由は、飛燕の行為は正当防衛と判定されているようだ。
その飛燕に対して、勇者と強斥候が詰め寄っていた。
スキル『ミラー』が無敵でないと認識したとたん、媚びへつらっていた態度を180度反転させてきたのだ。
飛燕の表情は明らかに動揺したものに変わり、後退りを始めている。
そこに、十戒が少年の姿となり『ダンジョンウォーク』を使用し現れてきた。
勇者はその少年が迷宮主だと気が付いていない様子で、自身を尊敬される対象であることを前提にした言葉をかけ始めた。
「迷宮内に少年が1人とは珍しいな。これから勇者である俺が白翼のギルマスを殺害した犯人と一騎打ちをするところだ。君も冒険者ならば、勇者の戦いを見るとよい勉強になると思うぞ。」
勇者がキャラ変している。
少年の方は返事をしていないが、話しかけてきた雑魚が勇者と聞いて驚いている様子だ。
少年が迷宮主であることに気がつかないていない点については、ここはその事実を教えることなく放置して、成り行きをたのしむ方が面白そうだ。
前に出てきていた勇者へ少年が歩み寄っていく。
「ほぉう。こんな所で勇者に会えるとは、俺はラッキーなのかもしれないな。」
十戒は前に出てきていた勇者へ視線を送りながら、大きく口を開き始めた。
―――――――少年のその口が無限に大きく広がっていく。
勇者を体ごと丸吞みしようと口が開く速度が加速している。
開いていく口が2m以上に広がり、身長が180cm以上ある体格のいい男を捕獲しようとした瞬間、そこから勇者の姿は消えていた。
気が付くと勇者は私の背後に回り込んでおり、ガクガクと体を震わしている。
瞬間移動でもしたかのように、速く無駄のない洗練した動きだった。
勇者の奴、また一つ、回避のギアを上げてきたようだ。
「おい、三華月。今、あの少年。俺を飲みこもうとしていなかったか。」
「三華月様。あの少年。もしかして魔物じゃないっすか!」
勇者の更に後ろに隠れていた強斥候が叫んできた。
ようやくあれが魔物だと気が付いたのかよ。
今更ながらだけど、全く勇敢ではない勇者って、存在していたら駄目なのではなかろうか。
信じられないほど広がっていた口が、元のサイズに戻っていた十戒については、勇者の素早い動きに感心している。
「ほぉう。さすが勇者だ。いい動きをするじゃないか。」
「マジか。あいつ。魔物だったのかよ。」
「三華月様。早くあいつを討伐して下さい!」
奴は私自身の手で殺処分するつもりではあったが、迷い無く人任せにするって、2人にはB級冒険者としてのプライドはないのかしら。
まぁ、雑魚二人に期待することなどあるはずないか。
さて、今しがた勇者を丸吞みしようとしていた十戒の行動は、攻撃というよりも、捕食しようとしていたように見えた。
何をするつもりだったのかしら。
その時である。
勇者を捕獲する理由を知るための、素晴らしい方法を閃いてしまった。
その最良の策は、実際に勇者を丸呑みさせてみて結果を見るのが一番だろ。
―――――――何よりも、十戒が勇者を丸飲みする映像が見てみたい。
それに勇者を放り投げても、回避できるのか興味もある。
背後にいるはずの180cm以上ある体格のいい男を捕獲するため、するりと手を伸ばした。
だが、私の手が空振りをしてしまっていた。
信じられないことに、この私が、クソ雑魚の勇者を捕獲し損ねてしまったのだ。
背後に視線をおくると、マトリック〇で銃弾を避けるように思いっきり体を後ろに反らせ、私が伸ばした手から逃れていたのだ。
勇者の奴、この短時間にまた一つ進化したのか。
「おい、三華月。今、俺を殺そうとしただろ!」
「殺そうとはしていません。迷宮主の十戒に勇者を放り投げてみようかと思っただけです。」
「どういうことだ。放り投げられてしまうと、勇者の俺があの魔物に丸吞みされてしまうじゃないか!」
「はい。あなたが飲み込まれる姿が見てみたいと思いました。」
「丸呑みする映像が見たかっただと。やっぱり俺を殺すつもりだったんだな!」
「まぁ、結果的にはそうなるのかもしれませんね。」
「ついに認めやがったな。三華月。お前、心は汚れているが一応聖女なんだろ。俺を殺してしまったら、信仰心が下がってしまうんじゃないのか!」
「心配して頂き有難うございます。ここの迷宮主を倒すために、勇者が勇敢に戦い、そして命を落としてしまったという筋書きであなたの死亡は処理できるかと思います。」
「聖女のくせに、おかしな改ざんをしてんじゃねぇぞ!」
「あなたを放置しておくより、あれの餌にする方が、勇敢でない勇者の有効活用になるとは思いませんか。」
「思うわけねぇだろ。俺は世界を救う勇者なんだぞ!」
勇者がこれ以上ないくらいにいきり立っている。
目の前にいるうんこに世界が救えるとは思えない。
無駄に生存スキルだけが高くなっているし。
自身を世界を救う者であると世迷言を言っている勇者の背後にいた強斥候が、呟く声が聞こえてきた。
「確かに三華月様の言っているとおりかもしれないです。ガリアンの有効活用がほとんど出来ていなかったっす。」
「三、三華月。もう一人忘れていないか。強斥候の有効活用も考えてみてもいいんじゃないか。」
勇者が強斥候をギロリと睨んでいた。
勇者の行動は、自分の命が危うくなると、仲間を巻き込もうとする悪党属性そのままだ。
2人の有効活用は要検討しておきましょう。
さて、少年の姿に変わっていた十戒を見ると、両手を挙げて降参のポーズをしていた。
「その勇者はもう投げる必要はないぞ。何だか駄目そうな扱いをされているようだし、もう食わない事にするわ。」
そうか。もう勇者を食べてくれないのか。
私の楽しみが減ってしまった。
それでは、何故ここに姿を現したのか分かりませんが、私を下僕にして従服させると宣言していた十戒を処刑させてもらいましょう。
―――――――私は運命の弓をスナイパーモードで召喚します。
全長3mの弓が現れると、少年の姿をした十戒が慌てた様子で、ボーっと成り行きを見守っていた飛燕を背中から羽交い絞めにした。
「待て待て待て。まだ聖女と戦うつもりはない。用があったのは飛燕なんだ。」
「俺に何をするつもりなんだ。」
暴れる飛燕を体格で劣る少年の姿をした十戒が、軽々と抑え込んでいる。
飛燕に何をするつもりなのかしら。
とにかく、このまま放置していたら、飛燕の身が危険であるように思える。
白翼のギルマス達を『ミラー』の効果にて惨殺した男ではあるが、その行為が正当防衛と判定されている以上、見殺しにすることは出来ない。
十戒へ『ロックオン』を発動しつつ、飛燕へ何をするつもりなのかを尋ねてみた。
「飛燕に用があるとは、どういうことでしょう。攫って何かをするつもりなのでしょうか。」
「違う、違う。いや、違わないか。俺は飛燕のスキルを美味しく俺が頂こうと思っているんだよ。」
スキルを美味しくいただくだと。
世界の記憶『アーカイブ』の中に『捕食』というスキルがある。
その名のとおり、生物を捕らえ食べることだ。
そして、このスキルの特徴は、捕食した者のスキルを自身のものにする効果がある。
奴は『捕食』の持ち主だったのか。
0
あなたにおすすめの小説
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記 2
mizuno sei
ファンタジー
地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。
不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。
旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜
あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」
貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。
しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった!
失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する!
辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。
これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる