婚約破棄されたくないので泣いてしがみつきます！

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「わ、私はお二人がお似合いだと思いますので、タース様を医者に見せにいきますわぁあぁぁぁ！」

とりあえず冷静になろうとして私は逃げることにした。確かに私との結婚を考えてくださる殿下の気持ちは嬉しいですが、タース様にみたいに丈夫とは限りませんし、いざ殺してしまったらと思うと怖すぎる。

ということで手錠、足枷を気合いで壊して既に足が腫れ上がり、精神ダメージで干からびているタース様を横抱きしてその場から去った。ちなみに壊した手錠などは後日ちゃんと弁償しましたよ？

その後はちゃんと逃げた理由通りタース様を医者に見せて改めてタース様と二人で話せば婚約破棄はなしに。

「もう……俺もお前しかいない気がしてる………ははは」

そうどこか悟ったような表情でしたが、私は嬉しさ余りに思いっきり抱きついてしまい全身骨折と余計怪我を増やしてしまいました。それも一ヶ月で完治させる辺りさすがタース様だなと思いましたが。

後にあの婚約破棄事件？は盛大な痴話喧嘩と一躍有名に………なることもなく、本性露にしたイーサ様と同じく性癖が露呈した殿下の婚約によって私たちの出来事は忘れ去られました。その話題のイーサ様も私たちの喧嘩の当事者のはずだったんですが……不思議ですね。

いや、不思議でもないかな。

「早く着いてきなさいな！殿下」

「待っておくれ～」

外出中に見かける馬車の窓から顔を出すイーサ様と馬車を楽しそうに猛スピード追いかける殿下。こういったような出来事が日常的に見られるようになり、目立つのも仕方ないと言えます。

イーサ様、殿下の婚約いやがってましたよね？と思うものの本人たちは楽しそうなので何も言う気になれない。もはや立場的にも言えない。

「あれより……マシだよな、俺たち」

「ええ、恐らくは……それよりタース様、せっかく完治したのに肋骨を折ってすみませんでした」

「ははは、気にするな。俺には丈夫以外取り柄がないからな……はは、あははははは」

それはそれとしてあの日から随分とタース様は寛容になってくださりなんだかんだうまくやっている。

今では婚約破棄騒動も私たちの結婚に向けての試練だったのかななんて思ったり………ただ、不安なのは………。

この先イーサ様と殿下でこの国大丈夫かなと言う心配でしょうかね……。

おわり












あとがき
これでいいのか。最後の最後イーサと王子が結ばれる不思議。

そして結局婚約破棄しないパターンでした。王子と結ばれるパターンはありきたりかなと！あえてのこの完結！

色々無理矢理感ありますが楽しんでいただければ幸いです。