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第137話 ウェーイ。グータッチ。
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トンネル状になった回廊内には淀みない空気が流れていた。
快適な温度と湿度に調整されており、過ごしやすい環境が整えられている。
ここまで掘削してきた工作機達は静かに出番を待つように、動きを止めていた。
背後からは、少年神官と土竜がわけの分からない話しをしている声が聞こえてきている。
正面には、空間を歪め、回廊内の床を水状の変化させた赤色RARE種が、こちらを見つめていた。
一族を殺さないでほしいと懇願するためにここへ侵入し、更に忠誠を誓うと申しいれをしてきた。
<我が一族は、三華月様へ忠誠を誓います。>
「私には配下を増やしたいというような願望はありません。忠誠とういものは不要です。むしろ邪魔なものにさえにも思えます。」
<我々は、三華月様の奴隷として信仰心を献上するため、目一杯の努力をするとお約束させてもらいます。>
「今、なんと言われました。」
<信仰心を献上すると言いました。>
「信仰心ですか。」
<はい。私達は受けた恩は忘れません。どうか我等一族を殺さないで下さい。>
「もしかして、信仰心という餌をばら撒いておけば、私という聖女が何とかかなるとでも考えているのでしょうか?」
<はい。そう聞いております。>
「え。どう話しを聞いているのか、もう少し詳しく教えて下さい。」
<『三華月様には『とりあえず信仰心を献上する。』と言っておけば、なんでもOKだと聞きました。>
おいおいおい。
最も神格の高い聖女のことを、なんだと思っているのかしら。
――――――まさしく、信仰心が稼げるならば、何でもオールOKだ。
私の核心をついているではないか。
うむ。私の思考は至極単純であり、チョロい聖女であることを認めよう。
赤色RARE種へ、誰が入れ知恵したかと言えば聖女・藍倫だろう。
四十九と月姫は魔界に行っている。
そう。そんなことを言う者は、チョイ太った体型の聖女しかいない。
だが、藍倫は魔物と会話が出来なかったはず。
どうやって、赤色RARE種とコミュニケーションを図ったのかしら。
「赤色RARE種さん。質問があります。」
<何なりと聞いて下さい。>
「あなたへ私がチョロい聖女だという情報を与えた者は、肥満体型の聖女で間違いないでしょうか。」
<はい。聖女・藍倫様で相違ございません。>
「だが、藍倫は、魔物であるあなたと会話が出来ないはずです。」
<参賢者であるペンギン様に通訳してもらいました。>
「ペンギンさんですか?」
<藍倫様の護衛役である黒マント様が、ペンギン様を連れてきたのです。>
黒マントと呼ばれている死霊王は『千里眼』と『転移』を使いこなす。
ペンギンを見つけることも、連れてくることも可能だろう。
そして、地上世界で最も演算能力が高いペンギンならば、赤色RARE種との会話を行うことは難しくない。
赤色RARE種の話しには整合性があるというわけか。
私の信仰心のために働いてもらえるのならばイルカ擬き達を処刑する理由はない。
むしろ感謝する存在だ。
はい。赤色RARE種からのお願いは、全面的に聞き入れさせてもらいます。
イルカ擬き達は、摩凛に『テイム』され隷属契約をしているものの、実際は開放されることを望んでいた。
まずは、そこから対応しなければならないか。
『テイム』とは奴隷契約に類似している。
赤色RARE種の心臓に、隷属の鎖が巻き付けられているのだ。
「承知しました。あなたから頂きました提案を飲むことにしましょう。」
<三華月様。有難うございます。>
「そこでまず一つ問題があります。」
<摩凛との従属契約の件のことですね。>
「そうです。あなたの心臓には隷属の鎖が巻かれております。」
<はい。摩凛に『テイム』され、私の心臓に巻かれている隷属の鎖を何とかしてもらえないでしょうか。>
「私がその鎖を破壊して差し上げましょう。」
<有難うございます。>
「そして、私の加護を刻んでおけば、地上世界でも生きることが可能となります。」
静かに私の言葉を聞いていた少年神官と土竜は、満面の笑みをあげながら「ウェーイ」と言いながらハイタッチを交わし始めた。
更に少年神官と土竜は、手を上げてきた赤色RARE種へ近づき「ウェーイ」と言いながらグータッチをしている。
あなた達は、馬鹿騒ぎが大好きなパーティピープルだったのかよ。
それでは『SKILL_VIRUS』を撃ち込んで差し上げましょう。
鎖の崩壊が開始された手応えがきた。
続けて赤色RARE種へ私の加護を刻みこんだ。
摩凛によって心臓に巻かれている『従属の鎖』が完全消滅するには1週間程度の時間が必要だ。
だが、これで、七武列島が食料不足に陥っている問題が解決するはず。
とはいうものの、神託が完了したお告げが降りてこないのは何故なのかしら。
まだ何か見落としている点があるのだろうか。
赤色RARE種へ視線を送り、質問をしてみた。
「私には、七武列島が食料不足に陥っている問題を解決する使命があります。」
<三華月様。私達を解放してもらったにもかかわらず、まだ、その問題が解決できていないということですか。>
「はい。やはり、あなたを抹殺する必要があるもかもしれません。」
<お待ちください。おそらくそれは、『ガルグイユ』という海竜のせいだと思います。>
「海龍ですか。」
赤色RARE種が爆弾発言をしてきた。
その生き物って、生態系の頂点に君臨する龍ではないか。
いくら摩凛がS級スキルの使い手でも、海竜を従えられるはずがない。
