この学園では個性的なキャラを演じてください、と言われたので「遅刻」ばっかしてみた。

七槻夏木

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厨二と作家とシャーロキアン

体育の球技と生理の周期 ①

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 「という訳で、何か出たい競技がある人は後で挙手してもらうから。今から10分間くらい時間を取るんで、周りの人と自由に相談なりしてオッケーだよ」

「いつも手際のいい司会、ありがとう!小佐野君。」

「いえ、浅川先生。みんなしっかり話を聞いてくれるので。先生の指導の賜物です」

 今は、一週間先に迫る傘信かさの学園春の球技大会の選手を決めるためのホームルームの時間だ。他の仕事が立て込んでいて、遅れる浅川美穂先生の代わりに男子学級委員である小佐野慎司が簡単な説明を終えた所だ。と言っても俺たち三年生にとっては、三回目のヤマ○キ春のパンまつ……傘信学園春の球技大会だ。説明は、形式的なものに過ぎない。

 女子学級委員の後井登葉が丁寧な文字で競技を前に書き出しているのを見ても、去年と変更点はなさそうだ。

 男子バスケ(5人)
 男子サッカー(9人)

 女子バトミントン(2人)×2
 女子バレー(7人)

 俺たち四組は、男子二十人、女子二十人の計四十人だ。今日は休みがいないから、ちょうど四十人いるはずだ。ちゅうちゅうタコかい……あれ、!?一人足りない!……おっと、危ない。九院くいん未子みこを数え忘れていたぜ。

 このように、全員が必ずしも何かの種目に出る必要はない。運動が苦手な奴は出なくていいのだ。ついでに、俺みたいに運動部のノリが苦手な奴も出なくていい。ほら、俺、苦手なんだよね。運動部のウェーイってノリ。特に、尾上君とか。他には、チャラ尾上君とかの。

 ちなみに、尾上連太郎君は、バスケ部です。
 要らないね、この情報。

 それに、種目に出なくても出来ることは多い。例えばキャラを恋する乙女に設定している女の子は、好きな男子の応援に行けばいいし、キャラを気遣いのできる人に設定している者は、クラス全員にオニギリを作ってくるなどだ。

 運動が苦手な者にも選択肢があるのは、キャラ制を採用し、一人一人の個性を超尊重しているこの傘信学園ならではと言えるだろう。

「っしゃー!俺はサッカーにするぜ!」

 尾上が大きな声を上げる。そしてチラチラと女子生徒の方を見ている。尾上が応援に来て欲しそうに女子生徒を見ている。応援に行ってあげますか?いいえ。

 尾上、チャラくてバスケ部で顔が悪い訳でもないのに、全くモテないって…。まあ、ウザいし仕方ないね!これ、一種の才能だろ。

 ちなみに尾上がバスケ部なのにサッカーを選択しているのは、自分の部活の種目には参加できないというルールがあるからだ。

 経験者がクラスによって偏ると公平じゃないからだろう。最優秀クラスになるには、上手く演技しつつ、行事やテストで良い成績を出すことが必要なのだ。だから、パンのキャンペーンみたいな名前の球技大会一つといえど、疎かにはできない。
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