この学園では個性的なキャラを演じてください、と言われたので「遅刻」ばっかしてみた。

七槻夏木

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厨二と作家とシャーロキアン

砂糖のような ②

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「おーい、おーい、千川君、聞いてる?」

 いかんいかん、瑞浪との淡い思い出に耽っていたら、会話が耳に入っていなかったようだ。

「お、聞いてる聞いてる。で、何の話だっけ?」

「もー、全然聞いてないじゃん!」

 佐藤は、ほっぺを膨らませるとジト目でこちらを見て冗談っぽく、ぷんぷんと怒る。

「いや、すまん。すまん」

「今日の本題についてだよ」

「おー、そういえばそうだったな」

 俺と佐藤が今日、こうして会っているのは、他でもない江波と九院からの依頼について話し合うためだ。悲しいかなデートではない。
 後井はあんなだし、それに何か大事な用事があると言っていたらしい。小佐野は、朝から昼過ぎにかけてサッカーの一日練習があり、夕方頃からは俺たちと一緒にバスケの練習があり時間が取れなかった。その為に、俺と佐藤が話し合うことになった。

「今回の依頼のことなんだけど」

「お客様、失礼します。コーヒーをお持ちしました。ごゆっくりどうぞ」

「ありがとうございます」

 佐藤はにっこりとお礼を言った。

 砂糖は、角佐藤とガムシロップをコーヒーに溶か……佐藤は、角砂糖どガムシロップをコーヒーに混ぜなら話の続きを話しはじめた。

「今回の依頼を解決できるかもしれない良い方法があるよね」

 俺は、それに首肯して答えた。

「ああ、そうだな。丁度お前が今、でやっているようにするんだろ?」

「さすがは、千川君ご明察」

 どうやら、佐藤は俺と同じ考えに達していたらしい。

「ざっくりいうと、今の状況はこうだ。江波は解決するような事件が学校で起きなくて困ってる。九院は日常の謎ジャンルの小説の最後のピースとなる事件が何も思いつかない」

 佐藤は無言で頷く。

「なら、話しは早い。やる事は決まっているな。江波が九院の話にピッタリとおさまる事件とトリックを考え、それを九院が小説にする。都合のいい、二つの依頼を混ぜ合わせれば、これで、同時解決だ」

「うん、私も同じ考え。以心伝心だね」

「いや、そんなんじゃないだろ。ここまでパズルのピースが揃えば、誰でも答えにたどり着く」

 佐藤のようなかわいらしい女の子と以心伝心というのが何だか恥ずかしくて、頬を掻く。

「でも、やっぱり千川君はすごいね。こんなこと思い付くなんて」

「いや、何でだよ。お前も同じこと考えてたんだろ。それに俺なんかただの遅刻魔だぞ。江波や九院の方がよっぽど立派だ」

 佐藤は二年生の時くらいからか、たまに俺のことを過大評価してくる時がある。隣の席で女子の中ではよく喋る方だと思うが、不思議とコイツがニコニコ笑顔の下で何を考えているのか、未だに分からない。

「ううん、千川君はただの遅刻魔なんかじゃないよ。遅刻するキャラっていうのは、遅刻さえしとけば後は自由に生活できるからそうしたんでしょ」
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