91 / 142
第91話 ふざけた名前であるスイカップ杯について
しおりを挟む
高い位置に見える枝葉の隙間から青空が見えていた。
森の地表には、太陽光は届いていないせいで、苔が生い茂っている。
私は骸骨の大群に包囲されていた。
その個体数、1000以上。
新緑の香に混じり、森全体に死臭がまんえんしている。
正面には全身を黒マントで覆い隠している死霊王の影武者が立っていた。
影武者からの話しによると、藍倫はギャンブルをするためにS王国にやって来たらしい。
私のためにならない行動ばかりをする聖女である。
佐藤翔を保護されるという心配は無くなったものの、ここは藍倫の行動を早期に阻止しておく方が安全だろう。
このまま放置してしまうと、きっと有り金の全てをギャンブルにつぎ込み、そして無一文から始める無自覚英雄譚を始めかねない。
藍倫に獲物をさらわれては、私の信仰心に影響が出る可能性がある。
ここは、なんとしてギャンブルを阻止しなければいけない気がする。
影武者から、藍倫についても情報を引き出すことにした。
「影武者さん。藍倫がS王国に来た目的であるレースについての情報を教えて貰えませんか。」
「競馬です。明日、大陸3大レースと言われている『スイカップ杯』が開催されるそうですが、そのレースへ有り金全てを注ぎ込むと息巻いていたと聞いています。」
「スイカップ杯だと! 何ですか、その『おっぱい星人達』の欲望をそのまま名前にした低俗すぎる名称は!」
「おっぱい星人ですか。どうしておっぱい星人がいきなり出てくる話しになるのでしょうか。」
「どうしてって、スイカップとはスイカ並みに大きい胸の事を指しているからに決まっているからです。」
「三華月様。それは違います。スイカップ杯の名前の由来は、S王国の『S』と、スイカの名産地であるからと聞いております。」
駄目だ。
影武者は全然分かってないな。
スイカの名産地という理由で命名するとしたら、素直にスイカ杯にしておけよ。
そう。スイカップ杯に命名したなんて信じられるわけ無いぜ。
由々しき事態の陥っていると認識しました。
「うむ。ここは、スイカップ杯から、Aカップ杯に名称変更させるべきでしょうね。」
「え?」
骸骨達が何故か動揺し始めている。
おっぱい星人とは、服を着ている女の胸のサイズを言い当てようとする駄目な生き物であることを知らないのかしら。
ついでに国名も、S王国からA王国へ名称変更させた方が良いだろう。
影武者がうーんと唸りながら苦々しい口調で話し始めた。
「三華月様。『ねたみはその身の仇』ということわざをご存知でしょうか。他人を嫉妬することは、巡り巡って結局は自分の身にはね返ってくるものであるという意味です。巨乳を敵視する貧乳女は見でいられないと言いますか…」
――――――――――――バキ!
音速のブーメランフックが、死角となる軌道を描き影武者の頭部を撃ち抜いた。
フードで隠れている頭蓋骨を破壊した感触がある。
アンデッドで無ければ間違いなく死んでいる一撃だろう。
気が付くと、私の周囲を埋め尽くしているアンデッド達がゆっくり後退を始めていく。
何だか私の方が凶悪犯人みたいな扱いになっていませんか。
影武者がフードがめくれ、丸見えになった頭蓋骨を手で押さえながら立ち上がってきた。
「我々は痛みを感じないのですが、恐怖は覚えるのです。」
「『口は災いの元』ということわざの意味をご存知ですか?」
「不用意な発言が災いを招くという意味ですね。以後、気をつけます。」
「そう言えば先日、『意外です。三華月様って料理がつくれるのですか。』とお馬鹿な強斥候が失礼な事を言ってきましたので制裁鉄拳をした出来事を思いだしました。」
「なんて失礼なやつなのでしょうか。三華月様が料理をされないと誤解して、それを口にするなんて。」
「影武者さんの言う通りです。ちなみにですが、私は料理なんて出来ませんよ。」
「…。なるほど。」
その物凄くぎこちない言い回しは何でしょうか。
影武者の顔は骸骨なので表情を読む事が出来ないが、焦っている感じがする。
そもそも骸骨なのにどこから発声をしているのかしら。
まぁ骸骨なんぞに興味はないし、そんな事はどうでもいい。
「影武者さん達の目的は、死霊王を守る事なのでしょうか。」
「そうです。僕達はその使命を与えられて創造主に造られました。」
「既に私は、影武者さん達の創造主であるアンデッド王に対して、攻撃を加える動機は無くなりました。つまりあなた達に与えられた使命は無くなってしまったと言えますね。」
「はい。三華月様の言う通りたとすると、私達の存在意義は無くなりましまた。」
現在の第一優先事項は、ふざけた名前であるスイカップ杯の開催を叩き潰すこと。
