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第8章
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ギルドでそこそこ良い宿を紹介されて、俺たちはその宿に泊まることにした。
――やっと、本当にやっと、ベッドで眠れるっ!
部屋に入った途端、目の前に置かれた大きなベッドの上に、よいしょよいしょと、よじ登る。ああ、地面なんかよりも、なんて魅惑的な柔らかさかっ!
倒れこんで、思わずシーツをなでなでしてしまう。
「ハル、俺はちょっとでかけてくるから、お前はここで休んでろ」
大き目な荷物をどさりと床に置くと、俺の返事を聞くまでもなく、へリウスはそのまま出ていった。しっかりドアには鍵をかけて。
俺も中身は子供じゃないんだから、勝手に出ていくつもりはないんだが、へリウスにしてみれば、当たり前の行動だったのだろう。
俺は俺で、町への好奇心よりも、ベッドの誘惑の方が何倍にも強く、睡魔が襲ってくるのはあっという間。そのまま、ぷつりと意識を失った。
次に目を覚ました時には、部屋の中は真っ暗で、俺はきっちり上掛けをかけられている。へリウスが戻ってきたのだろう。ただ、この部屋には今はいないところをみると、下にあった食堂にでも行ってるのかもしれない。
そんなことを思ったら、『くぅ~』っと、小さく腹の虫が鳴いた。
「そりゃ、腹も減るか」
移動中は干し肉をしゃぶったりしてたけれど、この町に着いて、すぐにギルドや宿に入ってしまったせいで、何も食べる暇がなかったのだ。せっかくなら、なんか、ガッツリした物が食いたい。
俺は身体を起こし、ベッドから飛び降りた。外に出ようとドアに近寄るが、ノブがちょっと高い所にあって使えない。
「むぅ、へリウスが戻るまで、外に行けないのか」
思わず唇を尖らして、ぶつぶつ文句を言っていると、外の廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえた。もしかして、へリウス? と思ってドアが開くのを待ち構えたが。
ガタガタガタガタッ
強引にドアを開けようとしているようだ。
――へリウスなら鍵を持っているはずだ。こんな開け方をするわけがない。
俺は慌ててベッドの下の隙間へと隠れて、息をひそめる。よく考えてみれば、Aランクの冒険者で獣人のへリウスが足音を立てるわけがないのだ。
――泥棒?
町に到着して早々、そんな物騒なことに遭遇することになるとは思いもしなかった俺は、不機嫌な顔になる。
ドアの前にいるだろう不審者は、しばらくガタガタいわしていたが、何があったのか、慌てたようにドアの前から去っていった。
「なんだったんだよ、いったい」
俺はしばらくベッドの下で隠れていた。ジッと見ていると、いきなりドアが普通に開いた。
「ハル?」
へリウスだ。
俺は慌ててベッドの下から這いずり出ると、へリウスの足に抱きついた。
「どうした」
優しいへリウスの声とともに、頭を撫でられた俺。しばらくは無言だったけれど、大きくため息をついて顔を上げた。
「なんか、誰かが部屋のドアを開けようとしてた」
俺は泣きそうな声になっていた。
自分でも、内心、驚いていてしまったが、思った以上に怖いと感じていたようだ。
そんな俺を、へリウスは抱き上げ、ギュッと抱きしめてくれた。
「そうか、怖かったな……部屋の鍵だけじゃ、不安だな。アレを買っといて正解かもしれんな」
窓の外へと目を向けたへリウスは、かなり怖い顔をしている。
でも、へリウスがいれば、俺は大丈夫だ、そんな気がした。
――やっと、本当にやっと、ベッドで眠れるっ!
部屋に入った途端、目の前に置かれた大きなベッドの上に、よいしょよいしょと、よじ登る。ああ、地面なんかよりも、なんて魅惑的な柔らかさかっ!
倒れこんで、思わずシーツをなでなでしてしまう。
「ハル、俺はちょっとでかけてくるから、お前はここで休んでろ」
大き目な荷物をどさりと床に置くと、俺の返事を聞くまでもなく、へリウスはそのまま出ていった。しっかりドアには鍵をかけて。
俺も中身は子供じゃないんだから、勝手に出ていくつもりはないんだが、へリウスにしてみれば、当たり前の行動だったのだろう。
俺は俺で、町への好奇心よりも、ベッドの誘惑の方が何倍にも強く、睡魔が襲ってくるのはあっという間。そのまま、ぷつりと意識を失った。
次に目を覚ました時には、部屋の中は真っ暗で、俺はきっちり上掛けをかけられている。へリウスが戻ってきたのだろう。ただ、この部屋には今はいないところをみると、下にあった食堂にでも行ってるのかもしれない。
そんなことを思ったら、『くぅ~』っと、小さく腹の虫が鳴いた。
「そりゃ、腹も減るか」
移動中は干し肉をしゃぶったりしてたけれど、この町に着いて、すぐにギルドや宿に入ってしまったせいで、何も食べる暇がなかったのだ。せっかくなら、なんか、ガッツリした物が食いたい。
俺は身体を起こし、ベッドから飛び降りた。外に出ようとドアに近寄るが、ノブがちょっと高い所にあって使えない。
「むぅ、へリウスが戻るまで、外に行けないのか」
思わず唇を尖らして、ぶつぶつ文句を言っていると、外の廊下を誰かが歩いてくる音が聞こえた。もしかして、へリウス? と思ってドアが開くのを待ち構えたが。
ガタガタガタガタッ
強引にドアを開けようとしているようだ。
――へリウスなら鍵を持っているはずだ。こんな開け方をするわけがない。
俺は慌ててベッドの下の隙間へと隠れて、息をひそめる。よく考えてみれば、Aランクの冒険者で獣人のへリウスが足音を立てるわけがないのだ。
――泥棒?
町に到着して早々、そんな物騒なことに遭遇することになるとは思いもしなかった俺は、不機嫌な顔になる。
ドアの前にいるだろう不審者は、しばらくガタガタいわしていたが、何があったのか、慌てたようにドアの前から去っていった。
「なんだったんだよ、いったい」
俺はしばらくベッドの下で隠れていた。ジッと見ていると、いきなりドアが普通に開いた。
「ハル?」
へリウスだ。
俺は慌ててベッドの下から這いずり出ると、へリウスの足に抱きついた。
「どうした」
優しいへリウスの声とともに、頭を撫でられた俺。しばらくは無言だったけれど、大きくため息をついて顔を上げた。
「なんか、誰かが部屋のドアを開けようとしてた」
俺は泣きそうな声になっていた。
自分でも、内心、驚いていてしまったが、思った以上に怖いと感じていたようだ。
そんな俺を、へリウスは抱き上げ、ギュッと抱きしめてくれた。
「そうか、怖かったな……部屋の鍵だけじゃ、不安だな。アレを買っといて正解かもしれんな」
窓の外へと目を向けたへリウスは、かなり怖い顔をしている。
でも、へリウスがいれば、俺は大丈夫だ、そんな気がした。
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