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能力発現
殺害衝動 2019/6/22
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2019 6月22日。 梅雨。
「流石は、小崎真梅雨。話に聞いた通りの天才だねこりゃ。過去の出来事を、簡潔にされど要旨を漏らさず、ここまで上手く伝える技術、普通の高校生にはないよ」
関心、関心、と頷きながら、舞田峰子と自称した女は、キーボードで私の話を打ち込んでいく。この女に心を許したわけではないのだが、言われるままに、私のこれまでの人生と、謎の能力でカエルを殺してから、友人の家を出るまでを説明した。
何故話したのかは自分でも分からない。話さなかったら拷問にかけられるなんてこともなさそうなのに。私に限って、嫌な体験を誰かに相談したからって気が軽くなるなんてことは無いし、そんなに可愛げのある性格でもない。だとしたら、悔しいが原因は、アンリアルな雰囲気を鋭敏に漂わす目の前の女にあるのだろう。
この女もこの女で、私の、自分でもバカらしいと思う話を、すんなりと受け入れる。
一方、江藤海斗と紹介された男は、私の後ろに立ったまま、さっきから何も喋らない。
「で、そのあと家に帰って君はどうしたんだい? そうだな……ちょうど、最初の動物殺しのあった夜だ」
舞田峰子は、パソコンの画面と向かい合ったまま続きを促す。
「流石は、小崎真梅雨。話に聞いた通りの天才だねこりゃ。過去の出来事を、簡潔にされど要旨を漏らさず、ここまで上手く伝える技術、普通の高校生にはないよ」
関心、関心、と頷きながら、舞田峰子と自称した女は、キーボードで私の話を打ち込んでいく。この女に心を許したわけではないのだが、言われるままに、私のこれまでの人生と、謎の能力でカエルを殺してから、友人の家を出るまでを説明した。
何故話したのかは自分でも分からない。話さなかったら拷問にかけられるなんてこともなさそうなのに。私に限って、嫌な体験を誰かに相談したからって気が軽くなるなんてことは無いし、そんなに可愛げのある性格でもない。だとしたら、悔しいが原因は、アンリアルな雰囲気を鋭敏に漂わす目の前の女にあるのだろう。
この女もこの女で、私の、自分でもバカらしいと思う話を、すんなりと受け入れる。
一方、江藤海斗と紹介された男は、私の後ろに立ったまま、さっきから何も喋らない。
「で、そのあと家に帰って君はどうしたんだい? そうだな……ちょうど、最初の動物殺しのあった夜だ」
舞田峰子は、パソコンの画面と向かい合ったまま続きを促す。
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