これは神格を上げ、神の領域に近づきつつある私が人としてやり残していたものなのではないかという気がする。
ここは、目的を失った骸骨軍団に私のお手伝いをしてもらいましょう。
「影武者さん達は、創造主から与えられた使命を失ったらどうなるのでしょう。」
「やはり成仏するかと思います。」
「成仏する前に私の協力をしてもらえないでしょうか。」
「僕達が三華月様に協力をするのですか。」
影武者が一歩後退し、距離を空けた。
私を取り囲んでいた骸骨軍団達もザワザワ騒ぎ出している。
動揺が伝わってくる。
何故私に協力することに対して前向きになれない理由はないはず。
恐る恐るといった感じで影武者が、手伝う目的について尋ねてきた。
「三華月様。具体的に僕達は何をお手伝いすれば良いのでしょうか。」
「最初の目的は、『Sカップ杯』という名前を変えることです。あなたには出来ることから始めてもらいたく思います。」
「私達に出来ることからですか。」
「はい。S王国首都内で『スイカップ杯の名称変更を訴える』抗議デモをしてください。」
「私達がS王国内に進入するのでしょうか。」
「ご助力をお願いします。」
ザワザワしていたアンデッド軍団が静まり返った。
何かが起きる予兆がする。
そして、アンデッドの一個体が力なく倒れると、塵になり始めた。
成仏しているようだ。
続いて他の個体も次々に成仏し始めている。
神聖系な攻撃でも喰らっているのかしら。
影武者が私の疑問に対するフォローみたいなお別れを告げてきた。
「三華月様。使命が無くなったぼく達に新しい役目を与えてくれて有難うございます。ですが私達骸骨が街中に入ると、国内が大混乱するのではないかと思います。迷惑をかけたくないので、僕達はここで成仏する事にしました。」
影武者が別れの言葉を掛けてきた頃には、全ての骸骨達が成仏していた。
そして最後の一体となった影武者が塵になっている。
最近出会った者達の中では1番まともな者達だったのかもしれないな。
森の地表には、太陽光は届いていないせいで、苔が生い茂っている。
私は骸骨の大群に包囲されていた。
その個体数、1000以上。
新緑の香に混じり、森全体に死臭がまんえんしている。
正面には全身を黒マントで覆い隠している死霊王の影武者が立っていた。
影武者からの話しによると、藍倫はギャンブルをするためにS王国にやって来たらしい。
私のためにならない行動ばかりをする聖女である。
佐藤翔を保護されるという心配は無くなったものの、ここは藍倫の行動を早期に阻止しておく方が安全だろう。
このまま放置してしまうと、きっと有り金の全てをギャンブルにつぎ込み、そして無一文から始める無自覚英雄譚を始めかねない。
藍倫に獲物をさらわれては、私の信仰心に影響が出る可能性がある。
ここは、なんとしてギャンブルを阻止しなければいけない気がする。
影武者から、藍倫についても情報を引き出すことにした。
「影武者さん。藍倫がS王国に来た目的であるレースについての情報を教えて貰えませんか。」
「競馬です。明日、大陸3大レースと言われている『スイカップ杯』が開催されるそうですが、そのレースへ有り金全てを注ぎ込むと息巻いていたと聞いています。」
「スイカップ杯だと! 何ですか、その『おっぱい星人達』の欲望をそのまま名前にした低俗すぎる名称は!」
「おっぱい星人ですか。どうしておっぱい星人がいきなり出てくる話しになるのでしょうか。」
「どうしてって、スイカップとはスイカ並みに大きい胸の事を指しているからに決まっているからです。」
「三華月様。それは違います。スイカップ杯の名前の由来は、S王国の『S』と、スイカの名産地であるからと聞いております。」
駄目だ。
影武者は全然分かってないな。
スイカの名産地という理由で命名するとしたら、素直にスイカ杯にしておけよ。
そう。スイカップ杯に命名したなんて信じられるわけ無いぜ。
由々しき事態の陥っていると認識しました。
「うむ。ここは、スイカップ杯から、Aカップ杯に名称変更させるべきでしょうね。」
「え?」
骸骨達が何故か動揺し始めている。
おっぱい星人とは、服を着ている女の胸のサイズを言い当てようとする駄目な生き物であることを知らないのかしら。
ついでに国名も、S王国からA王国へ名称変更させた方が良いだろう。
影武者がうーんと唸りながら苦々しい口調で話し始めた。
「三華月様。『ねたみはその身の仇』ということわざをご存知でしょうか。他人を嫉妬することは、巡り巡って結局は自分の身にはね返ってくるものであるという意味です。巨乳を敵視する貧乳女は見でいられないと言いますか…」
――――――――――――バキ!
