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第7章
閑話:白狼の憂鬱(1)
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アーロン・ジラートは、昨夜のノドルドン商会の捕り物についての事情聴取を終えて、自宅のベッドにうつぶせに倒れこんだところだった。
金色に輝くくせ毛長い髪が、窓の隙間から漏れる朝日に反射してキラキラと輝いている。
「う~、しんど~」
アーロンは獣人である白狼族と人族のハーフだ。
金髪からは白い耳が、尻にはふさふさの白い尻尾が力なく垂れ下がっている。
帰宅後、アーロンは着替えもせず、ボロボロの状態だ。何せ、昨夜は、かなりの大捕り物だったのだ。
ノドルドン商会と言えば、シャイアール王国の商人ギルドの中でも五本の指に入るほどの大店。そして、ノドルドン商会の跡継ぎ、ラオル・ノドルドンは、アーロンの年の離れた姉、ライラの夫でもある。
その大店の倉庫を狙う盗賊どもの襲撃があったのだ。
事前にその情報がわかっていて、ここ数日、手ぐすね引いて待って網を張っていたアーロンたちであったのだが、予想以上の大人数での襲撃に手こずってしまった。
「ねぇちゃん、人使い荒過ぎだろ……」
そう呟いてしばらくすると、スース―と寝息をたてはじめていた。
完全に寝入ってしまっている。
時より、鳥の鳴き声も聞こえてきていたのだが。
ドンドンドン!
アーロンの部屋のドアが激しく叩かれた。
しかし、意識を失うように寝てしまったアーロンには届かない。
ドンドンドン! ドドドドドドドドドン!
ドカンッ!
「アーロン叔父さんっ! 起きろっ!」
激しくドアが壊れる音がして、飛び込んできたのは、ヤコフ・ノドルドン。アーロンの甥っ子にあたる。修行も兼ねて、行商人として、シャイアール王国内をあちこち旅をしているが、三人の子供のいる子煩悩な男である。
アーロンが白狼族の特徴である耳や尻尾があるのに対し、ヤコフは白狼族と人族とのクォーターのため、ほとんど人族と変わらない外見になっている。ただし、一般的な人族よりも力が強いので……このようにドアが壊されることもある。
「叔父さんっ!」
ヤコフはベッドに倒れこんで寝ているアーロンの肩をグイグイと揺らす。
「叔父さんっ、起きてくれよっ!」
叔父さん、と呼んでいるが、実際にはアーロンの方が少しだけ年下である。
「んだよぉ~、寝かせてくれよぉ~」
「そ、それどころじゃないんだよっ」
「くそっ、やって寝られると思ったのに」
むくりと起き上がると、ベッドに腰かけ、目の前にいるヤコフを睨みつける。
「……大した事なかったら、てめぇ、覚えてろよ」
「うっ、そ、それは、母さんに言ってくれよ、お、俺は母さんに言われて来たんだし」
「ねぇちゃんかよ……ったく、俺は体のいい使用人じゃねぇぞっ」
そうは言っても、長女である姉、ライラはかなり年が離れており、今は亡き母親代わりに、アーロンを育ててくれた相手でもある。
頭をガシガシとかきながら、ヤコフに目を向け、顎で話を促した。
金色に輝くくせ毛長い髪が、窓の隙間から漏れる朝日に反射してキラキラと輝いている。
「う~、しんど~」
アーロンは獣人である白狼族と人族のハーフだ。
金髪からは白い耳が、尻にはふさふさの白い尻尾が力なく垂れ下がっている。
帰宅後、アーロンは着替えもせず、ボロボロの状態だ。何せ、昨夜は、かなりの大捕り物だったのだ。
ノドルドン商会と言えば、シャイアール王国の商人ギルドの中でも五本の指に入るほどの大店。そして、ノドルドン商会の跡継ぎ、ラオル・ノドルドンは、アーロンの年の離れた姉、ライラの夫でもある。
その大店の倉庫を狙う盗賊どもの襲撃があったのだ。
事前にその情報がわかっていて、ここ数日、手ぐすね引いて待って網を張っていたアーロンたちであったのだが、予想以上の大人数での襲撃に手こずってしまった。
「ねぇちゃん、人使い荒過ぎだろ……」
そう呟いてしばらくすると、スース―と寝息をたてはじめていた。
完全に寝入ってしまっている。
時より、鳥の鳴き声も聞こえてきていたのだが。
ドンドンドン!
アーロンの部屋のドアが激しく叩かれた。
しかし、意識を失うように寝てしまったアーロンには届かない。
ドンドンドン! ドドドドドドドドドン!
ドカンッ!
「アーロン叔父さんっ! 起きろっ!」
激しくドアが壊れる音がして、飛び込んできたのは、ヤコフ・ノドルドン。アーロンの甥っ子にあたる。修行も兼ねて、行商人として、シャイアール王国内をあちこち旅をしているが、三人の子供のいる子煩悩な男である。
アーロンが白狼族の特徴である耳や尻尾があるのに対し、ヤコフは白狼族と人族とのクォーターのため、ほとんど人族と変わらない外見になっている。ただし、一般的な人族よりも力が強いので……このようにドアが壊されることもある。
「叔父さんっ!」
ヤコフはベッドに倒れこんで寝ているアーロンの肩をグイグイと揺らす。
「叔父さんっ、起きてくれよっ!」
叔父さん、と呼んでいるが、実際にはアーロンの方が少しだけ年下である。
「んだよぉ~、寝かせてくれよぉ~」
「そ、それどころじゃないんだよっ」
「くそっ、やって寝られると思ったのに」
むくりと起き上がると、ベッドに腰かけ、目の前にいるヤコフを睨みつける。
「……大した事なかったら、てめぇ、覚えてろよ」
「うっ、そ、それは、母さんに言ってくれよ、お、俺は母さんに言われて来たんだし」
「ねぇちゃんかよ……ったく、俺は体のいい使用人じゃねぇぞっ」
そうは言っても、長女である姉、ライラはかなり年が離れており、今は亡き母親代わりに、アーロンを育ててくれた相手でもある。
頭をガシガシとかきながら、ヤコフに目を向け、顎で話を促した。
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