そもそもであるが、七武列島の近海から魚が消えてしまったのは、その海竜のせいなのではなかろうか。
何だか、どっと疲れが押し寄せてきた。
快適な温度と湿度に調整されており、過ごしやすい環境が整えられている。
ここまで掘削してきた工作機達は静かに出番を待つように、動きを止めていた。
背後からは、少年神官と土竜がわけの分からない話しをしている声が聞こえてきている。
正面には、空間を歪め、回廊内の床を水状の変化させた赤色RARE種が、こちらを見つめていた。
一族を殺さないでほしいと懇願するためにここへ侵入し、更に忠誠を誓うと申しいれをしてきた。
<我が一族は、三華月様へ忠誠を誓います。>
「私には配下を増やしたいというような願望はありません。忠誠とういものは不要です。むしろ邪魔なものにさえにも思えます。」
<我々は、三華月様の奴隷として信仰心を献上するため、目一杯の努力をするとお約束させてもらいます。>
「今、なんと言われました。」
<信仰心を献上すると言いました。>
「信仰心ですか。」
<はい。私達は受けた恩は忘れません。どうか我等一族を殺さないで下さい。>
「もしかして、信仰心という餌をばら撒いておけば、私という聖女が何とかかなるとでも考えているのでしょうか?」
<はい。そう聞いております。>
「え。どう話しを聞いているのか、もう少し詳しく教えて下さい。」
<『三華月様には『とりあえず信仰心を献上する。』と言っておけば、なんでもOKだと聞きました。>
おいおいおい。
最も神格の高い聖女のことを、なんだと思っているのかしら。
――――――まさしく、信仰心が稼げるならば、何でもオールOKだ。
私の核心をついているではないか。
うむ。私の思考は至極単純であり、チョロい聖女であることを認めよう。
赤色RARE種へ、誰が入れ知恵したかと言えば聖女・藍倫だろう。
四十九と月姫は魔界に行っている。
そう。そんなことを言う者は、チョイ太った体型の聖女しかいない。
だが、藍倫は魔物と会話が出来なかったはず。
どうやって、赤色RARE種とコミュニケーションを図ったのかしら。
「赤色RARE種さん。質問があります。」
<何なりと聞いて下さい。>
「あなたへ私がチョロい聖女だという情報を与えた者は、肥満体型の聖女で間違いないでしょうか。」
<はい。聖女・藍倫様で相違ございません。>
「だが、藍倫は、魔物であるあなたと会話が出来ないはずです。」
<参賢者であるペンギン様に通訳してもらいました。>
「ペンギンさんですか?」
<藍倫様の護衛役である黒マント様が、ペンギン様を連れてきたのです。>
黒マントと呼ばれている死霊王は『千里眼』と『転移』を使いこなす。
ペンギンを見つけることも、連れてくることも可能だろう。
そして、地上世界で最も演算能力が高いペンギンならば、赤色RARE種との会話を行うことは難しくない。
赤色RARE種の話しには整合性があるというわけか。
私の信仰心のために働いてもらえるのならばイルカ擬き達を処刑する理由はない。
むしろ感謝する存在だ。
はい。赤色RARE種からのお願いは、全面的に聞き入れさせてもらいます。
イルカ擬き達は、摩凛に『テイム』され隷属契約をしているものの、実際は開放されることを望んでいた。
まずは、そこから対応しなければならないか。
『テイム』とは奴隷契約に類似している。
赤色RARE種の心臓に、隷属の鎖が巻き付けられているのだ。
「承知しました。あなたから頂きました提案を飲むことにしましょう。」
<三華月様。有難うございます。>
「そこでまず一つ問題があります。」
<摩凛との従属契約の件のことですね。>
「そうです。あなたの心臓には隷属の鎖が巻かれております。」
<はい。摩凛に『テイム』され、私の心臓に巻かれている隷属の鎖を何とかしてもらえないでしょうか。>
「私がその鎖を破壊して差し上げましょう。」
<有難うございます。>
「そして、私の加護を刻んでおけば、地上世界でも生きることが可能となります。」
静かに私の言葉を聞いていた少年神官と土竜は、満面の笑みをあげながら「ウェーイ」と言いながらハイタッチを交わし始めた。
更に少年神官と土竜は、手を上げてきた赤色RARE種へ近づき「ウェーイ」と言いながらグータッチをしている。
あなた達は、馬鹿騒ぎが大好きなパーティピープルだったのかよ。
それでは『SKILL_VIRUS』を撃ち込んで差し上げましょう。
鎖の崩壊が開始された手応えがきた。
続けて赤色RARE種へ私の加護を刻みこんだ。
摩凛によって心臓に巻かれている『従属の鎖』が完全消滅するには1週間程度の時間が必要だ。
だが、これで、七武列島が食料不足に陥っている問題が解決するはず。
とはいうものの、神託が完了したお告げが降りてこないのは何故なのかしら。
まだ何か見落としている点があるのだろうか。
赤色RARE種へ視線を送り、質問をしてみた。
「私には、七武列島が食料不足に陥っている問題を解決する使命があります。」
<三華月様。私達を解放してもらったにもかかわらず、まだ、その問題が解決できていないということですか。>
「はい。やはり、あなたを抹殺する必要があるもかもしれません。」
<お待ちください。おそらくそれは、『ガルグイユ』という海竜のせいだと思います。>
「海龍ですか。」
赤色RARE種が爆弾発言をしてきた。
その生き物って、生態系の頂点に君臨する龍ではないか。
いくら摩凛がS級スキルの使い手でも、海竜を従えられるはずがない。
そもそもであるが、七武列島の近海から魚が消えてしまったのは、その海竜のせいなのではなかろうか。
何だか、どっと疲れが押し寄せてきた。
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