音速のブーメランフックが、死角となる軌道を描き影武者の頭部を撃ち抜いた。
フードで隠れている頭蓋骨を破壊した感触がある。
アンデッドで無ければ間違いなく死んでいる一撃だろう。
気が付くと、私の周囲を埋め尽くしているアンデッド達がゆっくり後退を始めていく。
何だか私の方が凶悪犯人みたいな扱いになっていませんか。
影武者がフードがめくれ、丸見えになった頭蓋骨を手で押さえながら立ち上がってきた。
「我々は痛みを感じないのですが、恐怖は覚えるのです。」
「『口は災いの元』ということわざの意味をご存知ですか?」
「不用意な発言が災いを招くという意味ですね。以後、気をつけます。」
「そう言えば先日、『意外です。三華月様って料理がつくれるのですか。』とお馬鹿な強斥候が失礼な事を言ってきましたので制裁鉄拳をした出来事を思いだしました。」
「なんて失礼なやつなのでしょうか。三華月様が料理をされないと誤解して、それを口にするなんて。」
「影武者さんの言う通りです。ちなみにですが、私は料理なんて出来ませんよ。」
「…。なるほど。」
その物凄くぎこちない言い回しは何でしょうか。
影武者の顔は骸骨なので表情を読む事が出来ないが、焦っている感じがする。
そもそも骸骨なのにどこから発声をしているのかしら。
まぁ骸骨なんぞに興味はないし、そんな事はどうでもいい。
「影武者さん達の目的は、死霊王を守る事なのでしょうか。」
「そうです。僕達はその使命を与えられて創造主に造られました。」
「既に私は、影武者さん達の創造主であるアンデッド王に対して、攻撃を加える動機は無くなりました。つまりあなた達に与えられた使命は無くなってしまったと言えますね。」
「はい。三華月様の言う通りたとすると、私達の存在意義は無くなりましまた。」
現在の第一優先事項は、ふざけた名前であるスイカップ杯の開催を叩き潰すこと。
これは神格を上げ、神の領域に近づきつつある私が人としてやり残していたものなのではないかという気がする。
ここは、目的を失った骸骨軍団に私のお手伝いをしてもらいましょう。
「影武者さん達は、創造主から与えられた使命を失ったらどうなるのでしょう。」
「やはり成仏するかと思います。」
「成仏する前に私の協力をしてもらえないでしょうか。」
「僕達が三華月様に協力をするのですか。」
影武者が一歩後退し、距離を空けた。
私を取り囲んでいた骸骨軍団達もザワザワ騒ぎ出している。
動揺が伝わってくる。
何故私に協力することに対して前向きになれない理由はないはず。
恐る恐るといった感じで影武者が、手伝う目的について尋ねてきた。
「三華月様。具体的に僕達は何をお手伝いすれば良いのでしょうか。」
「最初の目的は、『Sカップ杯』という名前を変えることです。あなたには出来ることから始めてもらいたく思います。」
「私達に出来ることからですか。」
「はい。S王国首都内で『スイカップ杯の名称変更を訴える』抗議デモをしてください。」
「私達がS王国内に進入するのでしょうか。」
「ご助力をお願いします。」
ザワザワしていたアンデッド軍団が静まり返った。
何かが起きる予兆がする。
そして、アンデッドの一個体が力なく倒れると、塵になり始めた。
成仏しているようだ。
続いて他の個体も次々に成仏し始めている。
神聖系な攻撃でも喰らっているのかしら。
影武者が私の疑問に対するフォローみたいなお別れを告げてきた。
「三華月様。使命が無くなったぼく達に新しい役目を与えてくれて有難うございます。ですが私達骸骨が街中に入ると、国内が大混乱するのではないかと思います。迷惑をかけたくないので、僕達はここで成仏する事にしました。」
影武者が別れの言葉を掛けてきた頃には、全ての骸骨達が成仏していた。
そして最後の一体となった影武者が塵になっている。
最近出会った者達の中では1番まともな者達だったのかもしれないな。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
領民の幸福度がガチャポイント!? 借金まみれの辺境を立て直す【領地ガチャ】が最強すぎた!内政でUR「温泉郷」と「聖獣」を引き当てて…
namisan
ファンタジー
「役立たず」と中央から追放された没落貴族の俺、アルト・フォン・クライナー。継いだのは、借金まみれで作物も育たない見捨てられた辺境領地だけだった。
絶望する俺に発現したスキルは【領地ガチャ】。それは、領民の「幸福度」をポイントとして消費し、領地発展に必要なものを引き当てる唯一無二の能力だった。
「領民を幸せにすれば、領地も豊かになる!」
俺は領民と共に汗を流し、壊れた水路を直し、地道に幸福度を稼ぐ。
『N:ジャガイモの種』『R:土木技術書』
地味だが確実な「当たり」で、ほのぼのと領地を再建していく。
だが、ある日。溜め込んだ幸福度で引いたガチャが、俺の運命を激変させる。
『UR(ウルトラレア):万病に効く【奇跡の温泉郷】』
この「当たり」が、中央の腐敗した貴族たちの欲望を刺激した。
借金のカタに領地を狙う大商会の令嬢。
温泉利権を奪うため、父の命で派遣されてきた元婚約者の侯爵令嬢。
「領民の幸福(ガチャポイント)を脅かす者は、誰であっても許さない」
これは、ただ平穏に暮らしたかっただけの俺が、ガチャで得た力(と証拠とゴーレムと聖獣)を駆使し、ほのぼの領地を守り抜き、いつの間にか最強の領主として成り上がっていく物語。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる