人間嫌いの公爵様との契約期間が終了したので離婚手続きをしたら夫の執着と溺愛がとんでもないことになりました

荷居人(にいと)

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73〜公爵視点〜

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『××××年×月×日
リテールは死なずに済んだ。だけど、後遺症は残ってしまった。いつ死にかけてもおかしくはない状態。乳母は何故リテールに毒を?子供にとっては猛毒に等しい花の根を無理矢理食べさせるなんてことをする人とは思わなかった。私を含めて数人に目撃されながら私はやってないなんて最後まで見苦しく、ありもしない言い訳をして本当の理由も話さないだなんて許せない気持ちはまだあるけど、リテールが無事で本当によかったわ』

リテールの容態が安定するまで日記を書く余裕もなかったのか、また日付が飛んでいたものの、峠を乗り越えて日記を書いたのが伺えた。日記の内容から乳母がリテールに毒を与えたことによって、リテールは後遺症が残り、それを私は病弱と教えられ、私に見覚えのない乳母の存在がいなくなったのだろう。

毒をご飯に混ぜるなどやり方は他にもあっただろうに、何故この乳母は毒そのものをリテールに食べさせたのかは日記には書かれていない。聞き出せていたとしても、重要機密に関係することだったりする可能性はある。公爵家の子供を狙うとしたらありえないことではない。それでも何故次男のリテールだったのかは謎だ。跡継ぎとして長男である私ならともかく……。

まあ、殺人になりかねない行動をとりながら、ありもしない言い訳を並べるということは実は頭のおかしい人だったという線もあるのかもしれない。公爵家に選ばれる乳母は厳選されたはずとはいえ。

それからはリテールの心配と、私とリテールの仲がいいこと。仕事が忙しくなってあまり構えなくなったこと、それでも寝顔が見ていたことやリテールが両親を嫌う様子なのは早い反抗期なのかもしれないなど、母としての苦悩などが書かれていた。私がリテールと距離を置きたい相談した日についても、外のことにも興味を示した成長の証拠かもしれないと責めるようなことは書かれていなかった……が。

『××××年×月×日
許されないことをしてしまった。

私がもう少し考えて相談にのっていれば知らずに済んだのだろうか?いや、それでも私たちの罪は消えない。あの子の罪は私たちの罪でもある。

もっとちゃんと見ていれば防げたのだろうか?

どうするのがあの子たちにとって最善の方法になるの?』

相談とは私のこと……だろうか?でもそれがきっかけで知るようなこととは一体何なのか検討もつかない。あの子たち……とは私とリテールのことだと思うが、あの子とは私なのかリテールなのか……と考えて、ふと浮かんだのはリテールの言葉。

『父様も母様も兄様が人を不幸にする存在ってわかっちゃったんだよ。兄様が誰も好きにならなければそんなに落ち込む必要ないんだよ?それに誰も不幸にはならない』

私が生きていることが罪だとでも言うんだろうか……。母が、父がそう思うようなことが……あったんだろうか?
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